ゼマイティスならではの個性が光る、メイド・イン・ジャパン・ウクレレ、ZUM-5C
「ZEMAITIS」というと、メタルフロントやパールフロントなどエレクトリック・ギターをイメージする人は多いかもしれない。
また、アコギが好きな人であれば、個性的なハート型サウンドホールのアコースティック・ギターを思い浮かべる人もいるだろう。
今回のコラムでは、ゼマイティスのウクレレに関して紹介する。
どちらかと言うとロック・ギターのイメージが強いゼマイティスだが、ウクレレの製作には20年近い歴史がある。
ゼマイティスが日本で生産されるようになったのは2000年代中期からだが、
その初期の段階からギターと並行してウクレレを製作し、現在までにいくつもの製品をラインナップしてきた。
2005年に誕生したZUKシリーズは、ゼマイティスらしいグラマラスなボディを採用したプレミアム・モデル。
ハート型サウンドホールが大きなポイントで、キュートなデザインのコンサート・モデルである。
ZUKシリーズは、1969年にエリック・クラプトンがトニー・ゼマイティスオーダーした、通称イヴァン・ザ・テリブルという大型12弦アコースティック・ギターをウクレレに落とし込んだような個性的なデザインを採用していた。
特に最上位モデルのZUK-1は、美しい装飾を施したスペシャルなフラッグシップ・モデルで、ウクレレとしてはかなり高価だったにもかかわらず発売後すぐに完売し、現在はゼマイティス・ファンやウクレレ・ファンのコレクターズアイテムとなっている。
ZUKシリーズは日本製の高級モデルだったが、その後スタンダードなタイプとなるZUK-200A、ZUK-200Mも発売され、これらも好評を博した。
今回紹介する「ZUM-5C」は、オール・マホガニー仕様のコンサート・モデルで、サイズは以前のZUK-200Mに近いが、メイド・イン・ジャパンの上級モデルとなる。ボディとネックには厳選されたマホガニーの単板(フィンガーボードはローズウッド)を使用。
アコースティック・ギターも同様だが、マホガニー・ボディは明るく軽やかなトーンが特徴で、程よいサステインと温かみのあるサウンドが魅力的だ。
ハート型サウンドホールは、ゼマイティス・アコースティックを象徴するデザインとして広く知られるが、ウクレレの場合はギター以上にキュートな印象を受ける。
トニー・ゼマイティスはサウンドホールの形状と音色が綿密な関係にあることに着目し、ハート型サウンドホールを採用したのは有名な逸話として伝えられている。
ボディの外周には、ホワイト/パーロイド/ホワイトの3プライ・パーフリングとブラック・バインディングが丁寧に施され、高級感を演出している。
15インチ・スケールを採用したマホガニー・ネックは、ナット幅37mmのラウンド・グリップに仕上げられ、程よい握り心地と極薄のウレタン・マットフィニッシュが、滑らかなフィンガリングを約束する。
フィンガーボードは高級感のあるローズウッド、14フレットでボディとジョイントされ19フレット仕様のネックを採用している。
個性的なマスタッシュ・ブリッジがゼマイティスらしさを強調すると共に、デザイン上のポイントにもなっている。
ヘッドストックは、ギターをそのままコンパクトにしたようなオリジナルの5ポイント・デザインで、ダイアモンド型メタル・エンブレムがブランドの歴史と誇りを感じさせる。
軽量で精度の高いグローバー9NBチューナーはブラックボタン仕様で、安定したチューニングを約束してくれる。
ZUM-5Cは、企画・設計から製作までの全ての工程を日本国内で行った上質なウクレレに仕上がっている。
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