今日がツイてないだけ
高校1年生の頃、同じ部活の友達全員でカラオケに1度だけ行った。
私が所属していた部活では、部員が4人しかいなく、さらに先輩もいなかったので、もはや家族みたいな距離感になっていた。
だから、逆にカラオケなんかは一切行かなかったのだ。
というような話をしたが、カラオケで特別なにか特殊な体験をしたわけではない。
普通にみんなでワイワイ楽しんでいただけだ。
ただ、その中で、友達が歌った曲で今でも忘れられない曲がある。
それは、Daniel Powterの「Bad Day」という曲だ。
この曲をなんとなく要約すると、
「今は辛いことばかりだったとしても、それはたまたま今日がツイてないだけだったんだから、そんなに気にする必要はないよ。たまにはゆっくり休みなよ。」
という感じだ。
なぜこの曲が鮮明に残っているのかは分からない。
格別に友達の歌唱力があったとかそういう訳じゃないが、何故だか凄く心を打たれた。
きっと、あの時の私は、精神的にかなり参っていたのだろう。
友達とカラオケに行った時期は、私が不登校になりがちになってすぐの頃だった。
そんな私にとっては、この曲の「たまたまツイてないだけ」という、まるで弱い私の心に手を差し伸べてくれているかのような心地よい優しさに胸打たれたのだった。
この曲には、特に受験期に救われた。
私が通っていた通信制高校では、周りがほぼ全員専門学校への進学を希望していたので、大学の一般入試を受ける人は私だけだった。
だから、8月くらいからずっと1人でただ勉強だけをして過ごしてきた。
そんな時に、この曲が自分に対して、「今日がたまたまツイてないだけだよ」と励ましてくれていたのだ。
私は、この「今日がたまたまツイてないだけ」という台詞は、単に励ましの言葉というだけには留まらないと思う。
私には、毎日を幸せに生きる権利がある。
これまでも、ずっと幸せになりたいと思って生きてきた。
そして今も十分に幸せだと思える。
でも、たまにズタボロになった1日だってある。
それはズタボロになりたくてなった訳じゃない。
それも、次の日になってしまえば、幸せだと思える1日がまたやってくる。
ならば、多くの幸せの当たりくじがある中から、とても少ない確率で不幸せなハズレくじを引いてしまっただけだ。
そんなハズレくじを引いてしまった人は、本当に「たまたまツイてない」だけなんだと私は思う。
この世に最悪な人生を送りたいと願っている人なんて1人もいないのだから。
今日はいつも通り幸せな1日だった。
明日も幸せな日になるだろう。
もしかしたら最悪な日になるかもな。
もしそうだとしても、それはたまたまツイてないだけなんだって、笑って流しちゃおうか。
そうして太陽が昇るのを待つ。
また長い1日が始まる。
あなたのサポートのおかげで人生頑張れますっ 宜しく頼んますっ