『キンプリ』を観てみたわけです。
プリパラ民でありホビアニ好きなもので、ずっと近くに気配は感じてたんだよね、キンプリ。
「でもプリリズ観てないしな~」と思って、これまで観てなかったんだ。
スピンオフだけ観るより、ちゃんと本編観た方が絶対面白いし、『面白さの欠けた状態』だと分かり切った上で観るのもな~……っていう。
とはいえTVで新シリーズやるし、新キャラメインっぽいし、紹介番組やるし……と思って、とりあえず試しにサンシャイン池崎さんの出てる0話を観て、「好きなヤツだこれ」と思って1話目を観て、後半めっちゃ最高だったのでひとまずキンプリ一作目と二作目を……観よう……! と、まぁトントン拍子に事が進みまして。
観ました。
面白かった。
というわけで、その感想のお話です。
『KING OF PRISM by PrettyRhythm』
スピンオフ前編!総集編! といった趣のあった一作目。
『Over the Rainbow』の三人が主役ではあるけれど、プリズムショー初心者の一条シンという新キャラ目線で話が進むため、思いのほか話に入り込めて安心した。
一部のシーンは『劇場版プリパラ みーんなあつまれ!プリズム ツアーズ』でも一度観ていたのだけど、改めて本人たちの口から説明されると、コウジとヒロの関係性に滅茶苦茶興味が湧いてしまう。すごい……こじらせている……こんなことが行われていたのか……
ストーリー全体は続く二作目への布石といった感じで、手際よく被せられる借金とかオバレの無力化、逃げられない状況で進められていく大会とか、続きが気になる要素が強くて、「すぐに二作目が観られる状況で観てよかったぜ……」と思っていた。同時に、「この人SSSの一話でも借金作ってたな……」とも感じてしまうのは、視聴順の問題。
仁科カヅキVS大和アレクサンダー戦がめちゃくちゃ良くて、後輩に「腑抜けた」と言われてしまうカヅキが、彼に不満を持つアレクとの勝負に乗って、技を破られてしまう。勝負自体は引き分けに持ち込めたけど、メイン必殺技が効かなかったっていうのはかなり印象が重くて、新キャラであろうアレクの強さと、カヅキがそれをどう乗り越えていくのか……カヅキを慕うタイガはどうするのか……みたいな、因縁を産む対決として良い熱さを感じられた。あと対決ショーってあんなにガンガン技ぶつけあうノリなんだなって……そういうの好きよ……
あと単純に大和アレクサンダーのキャラ全体が好きというか。好戦的で粗暴な印象の、真っ直ぐに強さを求めている感じ。CV武内駿輔さんの歌も良くて、「ヤバいなこのキャラめっちゃ好きになってしまうぞ」と思いながら観ていた。
その後はオバレの解散ライブと、一条シンの初ライブなんだけど、オバレのライブを観て世界の輝きを知ったシンが、彼らの後を継いでライブをやり遂げる。っていう流れが既に引き継ぎ式として最高に好きなヤツで最高だったね。
「初めてプリズムショーを観た時の事を覚えていますか」の辺りは、プリリズを観ないで観てしまった事を後悔したシーンでもありつつ、オバレのライブでプリズムの煌めきを知ったシンの想いも感じ取れてグッときた。
一条シンは未熟な新キャラクターだけど、その芯にある「世界が輝いているって事を、プリズムショーを通して皆に知ってもらいたい」っていう感情の前向きさが観ていて楽しいし、応援したくなるんですよね。純度の高い輝きというか。でもその純粋さの分、ルヰとの関係性に不安を感じたりもする。
オバレから輝きを得たシンが、輝きを放つ側に回る。
その輝きを得て、エーテルローズのメンバーたちも奮起し始める。
そして陰謀に満ちた大会が始まる……!
導入としてすごく楽しめた一作でした。
『KING OF PRISM -PRIDE the HERO-』
……前作上映の段階で今作の製作が決まってなかった、って本当なの……? 恐ろしくない……?
前作でこさえた借金を返済するため、大会に出場してシュワルツローズと戦うぞ! という流れで、必要な前振りは全部前作で終わっているから、後編は前以上に楽しいシーン山盛りって感じ。
映画は如月ルヰの「pride」で始まるんだけど、他人の曲や技で高レベルの演技を放つ完全コピー系キャラって良いボスキャラだよね。
何度も言うように、プリリズ本編は観ていないから「pride」をめぐるヒロたちの想いに関しては本編からのファンほど分かってはいないんだけど、一番尊敬している大切な仲間の曲を奪われて、仲間にも見捨てられたように感じられてボロボロになっていくヒロは観ていて楽しかったね。
(もちろん再起するだろうって前提でね……!)
前作でシンの輝きに影響されたメンバーたちが、出場こそしないものの、各々自分に出来るやり方で戦う三人をサポートしていくシーンとかが何となく好き。サポートのやり方に各々個性があって、ただいるだけのやつはいないっていうのが好きなポイントだろうか。
特に金銭や権利関係に関して裏で頑張ってる十王院カケル君とか。
で、主な感想は当然大会のショー部分に関するところになるんだけど!
大和アレクサンダー戦が全体的に最高だったんだよね、今回も。
大会の枠組み自体に反発して、自由なストリート系の力を見せつけるため(プリリズにおけるストリート系がなんなのかはよく分かってない)、プリズムジャンプによる爆撃で会場を破壊するアレク。
カヅキを慕う後輩のタイガがそんなアレクに立ち向かって、一度は敗れた先輩の技を使ってリベンジする流れの熱さと言ったら無いし、その上でアレクの爆撃を跳ね返し暴挙を止める流れは、爆発のすさまじさも加味して良い迫力が出ていた。
先輩の敵討ちのために頑張って、一度は先輩をドローに追い込んだアレクと引き分ける。成長を感じられる良いシーンなんだけど、「じゃあカヅキはどうするんだろう?」と思っていたらやっぱりカヅキのショーもすごかった。
アレクの破壊に屈することなく、破壊されたスタジアムで堂々とショーを始める。その上で更に、破壊行為によって傷ついた観客の心を湧き立たせ、会場自体さえ修復して見せる。
アレクの破壊を全て乗り越えていく形で行われたショーは、点数が付かなくてもその時点でカヅキの方が格上であると認識させるのに十分だし、そのショーが(運営不正により)失格扱いとされても笑っていられる。そんな彼の強さにタイガもアレクも魅力を感じてしまう。
(結局ストリート系って何なのか何となくしか分かんないけど)「仁科カヅキは腑抜けてしまったのか?」という前作での問いかけに、完全に答える良い成長だった。ショーでの対決の勝敗って最終的に数字がメインになってくるんだけど、数字が無くとも納得させられるショーっていうのはやっぱり圧巻だよね。
で、次は一条シンのショーと如月ルヰのショーなんだけど、物語の中盤で二人は二人だけのプリズムショーを行って、ルヰは意味深な発言と共にシンにナイフを突き立ててその力を封印してるんだよね。
だけど、仲間たちのショーや後押しもあって、プリズムジャンプが跳べないままにシンは精いっぱいのショーを行う。そのショーの輝きを観て、(おそらく)ルヰは封印を解除する。
シンのショー、今回の物語においては比較的重みの無いショーなんだけど、輝きを受け継いだシンのショーで気持ちを切り替えた仲間たちが、総力を挙げてシンのショーに輝きを与えている、って考えているとやっぱり応援したくなるものだし、仲間との研鑽は燃えるよね。
そんな彼の輝く真っ直ぐなショーを観て、ルヰは与えられた「pride」ではなく、自分が最も輝ける曲で戦う事を選択する。その関係性と心情の連鎖が観ていて心地いいんだよね。
そして、連鎖は最終的に速水ヒロへと繋がっていく。「pride」の権利を差し押さえられて、けれど色んな人たちの手助けで再起し、新曲も手に入れていたヒロが、「最高のショーをするために」prideを使わなかったルヰを前にして、「最高のショーをするために」失格覚悟でprideを使う、っていう流れが圧倒的に良い。
カヅキも、ルヰも、ヒロも、目先の勝敗にはこだわらずに自分が出来る『最高』を見せつけようとする、っていう姿勢が、不正を行ってでも勝とうとする法月仁と対比されていていいんだよね。あと高田馬場……いやどうなんだろうな彼は……
そっからのヒロのショーのパワーは、もう画面全体からあふれていて語る必要も感じないよね。神アイドルルーレットスタートしそう。
ヒロにとっての『最高』の形を実現しようとした結果、幻影のオバレが生まれてくるのもなんかすごく好きなんだよね。いやもう幻影召喚ってだけで力強さがあるんだけど。一人で戦っているわけじゃないっていうのがハッキリ過ぎるほどハッキリ出てきていて。
そっからの圧倒的キングのオーラで敵すらも頭を垂れさせる、っていうやりすぎなくらいやりすぎな演出がとても好き。
で、得点としてはルヰとヒロが同点のMAXで並ぶんだけど、ルヰ自身がヒロを勝者としてたたえる、って言うのが格落ちさせない流れで好き。
それはそれとして、権利関係や不正操作などを十王院カケルがきちんと解決してくれているのも好印象で、「結局大会上は勝ててないのでは?」みたいな疑念を挟ませない。良い。カケル君かなりMVPだよね?
…………というわけで。
二作目は、大会シーンを中心に圧巻のライブを楽しめて、とても満足感の高い作品でした。不正を受けた高田馬場がシンに自慢気なの結構好き。
一作目ではあんまり目立たなかったエーテルローズ生たちにももっと興味が出て、以降のSSSがかなり楽しみにもなったね。彼らのライブが、見たい!
終わりに
二作目を観終わった私が真っ先にしたことは、残してあったプリパラ終盤のライブシーンを一気に観ていくことだった……いやなんか、ライブシーンが観たくて観たくてしかたなくなるんだよね。プリズムショーとプリパラライブはイコールじゃないと分かりつつ、きらめきをもっと味わいたいというか。
『プリティーリズムレインボーライブ』を観ていた方がずっとずっと楽しいのだろうな、ということは明らかなんだけど、それでもひとまず触れられる部分からキンプリを観てみて良かったな、と思いました。
以後のTVシリーズも楽しみにしてます。
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