刀鬼、両断仕る 第五話【鏡鳴】上
◇【前回】◇
「ご報告します! 刀鬼たちの勢いは止められず……」
「……ここに来る、か」
伝令を聞いた城主、皆守真雨は、目を閉じゆっくりと呟いた。
『天刃』を名乗る五人の刀鬼。彼らの目的は、皆守家が代々守り伝えてきた神刀『龍鱗丸』であるという。
「どうなさいますか?」
「兵を下げよ」
部下に問われ、真雨は短く答える。
その選択に、真雨の部下たちはざわめく。
「負けを認めるのですかっ!?」
「このまま戦っても、徒に兵を失うだけだ」
刀鬼を前にいくら兵を集めたとしても