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【ゼルダ無双 厄災の黙示録】とにかく原作要素を盛り込みたい気持ちに腹が一杯になる。

先日、ブレワイ無双クリアしました!
現在の進行度は……クリア後の……あれやこれやを熟しつつ、まだ100%には全然届かないくらい。思う所はありつつも滅茶苦茶楽しみました。コログのミ探しは若干面倒くさいけど、じっくり100%目指したいな。

という所で、感想記事です。
当然の事ながらクリア後までのネタバレがざっくり含まれておりますので、未クリアの方はお気を付けください。


戦闘とか、システムとか

まずこのゲーム、原作要素の盛り込み方が凄い。

原作であるブレスオブザワイルドと無双ゲーム、システムからして全然別のゲームじゃないですか。ですから遊んだ時の感覚なんかは全然別のものなんですが、アクション面ではシーカーアイテムにラッシュ、盾反射、パラセールなど、色々な原作の要素が盛り込まれていました。

原作での戦いは無双ほど派手でも主人公優位でもなく、複数の敵に囲まれるとちょっと厳しい。でもその分、攻め方一つとっても様々な手法の中から好きに選べる楽しさがありました。反面、無双のシステムでは派手に数十体・数百体と真正面から薙ぎ倒すわけで、プレイしてる時の感覚はやっぱり違います。百年前の英傑たちめっちゃ強いなーと楽しんでいく感じ。

強敵との戦いはまた毛色が違って、通常攻撃で戦いつつラッシュやシーカーアイテムで隙を作り、ゲージ割ってスマッシュ技で削る……みたいな流れになっていて、これがまぁ……同じ敵を相手にし続けると若干流れ作業みたいになっては来るんですが……戦闘中の状況を見てると、ああこんな感じの戦い観たことあるなぁってなるんですよ。

観たことないでしょうか……異常に上手いプレイヤーが操作するやたらとアクティブに動くリンクの動画とか。ああいう戦いがめっちゃ簡易に出来るようになってる、って言うんでしょうか。(ウィークポイント削りはさておき)ブレワイ無双での戦闘って、そういう印象をずっと受けてました。誰でも比較的簡単にクソ強英傑プレイが出来るぞ!!

要の戦闘部分以外でも、敵を倒した時に手に入る素材や、草を刈った時に出現する素材様々な食材を用いて作る料理など、ブレワイで忘れてはいけない要素がしっかり盛り込まれている。実際、草を刈って素材を出すぜ!ってしないといけない状況あんまりないんですけど、細かく拾ってくれてるから同じ世界なんだなぁという実感が湧く。

原作を意識したハイラルチャレンジは、モノによっては面倒な部分もありつつ(ライネル討伐証いくつ要るんだ)、本編外での彼らの日常を垣間見れる感じがして嫌いじゃない。所々、百年後のハイラルチャレンジを想起させる内容もあったりと、ファンサービスを意識している(でもライネル討伐証いくつ要るんだ)。

コログのミは……これもまたブレワイの重要要素なんだけど……
メインストーリーのバトル中、フィールドに点在し隠れているコログを探す。それは良いとして、全然見つからない。意識して探せば半分以上は見つかるんだけど、ひたすら駆け回っても全く見つからないこともある。で、無双なのでプレイ中は常に次の目的が提示されている。それを放置して駆け回り、クリア時間でのボーナスルピーも犠牲にする……ってなると、ちょっとモチベが保ちづらい。結果、後々情報確認して取りに行くか―みたいな気持ちになってる部分がある。これはなー。どうもなー。

コログ探しはやっぱ外せない要素だとは思うんだけど、原作だと広大なフィールドに、必要な数よりずっとずっと多い数を点在させていて、気になる場所を探索した報酬として機能する感じになってる。のだけど、黙示録のステージ構造だとこの探す楽しみ、見つける喜びみたいなものはちょっと薄い(他にやるべきことが提示されてるしね?)ので、ちょっと楽しみづらい要素になってるような気がしてしまってます。かといってプレイしてたら自然と全種見つかります!みたいな感じだとコログ探し感無いし……うーん。

原作要素を盛りに盛るのは、確実にこのゲームの長所だと思います。
ブレスオブザワイルドが好きならやって損はしなさそうなゲーム。なんだけど、それが必ずしも無双としての面白さに繋がってるとは限らないかも、みたいな感覚です。あとカメラワークがちょっと悪い。

で、原作要素云々というとこの辺の要素の話も外せないですね。

登場キャラクターについて

キャラが……キャラが多い!!

事前の情報だと、リンクとゼルダに英傑たち、そして若き日のインパあたりがプレイアブルキャラクターとして明かされてましたね。
それ以外にも若き日のプルアやロベリー、先代?のコーガ様など、原作プレイヤーにはお馴染みだったりそうでもなかったりするキャラクターたちが勢揃いしている。まずもうこれが強い。

私なんかはめちゃくちゃリーバル大好きなので、リーバルが喋る度にテンションが上がってました。

「さて……君の出番はあるかな?」
「結局僕頼みか、リンク!」
「これを食べるのかい……?」
「美味しいじゃないか!」

最高か。最高だな。
特に「美味しいじゃないか!」は笑った。あなたそういうセリフも言うんだね。たくさん食べてくれ(微妙な料理を出しながら)。

ストーリーでもしっかりリンクに対抗意識燃やしてくれたんで、もう本当に有難かったな……リーバル様大好きなので……

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リンクの服装かな?(上裸ラバーキャップ)

最初から各キャラクターへの思い入れが強いので、ちょっとした台詞や挙動で嬉しくなってしまう。それは最推しのリーバルに限らず、責任感強めのミファーや姉御肌のウルボザ、頼りになるダルケルといった英傑の面々も同じ。彼らが元気に生きて戦って食事をしている……嬉しいぜ……

黙示録では、本編で見られなかった彼らの活躍が観られる。素晴らしい事だ。反面、ストーリーは初手からIFとなっているので、原作の記憶で観たシーンの大半はそもそも発生しない。めちゃくちゃ気まずい騎士の任命式とか無いし……カエルを食わせようとするゼルダとか、「ついてこないで下さい!」とかも……無い。それを知ってるのはプレイヤーである我々だけなのだ……(「愚の骨頂だよねぇ!」とかもっと聞きたかったぜ)。

ミファーのリンクへの想いとか、ウルボザとゼルダの関係性とか、原作で好きだった部分の描写は薄めで(無いわけじゃない)、お話としてはゼルダの葛藤を中心に、果たして未来は変えられるのか?という部分に集約されていく。間違いなく100年前のお話でありつつ、100年前のお話ではない。記憶の中の彼らを前提としているのに、記憶の中の彼らのような描写は控えめ、という塩梅。完全に原作プレイ済み前提の展開なんだけど、流石にこれ買ってる人は全員原作やってるから問題ないね?

で、ストーリーを進めていくと、更に他のキャラクターたちも開放されていく。いやボックリンがプレイアブルなのはビックリした。なぜ……なぜボックリンを……とか思ってたら、大妖精までプレイアブルになるし、大妖精の中に馬の神も巻き込まれてるし、「あっこれ出せるヤツ全員出すつもりだな」とか思ってたら導師ミィズ・キョシアもプレイアブルになった。

大妖精はもう完全に賑やかし枠で、私はあんまり触ってないけどこのゲームの立ち位置を何となく理解させてくれた感じがして好きです。
導師はめっっちゃお世話になりました。枠が空いたら基本導師様に同行していただいてる。

「やはり未熟……(憑依ガノンを吹き飛ばしながら)」

でもあれだね。導師様、試練の最終段階としてリンクと手合わせする程度なら大丈夫なんだろうけど、普通にハイラルの平原に出て飯食べたり火炎喰らったりしてて平気なんだろうか。急に寿命が来て倒れてしまったりしないだろうか。私はそれが心配です。氷とか喰らったらそれもう冷凍マンモスみたいなもんじゃん。

あと多分、導師ミィズ・キョシアが普通に外に出てハイラル王家に協力し出した時、他の導師はめっちゃ驚いてたと思いますよ。「え、私たちまだ祠の中なんだけど……!?」って。皆さんはこの次の厄災復活に備えてください

で、ですよ。プレイアブルキャラクター。
話を進めていくと登場すると言えば、彼らですよね。

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私は西の救援先に行ったんで、唐突にテバが登場して「テバァ!?」となりました。これが東だったらもう少し気持ちの準備が出来てた。テバ!?

時渡りの力を持つガーディアンなので、上手く作動すればこの先の未来から戦士を呼び出すことも出来る。でもリーバルの救援に来るテバ、ちょっと理解が追い付かなかった。他にいないんだけど……完全に他人だからさ!?

未来の彼らと英傑たちとの絡み、見たかったヤツなので助かります。
本編だと会うことが出来ないからこそ良い、みたいな部分があったんですけど、外伝作品なので良いじゃないですかそこは。良いんだよ。「二度も奪わせはしないゾ!」……良い。

シドはもちろん、ダルケルとユン坊もあの一瞬のチラッと見えたな、気のせいかな、みたいな距離感が本編的にはBerryGoodだったわけですけど、ダルケル様に「おめぇもやるな!」って背中叩かれるユン坊とかやっぱ実際に目にすると感無量じゃないっすか。ユン坊、立派になったな。ちょっと声変わりしたか……?(してる)。

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あとパトリシアちゃん
ルージュがまさかパトリシアちゃんを連れてきてくれるなんてな、って思ってたら一人だけスナザラシレースやってるぜあの子……操作感はクセの塊みたいな感じがして扱いにくいけど、より偉大な族長を前に弱い部分を見せつつも芯の強さを発揮してくれるルージュ、良いですね。

またリーバルの話になるんですが、他が姉弟だったり末裔だったり後の族長だったりと強めの関係性を持ってる中で、リーバルとテバには大きな繋がりは無いんですよね。テバにとってリーバルは伝え聞くリト族最強の英傑だというだけで、リーバルから受け継ぎ繋いでいるものはあんまりない。

でもだからこそ、テバとリーバルの関係性はフラットで、リーバルが他のリト族の事をどう思っているのかが伝わってくる。カースガノン戦の後、「僕たちだけでもやれてたと思うけど」って言うんだよねリーバル……リーバルにとって同じリト族の強い戦士であるテバは、競争の対象じゃない。共に戦うに足る存在である。もちろんそれは内心で『自分の方が上だ』と確信してるからこそ出てくる余裕なのかもしれないけれど、後のサブクエストとかでもしっかりテバの実力を認めていたりと、リーバルのプライドの高さの中には結構な割合でリト族という種族そのものへの誇りが含まれていたんだなという事を感じさせてくれる部分がある。それから神獣戦の時にリーバルが未来について気にするのが「あの訓練所はまだあるの?」という点だったことがまた良くて、「親子で世話になってます」という言葉に「なら作ってもらった甲斐があったかな」みたいに返すリーバルの心中がまた良い。リト族との邂逅がリーバル率いるリトの戦士との戦いだったことも含めて、原作ではリンクへの対抗意識ばかりが目立っていたリーバルがリトの戦士としてどれだけリト族の事を想っていたか、ということの一端がこの辺に現れているのが嬉しいんですね。表面的な態度とその内心を合わせて好きになってるキャラなので、リーバルの掘り下げがある意味一番深かったんじゃないかとさえ感じています。あとリーバルとテバが並んだ時の身長差も最高ですよね。テバがガタイ良い方なのは良いとしてリーバルってもしかしてかなり華奢なのかなとか、テバの荒っぽい男らしい顔と比較したらリーバルの顔はかなり上品で美形だったりするのかな、みたいなことを二人が並んだだけで色々と感じさせてくれる。テバが最後にリーバルに言った言葉が「英傑様の素顔も拝めましたしね」なのもまた感慨深く、テバはリーバルの強いプライドを見てがっかりしたり失望したりするよりも多分親近感みたいなものを感じたと思うんですよね。伝え聞くような立派な英傑であったリーバルは、だけど自分たちと変わらないリト族の青年でもあったのだという実感は、リーバルを遠い存在だと思っていたテバにとってかなり良い刺激になったんじゃないかなと思うんです。きっとテバは未来に帰ってもリーバルの素顔の話はあんまりしないと思うんですけど、ふとした拍子にリーバル様の話になった時に思い出したりするんでしょう。リンクのヤツに対抗意識バリバリだったなぁ、って。オレも一丁やってやるか、くらいのモチベーションには繋がりそうでなんか良いなと思います。終盤は勝手な想像ですけど!

はぁー……(一息吐く)。

ストーリー的には未来世代の登場って登場した時がピークで、話が進むとすぐに影が薄くなってしまうんですが、それはやっぱゼルダ中心の話にした時に彼らが関わってくる余地もないので仕方ないかなぁと思います。あくまで外伝の、一種お祭り的な側面を持つゲームなので、彼らの存在そのものが独立したファンサービスみたいなノリで受け取ってます。でもシドとかは台詞がいちいちズルいゾ!

……そう、お祭りゲームなんですよね黙示録。
話の筋はゼルダを中心にあくまでシリアスに真面目にやってますけど、ゲームとしてはとことんブレワイファンを喜ばせようとして作られたブレワイファン向けゲームって感じで。二次創作的とすら言えるかもしれない。

そういった雰囲気が顕著に出てるのがハイラル王かな、と思います。

ハイラル王、序盤はゼルダに厳しいシーンが多くて、原作で日記を読んでないとちょっと嫌な役回りだなぁと感じるんですが、終盤それどころじゃなくなる。

いや。あれですよ。
はじまりの台地での戦いで、回生の祠を抜けて地上に出て、戦い抜いたクリア後に再会するのがハイラル王。ブレワイの始まりを下敷きにした演出が嬉しくなる上で、原作では叶わなかったゼルダとの仲直りが出来た。良かった良かったと思っていたらプレイアブル化。まぁガーディアンと戦ってたくらいだしな、とか思ってたら……老人の姿と切り替え……?

確かに……確かにブレワイプレイヤーにとってのハイラル王ってあの小汚い老人の姿の方が印象深いかもしれないが……老人の姿と切り替えながら戦うって、なに……?

なに?って言いながらもう答えは出てるんですけどね?
プレイヤーにとってはあの老人の姿の方が印象が深い。じゃああの姿を出せるような能力にしよう!ってことですよね。いやなんで!?

そういうとこだぞ!!(楽しんでますありがとうございます)

ストーリー中では厳しくも立派なハイラル王としての姿しか描かれないものの、出撃前の料理への感想などで「ああこの人、一人で山小屋に籠って狩りしたり料理を楽しんだりしてたお爺さんなんだよな」という事を想い出す。ほっほっほー!ってパラセールで飛んできたあの愉快な老爺の素養を見え隠れさせるハイラル王。でも何度考えても戦闘中に王様と老人の姿を切り替えながら戦うのおかしいからね。そういうゲームなんだよこれは!

ストーリーについて

もう他の項目で言いたいことは言ってしまっている気がしますが……

ゼルダ姫の葛藤を中心に描いたストーリー、面白かったです。

未来からの介入によって厄災への危機感が強まり、原作よりも着実に準備が進んでいく。敵からの妨害も、それを乗り越える毎に「勝てるのではないか」という希望へと変わっていく。

けれどその中で、ゼルダの力だけは目覚めない。

他の皆が各自上手くやっていく中で、肝心の自分だけが役に立てていないという焦燥感。その焦燥感が「果たして厄災復活に間に合うんだろうか?」という疑問としてプレイヤーの興味も引いていく構造。まぁメタ的には絶対間に合う感じになるんでしょと思いつつも、厄災復活の日が特定されてしまった時の「ああこれダメか?」感が凄かった。あの状況で期限切られて上手く行くわけが……ないじゃん……!?

その後の未来組投入や逆転劇、覚醒し皆を導くゼルダの風格や、終盤で勢ぞろいしたハイラル中の仲間たち。カッコよく燃える場面は数多くあり、程よく楽しめました。完全に頭から抜けていた所で『赤き月の時』が来るのもテンション上がりましたね。

作中の細かい都合は大体テラコのお陰だ!としてしまってる部分はあるんですけど、そこはお祭りゲームだし良いか……という感覚。本作のオリジナルキャラクターであるアストルの格の低さは、結局は厄災ガノンに乗っ取られる程度の駒に過ぎないと分かっていたのであんまり気にならず。初登場の瞬間に結末が察せる感じの人でしたね……

キャラ紹介の所とかでも挙げたように、かなり影が薄いキャラクターも多かったわけですけれど、本作のストーリー自体が結構短めだったように感じるので、その中でキャラをたくさん出して活躍させて……は難しかったよなぁとも思います。これが発売前に公表されていたリンクゼルダインパ四英傑だけだったらもう少し濃く描いてたのかもしれませんけど、本作はそれよりも要素の多さを取ったのかな、と。どちらの方が良かったかは人によるかと思うのですが、プレイアブルキャラが大いに越したことは無いですし、英傑と未来組の絡みとか良かったですし、これで正解だったんじゃないかなと感じます。

あとこれも良かったポイントなんですが。
本作の時空と原作の時空、完全に分かれたんですよね。
黙示録世界は未来が変わったけど、シドたちのいた元のブレワイ世界が改変されたわけじゃない。世界は分岐して二つになった。なので今回のお話が原作に与える影響は特にないですし、安心して「これはこれ!」と楽しめる。それにゼルダ的に歴史の分岐はあるあるですしね。まーた分岐点が増えてしまったか。

まとめ

総じていうと、お祭りゲームとしての要素をどうにかテラコとアストルによって成立させつつ、燃えるところはしっかり燃える楽しいお話でした。満足度が高い。

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一本のゲームとして見た時、気になってしまう点はぽつぽつありはする。
カメラワークとか終盤の要求素材とか、イワロック戦とか神獣操作の何とも言えなさとか。けれどそう言った点を補って余りあるほどに突っ込まれたブレスオブザワイルド要素が、再びあの世界への思い入れを強くし、楽しませてくれた。

ここからまたブレワイに戻るのも良さそうだし、まだまだ先だけど続編も待っている。厄災の黙示録は、そんなブレスオブザワイルドの魅力を更に広げてくれた作品だな、と感じています。


さて、残るクエストにも挑むか……!

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