見出し画像

京都府立大学 英語 2019②(過去問解説)

お世話になります。ドリームラーナーズの石原です。鳥取県倉吉市で進路指導と学習法指導の塾を運営しています。学習指導は中学生・高校生・大人、英語の指導は小学生から対応しています。LINEなどを活用して、遠隔地でも進路指導・学習指導に対応しています。

今日は「過去問解説」にチャレンジしてみます。

とは言え、問題作成者である大学と、文章の引用元の著作者に対する著作権侵害に相当するため、英語の過去問をそのまま掲載することはできません。

そのため、センター試験の英語の解説同様に、引用を最小限に留めて「過去問を実際にやった人」にしか伝わらない書き方にします。私の目の付け所などをなるべく伝わるように書いております。

今日扱うのは、京都府立大学の英語、2019年度入試の大問3と4です。

大問3(中文読解)

こういう問題、このレベルになってくると、下線部や該当部分だけ読もうと思っても訳が適切にできずに自分の頭の中だけで回転し始め、トンチンカンな解答になるので、下線部以外もなるべく読みましょう。

問1(下線部和訳)

<構造分析>

butの前後、どちらも主節になっており、構造自体は把握が容易。

<butの前半>

invention(発明)を動詞的に訳した方が日本語で表しやすいのでそこを意識する。いろんな参考書で書かれている、名詞の動詞化と言う話。invention = crucial だが、「発明が決定的だ」と言われてもなんのことやら、となるので、冒頭らしく、発明したこと=決定的なこと、と訳を決定していこう。

人間がゼロを発明したことは、現代の数学と科学において決定的な出来事だった。

<butの後半>

こちらもそこまで難しくない。to consider は手前のspeciesを修飾しており、to consider内に名詞の抜けはないので、関係はS(species)->V(to consider)と判断できる。

あと、ここまではいらないと思いますが、we = speciesと説明されてますから、単に私たち、と訳すよりも「We = Human = 人間」と言うことを意識して訳した方が良いでしょう。

しかし、私たち人間は、「何もない」と言うことを、数として認識している唯一の種ではない。

<結論>

人間がゼロを発明したことは、現代の数学と科学において決定的な出来事であった。しかし、私たち人間は、「何もない」と言うことを、数として認識している唯一の種ではない。

問2(下線部和訳)

<構造分析>

冒頭の副詞句to Vは目的の可能性が高いし、内容とも一致する。主節はresearchers traind ... から始まり、train O to V の形でOをVするようしつける、と言う意味でOKだろう。

<注意点>

seeを「見る」とか、identifyを「同一視する」とか訳さないように注意。前半でも書いたと思うのですが、和訳主体の大学では、内容を解釈した上で、意訳するのが基本だと思ってください。

<結論>

これらの能力が、ゼロを理解するところまで広がっているのかを確かめるために、研究者たちは10匹のハチをしつけて、2つの数字のうち小さい方を当てられるようにした。

問3(適語補充)

(3−1)

これはbutを中心に対比関係にある。空欄箇所に該当する対比先は、were given delicious ... の部分だが、それと反対の物は空欄の後ろwith bitter-tasting ... で来てしまっている。ではここには何が入るのか?

内容を理解していれば、このシーンは「ハチのしつけかた」の説明ですよね。ハチには大きな数字を選んで欲しくないわけだから、大きな数字を選んだハチには嫌なこと(罰)をしたいわけですね。そうすると、②punishedぐらいしか当てはまりません。

(3−2)

ここ、急に前文で条件が変わっていて、「大きい数を選ぶようにしつけられたハチ」の話をしてます。てことは、同じ実験(in this test)では「大きな数=ゼロ(何も書いてない)より大きい数」を選んだ、となって欲しいんですよね。と言うことで、ゼロじゃない、という意味になるのは②nonzeroしかないです。ゼロより大きな、がないのでこれを選ぶしかないです。biggerに引きずられすぎないこと。

(3−3)

うーん、この流れからわかりそうなものですが、「ハチの「ゼロ」の理解はより洗練されていることを示した」か「より洗練されてないことを示した」かのどちらかになります。そこだけ見て③moreと選ぶのは本番では自信がないと思いますので、もうちょっと読みましょう。

具体例が後ろにあります。ハチは1と0を区別できる、と言う話をしてます。全段落では2や3とnothing(何も書かれてない)を区別した、と言う話までしかしてませんでした。だから、「より洗練されている」と言うことで問題ないでしょう。改めて、③moreが正解。

問4(内容一致問題)

直後にthen this ability(ゼロを完璧に理解する能力) は「動物の王国ではより一般的なことかもしれない」と言っています。てことは、これの言い換えである③の「多くの動物がゼロを理解するかもしれない」が正解ですね。

手前の「もし昆虫が…」の部分を指してると言う人もいるかもしれませんが、選択肢にないんですよね。と言うことで考慮する必要なしです。

大問4(和文英訳)

これは一般的な日本語だと思うので、載せてしまって良いでしょう。

広い住まいに、多くの物を置くような生活を否定する必要はない。しかし、最小限に切りつめてみると、本当に生活に必要な物は何であったのかが見えてくる。

まず適当に頭から書き始めるのではなく、以下の点を意識しながら日本語を分析しましょう。

①主語・目的語を明確にする
②動詞で表すか、be動詞+形容詞で表すかを決める
③意味が不明瞭な日本語を明確にする

この辺りを意識して眺めて、少しずつ英語に直しやすい日本語に直して行きます。

<前半>

主語不明瞭な部分(否定する、物をおく、の主語がない)を補充しましょう。

あなたはあなたが広い家にたくさんの物を置く生活を、否定する必要はない。しかし、

否定する、はdenyがパッと浮かぶと思いますが、denyには「事実であることを否定する」と言う意味以外にも「拒む」がありますので問題なく使えます。こうした単語の意味の範囲や使い方の話は、英作文対策の時点で頻繁に辞書を引いて、基本語句ほど対応できるように覚えていきましょう。

〜する必要はない、はdon't have to Vで良いでしょう。must notは「禁止」ですから「しちゃダメ」なので使えません。

生活、はlifestyleで良いでしょうし、おそらくこの文章の手前では物を大量に持っている生活の話をしていたのだろうと推測できますから、theをつけてしまって構わないでしょう。別にaでもこの文単体では妥当な判断だと思います。

これを英語にして、

You don't have to deny the lifestyle that you have a lot of things in a large house, but

<後半>

主語不明瞭な部分(切りつめる、必要、見えてくる、の主語が不明)、目的語不明瞭な部分(切りつめる、の目的語が不明)を補充しましょう。あと、「条件」に見えづらい(〜すると、)も条件とわかるように書き直しましょう。

もしあなたが、持ち物を最小限に減らせば、あなたはあなたが本当に生活に必要な物が、見えてくる。

この条件の書き方ならwhenでもifでも良いでしょう。主節の動詞に相当する「見えてくる」、はseeでもfindでも良いでしょう。

「減らす」は数量的に減らす、なのでreduceで使えます。cut downとかでもいいですけど。「最小限に」はto the minimumとかto the minimum extent(to the extent:〜の程度に、にminimumをつける)です。「持ち物」ちょっと迷いますが、単語で済まそうと思うとpossessionとかpropertyとかになりますね。いずれもfurnitureなどと同様、集合名詞で単数扱いです。what you haveでお茶を濁しても良いでしょう。

これを英語にして

when you reduce your possession to the minimum extent, you will find what you really need in your life.

<結論>

You don't have to deny the lifestyle that you have a lot of things in a large house, but when you reduce your possession to the minimum extent, you will find what you really need in your life.

ツッコミ、修正指摘などあればコメントください!

難関大志望者の中で勝ち残る学習法を公式ウェブサイトで公開中!
LINEやSkypeによる無料相談も受付中!


サポートをいただいたら、大学受験用の参考書・問題集の購入に使います。解説してほしい問題などありましたらリクエストしてください。