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うねりの中でどう生きるか 「合成」と「分解」の動的平衡とは

今、私たちは大きく揺さぶれています。

つい2〜3年前まで順調にいっていた会社が、さまざまな問題で社内が揺れています。それも激震レベルです。対立、離反、存亡の危機を迎えている会社もあります。

個人レベルでも、私の周りの人達には退職、転職、独立が増えています。私がコーチとしてサポートしている組織や個人の多くが今、大きな転換期を迎えています。独立して15年が経ちましたが、こんなことは初めての体験で、正直驚いています。

あなたの人生はいかがでしょうか?

あなたの会社はいかがでしょうか?

一体何が起きているのでしょうか。



もちろん今は、コロナ禍という特殊要因で翻弄はされていますが、コロナよりも、もっと大きなエネルギーが動き始めていると考える方が、自然かもしれません。

個人的には、エネルギーの変化を数年前から感じていました。ただ、それはあくまでも個人的な体験だと思っていたのです。

私は、YouTubeやネット上の記事をほとんど見ません。なので、クライアントさんや知人達が教えてくれるのですが、今「土の時代」から「風の時代」への200年に一度のエネルギーの転換期とのことです。

産業革命以来、「物質主義」が私たちの価値観の土台になってきました。これからの「風の時代」には、そうした物への囚われから、いかに自由になっていくかが大切になる。そのために、本物の知性、人や環境など周りとの関係性などを重視する時代になっていくというのです。「持つ時代から持たない時代」という人もいるようです。

さまざまな表現がありますが、周りから見た見栄えのよさではなく、内面をいかに磨くかが重視されると言ってもいいかもしれませんね。

こういうエネルギーの話をすると、怪しいと思う方も多いでしょう。私もその1人でした。巷にあふれるスピリチュアルという言葉に対して、アレルギーを感じる人もいるでしょう。

ただ、「魂」というものをどう理解していくか。これはそれぞれの人生で探究する必要があると思います。



私が申し上げることは、正解でも答えでもありません。残念ながら、「絶対に幸せになれる唯一の方法」でも「1分でできるマインドチェンジ法」でもありません(笑)

私の場合は、人がどう言っているかは関係なく、今まさに自分自身が風の流れを体験しているのです。メルマガを始めた当初からメルマガを読んでくださっている方は、私が10年ほど前から風の生き方へと試行錯誤しながら移り変わっていくのを目撃されてきたのではないかと思います。



この記事を読み続けてくださっている方は、なんとなく風の方向へと導かれている方です(自分でも気づいていないこともよくあります)。

ということで、今回も一般論ではなく、あくまで私の個人的体験を中心に、お伝えしたいと思います。



今、エネルギーの変化を感じられている方は、いろいろ苦しい出来事が起こっていても大丈夫です。あなたが船を漕いでいる実感があってもなくても、流れにのって船は進んでいます。

一方で、これまでのやり方に固執していたり、財産や既得権益を守ろうとしていると、風は感じられません。もしくは、向かい風ばかりが吹いているように感じます。これは流れに逆らっている状態です。

今起こっているエネルギーの変化は、表面的には混乱のように感じます。

風の流れを問題と捉えるか、それとも転機と捉えるかで、まったく展開は変わってきます。



今は、さまざまな試練に見える出来事がやってきているので、苦しいことも多いと思います。エネルギーが変わるときは、会社でいえば風土が一変するときといえます。その流れにのっていける人と、過去の流れに固執する人の間には、大きなギャップが生まれます。

あなたの組織が風の流れにのって変化していたら、抗う人はその組織からはじき出されていくのは、自然の流れなのです。一方で、もしあなたが過去のやり方に固執していれば、風の流れの人達は、あなたの元から離れていくでしょう。

組織に混乱が起こったり、信頼が崩れるとき、個人的に複雑な気持ちが起こりますが、離れていく人は離れていくべき時期です。新しいものに生まれ変わるとき、古い流れと新しい流れの闘争が起こります。

今できるのは、風を感じること。

あなたは、どんな風を感じていますか?



これまでは、自分を自我として確立する考え方が世界の主流でした。富や権力、名声といった、目に見えるものが価値を持つ時代でした。

これは「土の時代」には適した生き方でした。ただ、「風の時代」には、まったく違う生き方が求められます。

青山学院大学教授で分子生物学者の福岡伸一さんは、著書『動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』で、生きているということは、合成と分解との動的な平衡状態であるとしています。


生体を構成している分子は、すべて高速で分解され、食物として摂取した分子と置き換えられている。身体のあらゆる組織や細胞の中身はこうして常に作り変えられ、更新され続けているのである。(中略)つまり、そこにあるのは、流れそのものでしかない。その流れの中で、私たちの身体は変わりつつ、かろうじて一定の状態を保っている。その流れ自体が「生きている」ということなのである。

サステナビリティ(持続可能性)という言葉が今注目されています。福岡教授によると、一輪車がバランスを保つとき、常に小刻みに動いているからこそ、平行を維持できるのであり、持続できる状態とは、動きながら常に分解と再生を繰り返し、自分を作り替えているというのです。

だから、持続可能であるということは、何かを物質的に保存したり、守ったりすることではないと断言されています。

今回の話が極力怪しくならないように、科学者の話も入れてみました(笑)



ちなみに禅においては、実体というものはない。私というものもない。すべてがご縁の中で、生じては滅しているとされています。

「生きているということは現在進行形の状態である」と禅の師匠である藤田一照老師はおっしゃっていました。

科学からの視点。禅からの視点。この両者の考えは、同じ方向を指し示しているように思いませんか。登る道は違っても、目指す真理の山は同じように思います。

生じては滅していくという自然の本質を、どう生き方に取り入れていくか。

私たちの身体や心にも分解と合成の両方の働きが起こり続けている中で、自然の働きを阻害しないあり方とは?

ぜひ、しばらく自分に問いかけてみてください。自然の声に耳を傾けてみてください。

次回も引き続き、「うねりの中でどう生きるか」ということについてお伝えしたいと思います。



ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

本当にすごい時代がやってきましたね。

今「どう生きるか?」という問いを持っている人も多いでしょう。しかし、この問いは自分を前に進めようとしています。なので、ちょっと力が入りすぎています。

「今なにが起きているのか」という問いは、いかがでしょうか。

これは自分を前に進めない問いです。今ここにとどまることで、風と調和し、あなたが進むべき方向に風が導いてくれます。

今こそ、焦って先走らないこと。人生を先回りしないこと。

しっかりと、今この瞬間の風を感じていきましょう。



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