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【ウルトラマントリガー】第1話感想:期待と不安は想定の範囲

ウルトラマントリガー初回観ました!!!!

ティガの系譜を継ぐ新時代のウルトラマンとして始まった新シリーズ、ウルトラマントリガー。ティガと色濃い関係を持ちつつも、リブートや続編ではない個別の作品だという本作。

ティガ要素を推し出す一方で、登場怪獣や周辺キャラクターには昭和ウルトラマンの要素が盛り込まれているなど、事前の情報から作品の方向性が分からず、ティガ大好きな私としても「ともかく観てみるまでは何ともいえないヤツだな!」と期待半分不安半分の日々を過ごしていたのですが、7月10日ウルトラマンの日、遂にトリガーとのファーストコンタクトを終えた私は思いました。

「映像良い……」

まず冒頭、主人公が暮らす街の描写が良かった。
当たり前のように主人公が過ごす街。けれど「雨の散布」という違和感のある言葉が出てきた後に、引きの画で「火星の街」の全景が描写される。

こういうスケールの大きい映像や設定はニュージェネ以降のウルトラマンだとほぼほぼ無くて、平成三部作当時の映像感を少しばかり思い起こさせる。

戦闘描写では、まず見上げ構図でのスピーディーかつパワフルなアクションで巨大感を演出した上で、そこから更にカメラが上に行ったり下に行ったりと縦横無尽に忙しなく動き回る。見やすいシーンではないけれど、様々な角度から立体的に戦いを見せるというのはウルトラでは珍しく、合間に挟まれたCGも違和感がない(多分繋ぎの部分をCGでやってると思うんだけど、自信が無いレベル)。

続けてカルミラ戦では、前述した雨の散布を伏線とした雨天泥仕合が披露される。ドロドロになったからどう、というわけじゃないんだけど、デロデロに汚れながら戦うウルトラマンにはそこからしか得られない栄養があると言えるだろう。言えるんだよ。

〆のシーンでは久方ぶりの人形爆破が入り、新怪獣ゴルバー君が派手に爆散する。やっぱ爆破って最高だな! 一番テンションが上がったシーンがここ。

といった感じで、第一話から色々と話題性のある映像を盛り込んできたトリガー。流石は坂本監督といった感じで非常に楽しめました。映像面は事前の予告段階でも良さそうなシーンが揃ってたから、今年もかなり期待できそうで大いに安心しています。

……反面。
ゴルザとメルバが合体した怪獣であるゴルバーには、個別の魅力がほぼ感じられなかったな、とは思ってしまう。

ティガの第一話においては、ゴルザとメルバはそれぞれ膂力や飛行能力によってティガのパワー・スカイタイプと対応し、ティガのタイプチェンジ能力を活かすという形で魅力的に描写されていたように思う。けれどトリガー初回においては(恐らく販促の事情も込みで)タイプチェンジは行われず、ゴルバーも際立った特徴のない没個性な怪獣として描写されてしまった。一応、地面に潜ったり翼をはためかせたりとしてはいるのだけど、それが魅力かと言われれば否と言わざるを得ないし。そもそもが初回の戦闘からして、ゴルバー戦とカルミラ戦を両方突っ込んだ為に散漫になっていた部分はあるかなと感じてしまう。

ただこの辺りは担当する監督さんによっても大きく変わる部分なので、「今週は怪獣回だ!」と言える回もぽつぽつあるだろうと思ってます。
メインの敵は闇の三巨人の方でもありますし、前述の通りグッとくる画作りもされているので、心配要素とかではない。


ストーリー面は……どうだろうか。
あくまでまだ第1話という事を念頭に置いても……正直に言えば、不安を抱いている。

主人公・マナカケンゴの印象が一話時点ではあまり良くないのだ。
植物学者をやっている心優しい青年、というのは良いとして、植物の為に母親を頼り無断で現場に侵入し非常時には立ち尽くして「何ができるんだろう」と考え込んでしまう。これが学生とかであればまだ若さとして受け入れられる範囲なのだけど、社会人としてみると……ちょっと、キツい。目の前で怪我人とかが出ててんやわんやなんだから、「何ができるか……」とかじゃなくて手伝えること聞こうよ、とか思ってしまうし、そもそも無断侵入はダメですよねとなってしまう。学生ならなー!

彼が遺跡の剣に呼応し謎の力を発揮したのを観たシズマミツクニは、彼に可能性を感じて戦う力を授ける。のだけど、その辺りの話もどうも流れが変で、「君の夢はなんだ」という問いかけから始まって「みんなを笑顔にしたい」と感極まった風に語るケンゴのテンションには、ちょっとついて行けない。そもそも、彼の「みんなを笑顔にしたい」という気持ちからして、どこから来たものなのか分からなくてついて行けないのだ。なぜ彼はそう思うのか。なぜそう思う彼は植物学者の道を歩んでいるのか。なぜそこから戦うという道を選ぶのか。感情が付いてこないままに、心配する母に「スマイルスマイル」と呼びかける彼に、私はかなり……距離を感じた。

多分、「怪獣の出現によって人々の笑顔が壊される」みたいな描写が事前にあればまだ流れとしても呑み込めたと思うのだけど、今回はそういうのが無かったので唐突に感じてしまったのだと思う。今後、地球に降り立てばドンドン笑顔が壊される様が見られると思うので、そうなれば多分……すんなり呑み込めるようになる……んじゃないかな?

それにしても、花に「ルルイエ」と名付けるセンスもヤバいので、ここはこじつけでも良いから軽い命名理由の説明が欲しかったかもしれない。ルルイエと名付けられた笑顔をもたらすことを期待された花、それほとんどギジェラだからね。

ティガ要素に関しては色々と気になる点があり面白かった。
ユザレ風の人がマジでユザレだったり、シズマさんがティガを知っていたり、それが別の宇宙っぽい雰囲気だったり。この世界で何が起こったのか、ティガとの繋がりは何なのか。トリガーも闇の巨人なのか。一話時点ではティガの知識ありきな部分もあれど、超古代文明の謎が話を引っ張っていくのならそれにはとても興味がある。


総じて言えば、「映像面では期待。ストーリー・キャラクター面は不安」という感じで、なんだかんだ観る前に抱いていた印象とそう変わりない一話でした。ので、特別「すごいなー」とも「ヤバいなー」とも思ってはいない。
ここからグングン良くなっていくか、それとも終始これくらいか。観て行かない事にはなんとも分からないけれど、現時点でもかなり楽しんではいます。やっぱ人形爆破はデカいって。あれの加点がデカすぎる。


個人的には「笑顔」を連呼する主人公という造形にチラつくものがあって、もしかしたらその辺で無意識にケンゴのキャラ性に不安感を抱いてしまってるかもなー。とかは思うんですが。現時点では甘ったれた未熟者にしか見えない彼も、今後話が進む中で成長していくはずだし、それに期待しながら物語を追っていこうと思います。


今年のボイスドラマはリブットが主役みたいな感じなので、そちらも楽しみにしています。グクルシーサー、別怪獣だったんだね……(よくよく考えたらそうじゃなきゃ困る)。

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