文章のレビューを受ける

レビューということばを聞いたことがあるかもしれません。レビューとは、他の人に文章を見てもらうことで、よりよい文章にするために必要なプロセスです。

レビューはソフトウェアの開発の文脈ではよく行われますが、文章を作成するときにもレビューをすることがあります。ここでは、文章のレビューについて説明します。

なぜレビューをするのか

そもそも、なぜレビューをするのでしょうか。レビューは、文章の品質を高めるために行います。文章をレビューすることで、次のようなメリットがあります。

• 理解しやすく、読みやすい文章になる

• 正しい文章になる

• 表現などの一貫性が保たれる

• 法的要件を遵守できる

まずひとつ目ですが、文章を書くときは、基本的に自分ひとりで書くと思います。ひとりで書いた文章を他の人に見てもらうことで、客観的な意見をもらうことができます。この結果として、理解しやすく、読みやすい文章になります。

また、固有名詞や数値、データなどに誤りがあった場合に、それをレビューによって訂正してもらうことができます。わかりやすい文章にとって、正しいことは前提となる条件なので、正しい文章にするためにもレビューが必要になります。

レビューは、表現などに一貫性をもたせることにもつながります。特に複数の人で文章を書いているとき、人によって表現がゆらぐことがあります。レビューによって、組織における書き方にあわせるようなコメントをもらうことができ、これが文章に一貫性をもたらします。

最後に、レビューは法的要件の遵守にも必要なプロセスです。例えば家電製品の取扱説明書では、安全に関する警告や使用上の注意などを、利用者に伝えることが法律によって決められています。このような情報が十分に書かれているかどうかを、レビューによって保証することができます。

誰にレビューをしてもらうのか

レビューは、どのような人にしてもらうことになるのでしょうか。例えば、次のような人にレビューをしてもらうことになります。

• テクニカルライター

• 開発者

• 法務担当者

まず、テクニカルライターからのレビューは、文章が理解しやすいか、読みやすいかという観点で見てもらうことになります。一貫性のある表現になっているか、誤読のおそれはないかなどを見てもらうことで、よりわかりやすい文章につながります。

開発者からのレビューでは、主に仕様について見てもらいます。文章に仕様上の誤りはないか、非公開の情報を書いてしまっていないかなど、開発者の観点で見てもらうことで、読者の誤解を防いだりすることができます。

法務担当者からのレビューは、前のセクションでも書いた通り、法的要件の遵守のために行われます。すべての文章を見てもらうということはないと思いますが、特に法律に関連しそうなところだけでもピンポイントで見てもらうことで、より信頼性の高い文章にすることができます。

レビューをしてもらったらどうするのか

文章をレビューしてもらったら、どう対応すればいいのでしょうか。ときには、やや厳しいフィードバックが返ってくることもあります。このようなレビューへの対応について最後に説明します。

文章に対するフィードバックがあったときは、自分の責任で判断することが重要です。書いた文章については、自分がいちばん詳しいはずです。レビューをした人は、もしかしたら前提となる知識がない状態でコメントをしているかもしれません。

その結果、フィードバックの通りに修正したら、文章に誤りが生まれてしまうこともあります。こうならないためにも、自分で判断してコメントを反映する必要があります。

もし、厳しいフィードバックがあったらどうすればいいでしょうか。これについて押さえておきたいことは、フィードバックはいい文章にするために行われる、ということです。つまり、文章に対するフィードバックであって、あなたの人格を否定するものではありません。

フィードバックがあったときは、自分に対するコメントではなく、文章に対するコメントだと受け取って、客観的に対応するという心構えをもってみてください。

まとめ

レビューは、文章の品質を高めるために必要なプロセスです。他のテクニカルライターや開発者の方にレビューをしてもらうことで、読みやすさや正しさを高めることができます。

レビューを受け取ったら、反映するかどうかを自分で判断することが重要です。もし厳しいコメントを受け取ったとしても、文章の品質を高めるために、客観的に対応してみてください。