’80年代、日本でもヒットしていた「AOR」
日本で、昔ほど洋楽が聴かれなくなって久しい気もしますが、60~90年代までは洋楽もけっこう聴かれていたような気がします。そこで、先回まで日本の「City Pop」を取り上げたので、今回は洋楽を紹介したいと思います。
特に、80年代は世界的にみても音楽の多様化が進み、とても面白い時代でした。
英国の70年代は不況で活力が乏しく、政府への批判が大きくパンクロックが流行っていました。しかし、サッチャー首相の登場により、政治経済が安定した結果、パンクが下火になり、変わってニューウエーブ、ニューロマンティックなど、新しい潮流が台頭してきました。そして米国は、’75年にベトナム戦争が終結し、反戦フォークやヒッピー&ドラッグが下火になり、産業ロック、AOR、シンセポップなど、派手なパフォーマンスを披露するバンドが多くなっていました。そこで今回は、個人的にも好きだった、AOR(アダルト・オリエンテッド・ロック:和製英語)を紹介します。米国ではアダルト・コンテンポラリーと呼ばれていました。内容は大人が聴くにたえるロックと言った感じです!
最初に紹介するシンガーは、日本でも人気の高いボズ・スキャッグスです。
曲は、名曲「ロウダウン」。
次に紹介するのが、ボビー・コールドウエルです。彼も日本で人気があり、ボズ・スキャッグスと2大看板といった存在です。
続いてはスティーリー・ダン。ドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーのユニットで、センスの良いジャズ・テイストに人気がありました。
曲は「Aja」、アルバムも『Aja』でアルバムカバーに映っているのは、日本初のスーパーモデル、山口小夜子さんです。
更に続いてはポール・デイヴィスです。日本で知られるようになった切っ掛けは、作家の田中康夫が80年に発表した小説『なんとなくクリスタル』で取り上げられていたからです。紹介曲は、「Cool Night」。
最後は、ラリー・リーになります。アルバム『MAROONED』は、米国版は地味な本人のポートレイトがアルバムカバーになっていたので、話題にもなりませんでした。しかし日本では、人気イラストレーターの鈴木英人がアルバムカバーを描いたため、けっこう売れました。当の本人は、なぜ日本で売れたのかを知りませんでした!
まだまだ紹介したいアーティストがいますが、この辺で。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?