火災保険請求ビジネスの闇

最近ツイッターでもちらほら見かける「火災保険請求して○○儲かりました!」ってやつ。私もセミナーに行って聞いたことがあるので雑感を。
元生命保険屋さんとして一番初めに思ったのは「いい隙間をついてるビジネスだなぁ」です。
一体、火災保険で儲かるとはどういうことなのか…中身はというと

・建物の経年劣化等で破損した部分を風水災として保険金を請求する

です。火災保険は普通の人は「火事にあったとき」しか請求できないものだと思っています。ですが、火災保険は台風などの風災、水災、雪がガレージの屋根を潰した等の雪害でも保険金が給付される場合があるのです。

そこで経年劣化で破損したものを「風水災」として請求するわけです。保険会社はなかなか判断がつきにくいので保険金を支払わざるを得ない。という構図です。まぁ、「火のないところにわざわざ煙を立たせる」ビジネスモデルです。保険会社は支払った保険料の用途を追加で調査をする事がありませんので、現金をそのまま懐に入れるわけです。
そして保険加入者は手伝ってくれた人に成功報酬で半分を支払う。
なかなかニッチな鋭いところに目をつけたなぁと思ったものです。

ただこれはさほど数が多くなく、少人数で静かにやってればの話。
ネットワークビジネスのように素人さんが素人さんに口コミで広げていってビジネス化すると話が違ってきます。当然保険会社は同じような請求が増えれば警戒を強めるわけです。
ましてや近年の台風被害で支払い保険金が損保会社合計で数兆円、火災保険の最長契約期間5年を検討(数年前は30年なんてのが普通にありました)の損保会社が黙って払い続けるわけがありせん。

ビジネスとしてやろうと言う人は以下も気をつけましょう
・加盟料
・年会費

やっては見たものの上記の理由でなかなか保険金が支払われなくて加盟料と年会費を回収できない、ということにならないように…

そして、保険加入者は回り回って「保険請求が多いので保険料値上げします」と自分の首をしめることになることも頭の片隅に置いとくといいかもしれません。

結論、加入者として請求するなら静かに早いうちに。ビジネスとしてやる人は先はないビジネスを覚悟して取り組みましょう。今から参入するのは遅すぎます。

ちなみに建築業者、設備業者が「これは保険金で直せるます。うちで請求代行しますから直しましょう!」は完全にブラックの可能性が高いので気をつけましょう…

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