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作曲の個人レッスンの様子の続き

 なんとなく考えていた音楽の形式は「複合三部形式」という立派な名前があったのでした。個人レッスン3回目ではこの形式の話しをいろいろと聞いていた。例としてあげて頂いたのはベートーヴェンのピアノソナタ8番第二楽章ほか。いやぁ、知らないって恐ろしいことです。

 この時期に考えていたのは一つのメロディで最初の部分を作り、転調して別のメロディ、元の調に戻って最初のメロディから終わりの部分・・・・言葉で表現するとそんな感じでした。

 先生からは最初に書いた16小節をAの部分とするのに、ちょっと短いので8小節加えて見て下さいとのご指導を頂き、書いて見たのですが、ここで先生から自分にとって重要なご指摘がありました。

「ゼクエンツになっていないです。」

ゼクエンツ。「先生。ゼクエンツが分かりません。」と正直に答えました。

ゼクエンツがドイツ語であり、英語ではシークエンスであることは想像が付きます。日本語では反復進行といわれるコード進行の形式のことです。私がその8小節に書いたものは、最初の部分がゼクエンツのカタチになっているのに、途中から逸脱していくという個性的な(?)ものでした。この進行には自分なりの拘りがあって使っていたのですが、形式を学ぶという目的からすると、ここは直さなければなりません。自分に無いものを吸収するために来ているからです。

 持ち帰り、仕事が終わってからゼクエンツについて調べてアタマの中に電球が灯る感じがしました。西洋音楽の長い歴史の中で確立された美しいカタチを学び、それを自分が使えるように身につける。まさに私が音大に求めていたことがこうして実現するのだと実感できた重要な出来事でした。


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