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暮らす観光 ~Life Is a journey~

こんにちは

ZEN BURG編集部のダルマこと安達麿(あだちまろ)です


さまざまな分野で活躍する「食」に携わる方々に「これからの食」について伺うシリーズ。今回はロシア生まれの”人生を旅する” Виктория (ヴィクトリア)さんです。

ダルマ:お~ヴィカ!久しぶり

ヴィカ:ダルマっ!全然変わらないね

Виктория  (ヴィクトリア) 愛称<ヴィカ> ロシア・ウラジオストク出身。15歳で来日してから30年、日本で生活している。私(ダルマ)とは20年ほど前、東京で一緒に働いていた縁で、たまにメールなどで連絡を取り合っていた仲。彼女の生き方と、彼女が考えるこれからの未来についてインタビューしました。

ダルマ:いや、もう20年も前かな?。なつかしい。でも、まさかヴィカとまた日本で会えるなんて思わなかったよ。「ウラジオストクに帰る」ってずっと言ってたから(笑)

ヴィカ:あのころは帰りたいっていうより、仕事がつらかったのよ、ただそれだけ(笑)

ダルマ:今日はね、積もる話もあるんだけど、、、なつかしい話はあとにして、先にインタビューさせて、仕事で来たから(笑)。というのも、今回ZEN BURGとして、ヴィカの生き方というかヴィカが考えるライフスタイル提案にとても興味がある。あります。なので、まず、ヴィカの言う「暮らす観光」について聞かせていただけますか?

ヴィカ:もう(笑)言葉遣いがめちゃくちゃ(笑)

ダルマ:いや、仕事モードですから(笑)お願いいたします

ヴィカ:カシコマリマシタ。

まず、暮らす観光とは、超長期滞在型の宿泊提案です。いわゆる観光とかバカンスって考えとは違う「暮らす観光」。

厳密に期間の定義があるわけではないのだけれど、たとえば1年とか10年とか。非定住型ライフスタイルの提案なの。

ダルマ:非定住型ライフスタイル提案?

ヴィカ:そう。住む場所をね、決めないって生き方。例えば「目的達成まで」とか、「子供の学校生活の間」とか、「3年と決めて!」とか、「あきるまで」とか(笑)。そのとき住みたいところに住みたいだけ住むって生き方。私はそんな生き方が好き。飽き性だから(ウフフ)知ってるでしょう?

ダルマ:なるほどなるほど。転勤族みたいな感じかな?

ヴィカ:ん~~そう考えてもいいけど、でもね、転勤族は自分の意志ではないでしょう?会社の意向で自分の意志とは違う土地で、自分の都合とは違う期間住む”転勤族”とはちがって、自分の意志で自分で決めた場所に好きな期間住む。受動的でやなく能動的に住む場所を選ぶ生き方

ダルマ:なるほど。なんか遊牧民みたい

ヴィカ:いいわね~遊牧民。大好き!!でもね、遊牧民もやっぱり受動的でしょう?生活の(生きる)ために牧草のある所へ移動する。私はね、この現代の便利な時代だからこその、能動的に住む場所を選ぶ人生を歩んでいきたいの。

ダルマ:束縛や不自由からの解放?

ヴィカ:あっ。それはね、私はね、そう思ってなくて、逆に制約や責任や不自由こそに「暮らす」はあると思ってるの。ん~、、、これはね、私にとってこの「暮らす観光」の考えの一番大切な部分になると考えてるのだけど、その町の魅力って住んでみて初めて見えてくるものってたくさんあると思ってる。そしてそこにすごく素敵な世界があるって知ってる。旅行や観光では見えない人の後ろ姿っていうのかな?表の顔は一面でしょう?その町が背負っている歴史やその町に住む人の表には見えてこない感情とか。「暮らす」ってね、裏も見ることだと思ってる。みんな、裏なんてあまり見せたくないでしょ?(笑)でもね、裏があって表に素敵な笑顔があると思うの。

ダルマ:そうかぁ、、、。ヴィカ。俺はね、ヴィカの性格を知ってるから、今の話わかると同時に、疑問というか、、聞きたいのだけど、、、

ヴィカは人が好きでしょう?埼玉県日高市で暮らしていた時もその町のこと大好きで離れるとき凄く泣いてた。離れたくないって。今も瀬戸内の港町でもう5年暮らしてる。ここの町も、人も大好きなのでしょ?なんで定住しようと思わないの?

ヴィカ:…そう。ずっと暮らしたいって思う。いまも、この町はなれることは考えられないくらい好き。人も景色も波の音も、たまに口うるさい近所のおじさんだって次の日には好き(笑)。でも私には夢があるから。

ダルマ:夢?

ヴィカ:うん。夢。私ね、子供のころに仲良かったお友達がいてね。その子は、私と同じウラジオストクで生まれた子なのだけど、人種のことでね、いじわるする子たちもいた、、、でも私たちはいつも一緒に遊んでたの。私は父親の仕事の関係で15歳の時に日本に来た時、そのお友達の顔立ちにそっくりな日本人がすぐに好きになっちゃったの、でもね、その子はね、日本人じゃなくて、高麗人。それでいろいろ歴史とか調べててたらね、すごく悲しくなって。なんで住む場所を勝手に変えられたり、住みたくないところに住まわせられたり、住みたい場所で差別されたりされちゃうんだろうって、、もうすごく悲しくて、それがずっと私の頭に有ってね。

結婚して子供が生まれた時、東京から離れて埼玉の日高市で暮らすようになって。そこで、すごく素敵なカフェに出逢って。オーガニック料理の素敵なカフェなの。そこのオーナー夫婦は旦那さんはアメリカ人、奥様は台湾人で二人とも日本のその日高市の自然と人が大好きで、それでお店までしてて。そのときね、「あぁ~いいなぁ」って思って。私も日高の山や川や人が大好きだったから、あぁ好きなところで暮らせるってホントに幸せなんだなって思ったときにね、おもったの。そんな出逢いのお手伝いしたいって。ほんとに住みたいって思える「コミュニティー」を紹介する仕事がしたいって。

こんなに豊かになって便利になった現代だからこそ「暮らす」ってことにもっと向き合えて当たり前の毎日に感動できるような「暮らし」が見つけられるお手伝いができたらって。そうおもって。

ダルマ:それがヴィカが言ってた「暮らす観光」になっていくんだね?

ヴィカ:そう。 ロングステイしながらその町の人や住み心地とかを少し暮らしながら体感していく。その時にね、大切なのは その地域の人たちの温かい心だと思ってる。誰だって住んでる町に全く知らない人が入ってきたら警戒してしまう。逆に知らないで暮らすって、わからないことだらけで不安でいっぱい。だから、そのお互いの「不安」をケアするのが私の役目。私が実際に暮らした町なら、その「不安」を解消するお手伝いができる。

埼玉の空き家再生グループと、ここ広島の地域の人とその仕組みづくりを進めていて、早ければ来年にはスタートできると思う。

ダルマ:お~すごいね!実際に暮らしたヴィカなら確かに町の人も、そこに住みたいって人も安心して「暮らす観光」を楽しめそうだね。

ヴィカ:それにね、私みたいに故郷が3つも4つもあるのも楽しいよ。日高を離れるとき「悲しい」っておもってたけど、今は「また来たよ」っていえる場所があるってすごく幸せ。そんな生き方も選べるって思ったら、もっとゆったり生きれるんじゃないかな?

ダルマ:そうだね。もちろん、仕事や実家や学校とか、簡単に暮らすところは選べないっていう人がほとんどだと思うけど、でも、ちょっと考え方を変えてみて、何がしたいのか?どんな生き方したいのかってもう一度考えるときに「暮らす」ってことをもっと自由に考えられたら、未来は少し楽しく想像できるかもね。ヴィカ、今日はありがとう。すごく楽しいお話聞かせてもらったし、ヴィカの夢が叶っていくその時に再会できたことになんか運命感じるな。また、近況報告よろしくね、飛んでくるから。

ヴィカ:今日は来てくれてありがとう。うれしかった。今日はこの後おすすめのスペインバル予約してるから、またあとでね。

「暮らす」って考え方を、少し優しく変えてくれる「暮らす観光」 今回のインタビューで印象的だったのが「暮らすって裏も見ること」って言葉。綺麗ごとばかりじゃない人生も含めて共に生きる。すごく愛にあふれた言葉だなって感じました。 泣いていたあのころを知っているから、まっすぐ夢を語っているヴィカが輝いてみえた。

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