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門跡寺院「実相院」の土地売却騒動の雑感

先だってSNS上で京都府にある門跡寺院「実相院」の土地が中国で売りに出されているというニュースを目にしました。

皇室にもゆかりのある由緒正しい寺院になりますので、これが海外の人間に手に渡ることを考えると大きな騒動になるのは無理もない話だと考えます。

私も、このニュースを見た時は、フェイクニュースの疑いもあるとみて半信半疑でしたが、実相院サイドで正しい情報を配信されたので一安心といったところであります。

昨今、中国国内の景気が活況を呈しているということもあって、中国人実業家が海外の土地をあちこちで買っているという話を耳にしたことがあります。

勿論、日本も例外ではなく、北海道の土地購入を目的とした中国人の富裕層が足繁く通っているということも伺っておりますし、土地見学ツアーみたいなものも中国国内では企画されているということもあり、中国人富裕層のマネーの行き先が日本の土地売却に向けられているのもなんとなくではありますが認識しております。

とりわけ風光明媚な観光地やスキー場のようなレジャー施設の近隣は人気のようです。別宅として使うのか、あるいはコンドミニアムを建設して、そこでの賃借ビジネスをやるのか、定かではありませんが、彼らの熱い視線が日本に向いているのは間違いなさそうです。

日本の宗教法人は誰が護るのか

さて、「実相院」の話に戻りますが、先に挙げた産経の記事によると、以前、登録有形文化財である客殿の修復のためにクラウドファンディングを実施した経緯があったとのことでした。

登録有形文化財にどうして国の税金が使われないのか、疑問に思うところはございますが、割と「今風」の考えで持って難しいシチュエーションを乗り越えたところには感服する次第です。

記事文中にはこのクラウドファウンディングを使った実績もあり、修復資金の捻出のために売却に踏み切った、という見立ての記載がございます。

そもそもどうしてこんなデマが出てきたのか、本当のところは分かりし得ないのが実際のところですが、私がこの騒動をSNS上で眺めていて、改めて感じ入ったのは、「中国人に日本のお寺を渡すな!」という論調が多かったことにあります。

政治的なバイアスは当然あるでしょうが、そこを抜きにしても外国人の手に日本のお寺を売ってはならぬ、という意見が強かったことに実は安堵した次第です。

苦境に立たされることの多い、宗教法人。「禅譲ねっと」の取り組みはできる限り寺社仏閣を潰さずに残す方法を考えての、禅譲(M&A)という選択肢をご提示しているに過ぎません。

そして、国教である神道・仏教を護る宗教法人は、我が国の国教=精神的・倫理的アイデンティティ(信仰心の厚い薄いは個々人あるとして)とも言えるべき存在であり、それが一切の理解のない外国籍の方にマネーパワーオンリーで簡単に買われてしまうのは、この国の在り方を考える上でそもそもどうなんだろうというのが強い疑問としてあります。

極端な例かもしれませんが、宗教法人特有の税制優遇措置に目をつけて、事業拡大を目論むがゆえにイスラム教徒の方々がお参りするモスクを何の宗教心のない日本人、またはキリスト教を厚く信仰するアメリカ人やヨーロッパの人間が、そのモスク買うよ、といったらイスラム教徒の方々はどう考えるでしょうか。

冷静な議論で済む話ではなくなってくるように思えます。

今回の「実相院」の一件は、日本の宗教界にとって今後迫り来る"恐怖"といっても過言ではありません。

資金難、後継者難に苛まれ、どうしようもなくなって、決して善ならぬ人間に大切な宗教法人を売る日が近いということです。

その結果、禅譲先がカルト教団の温床になったり、反社会性力が息を吹き返す場になるかも知れません。

経済的に厳しい上に後継者難の宗教法人は数多ございます。私の本当の本音は資金面での救済措置だけでなく、合併・消滅については国が判断して積極的に取り組むべきだと思うのです。しっかりと税金を投じて真正面から向き合って宗教界のために仕事をするべきなのです。

それが出来ないならば、主に文化庁は宗教法人のM&Aマーケットには出来るだけ口出しはせずに、良心的な民間事業者にお任せくださればいいのではないでしょうか。

良心的な民間事業者というのは、手前味噌になりますが、我々のように

  • 外国籍の方には売らない

  • 反社会性力にも売らない

  • 投資目的のみで、宗教活動の一切を引き継がない方には売らない

ということを徹底して取り組んでいる会社を指すものと考えます。

別に同業他社を悪くいうつもりはないのですが、サイトを見ていると、「カネになれば売り先なんてなんでもいい」という風にも見える会社はある一定数存在します。

HPを持っているのはまだ良い方で、実際は皆さんの視界に入らないアンダーグラウンドなところでは、その傾向は顕著です。下手したら、反社会性力の隠れ蓑となってしまった宗教法人もあるかもしれません。

市場の健全性の担保を行いつつ、取引もまた健全で且つ透明なやり取りを徹底するというと凄く格好良く聞こえますが、日本人で志のある方に日本の大事な国教の存続をお願いするためのお手伝いを今後も真摯に努めてまいります。

最後に・・・(ちょっと宣伝)

最近、ポツポツと禅譲を希望する案件が出てきました。
主に首都圏の案件なのですが、4,000万円単位〜4億円近い数字の案件まで複数お話しができるようになりました。

もし、ご関心があるようでしたら、お問い合わせフォームからご一報ください。相談内容は当たり前ですが、全て秘密にします。NDAの取り交わしも適時行っておりますので、ご心配なくどうぞ。

取り止めのない文章で恐縮ですが、回数を重ねるごとにもっと上手く書けるようになると思いますので、これに懲りずまたお付き合いをお願い申し上げます。