ここで生きろ。

2024/05/10 2:51の日記

今日はまた長い長い好きなもの自分語り回。


現在見事にどハマりしております、今季の東映制作オリジナルアニメ「ガールズバンドクライ」。
かねてより浅ーいアニメ好きかつ音楽(特にロック)もののアニメが好きで仕方ないわたしでして
今回のガルクラもそれは大変楽しみにしていたわけですが
一昨年に観た「ぼざろ」の素晴らしさに負けず劣らずどころか、別ベクトルでまたギュイイィーン!と強烈に突き刺さりました。


けいおん・ぼざろなど過去の素晴らしいガールズバンドアニメも「ロックバンド結成」という事象が媒介する青春群像劇という点で今回のガルクラと共通する部分ではありましたが
複数の人間が集まっていく中で自他との対峙や対立・和解を経験するさまを描くにあたって
その下地が「ロック(バンド)でなければ意味がない」とここまで強く納得させられたのはガルクラならではで
とにかくそこに深く感動するというか、琴線を抉られまくっています。


今のところバンドメンバーとして集まっているのは3人の女の子なんですが
この3人が三者三様に色々と訳アリちゃんで、ざっくり言うと自分の居場所が無い子たち。
元いた環境の中でつけていた(或いはつけられそうになっていた)ペルソナに窒素寸前の状態だったところに、訳あって出会いロック(バンド結成)を通してそのペルソナから解放されていく物語――みたいなことなんですけど
それがもうなんというか、観ててとても傷つくし痛いし、でも羨ましくて、そして物凄く呼吸が楽になるんです。


ロックってこういう音楽なんだよなぁ……って。
聴いてて楽しい!カッコいい!以前に、自分の中の曲げられないこととか変えられないバックボーンなんかがあって
どうしたってうまくペルソナを被りきれない稚拙だったり粗暴だったりみっともなかったりするものを持て余した人間が
そのすべてを昇華させるべく救いを求めて縋る場所としての「ロック」。


ファッションでも娯楽でも、ましてや教養として嗜むなんてこととは対極で
そこでしかうまく呼吸が出来ない・生きられない、そういう人間にとっての安息地たり得る場所。


書いててなんて大人気ない未熟な感覚なんだろうと我ながら呆れてしまいますが
少なくともわたしにとってのロックはむかしも今もずっとそういうもので
ガルクラを観てると今も自分の中にある「そういう居場所を渇望する気持ち」を少し肯定されてる気がして、なんだか勝手に涙が出てきます。


現実世界でそんなこと言ったら鼻で笑われるどころか普通に軽蔑されちゃうのでさすがにひた隠しにしてますけど、いよいよ人生折り返しの年齢になって尚
「ぜんぶを晒して生きたい。そんな場所が欲しい」という叶わぬ夢が自分の中に燻っていることを眼前に突きつけられる。


10代の頃、ろくに弾けもしないのに安いベースを買ってなんちゃって弾き語りの真似事をしていたこと、
アマチュアバンドのライブに通いまくっていつも大声で一緒に歌ってたこと、
家に帰りたくなくて公園のベンチで延々NIRVANAを聴いていたこと……
ガルクラを観てたらそんな日々のことを昨日のことのように鮮明に思い出して、とにかく泣けて仕方ない。


要するにけいおんよりもぼざろよりもその物語というか主人公に感情移入しやすい作品なんです。
ガルクラの主人公はまだ17歳なので今年40後半に突入するおばちゃんが何感情移入しとんねん!という話なんですけど
自分でもそれは十分理解しているので、なんというか……呼吸のしやすさと同時にある種の絶望も感じたり。


実は昨年からぼざろの影響でウン十年ぶりにベースに再挑戦してて
日々の空いた時間にペシペシ練習したり宅録ごっこして一人で楽しんでるんですが
この年齢からではさすがにロックを居場所には出来なくて趣味として楽しむしかないんだよなぁと少し切ない気持ちになるものの
ガルクラのバンドや主人公を観ていると、なんだか勝手に「あとは託したぞ!」みたいな気分にもなったりして
まぁほんとに良くも悪くもとんでもなくズタズタに刺されまくっています。


……なげぇなぁオイ。
すみません。そろそろ終わります。
とその前に先週放送された第5話のエンディング、主人公のバンドのライブ映像をご紹介。

CGアニメーションのライブシーンなんですけどこれが物凄く格好良いんです!
今まで観てきたアニメの音楽ライブシーンで一番格好良いんじゃないかと。
メンバー3人とも動きがイイけど特に主人公(ボーカル)の格好良さは本当に圧巻です。
表情も動きも生々しくてめちゃくちゃロックしてます。
途中主人公とギタリストが同じタイミングで笑顔でヘドバンしてるところが私的ハイライトで、やっぱりヘドバン良いなぁと。
いまだにロック聴く時はライブはもちろん家でも反射的にヘドバンしてしまうわたしはなんだかとてもカタルシス(笑)。
もちろんカメラワークもとにかく秀逸でサビでステージとフロアのカットに切り替わるところなんかはさながら自分もその場に居るような臨場感。
もうこの動画30回くらい観ましたが全然飽きないどころか観れば観るほどもっと好きになってます。


――


「怒りも喜びも哀しさも全部ぶち込め。」


ガールズバンドクライのキャッチコピーですが、わたしはこれを「ここで生きろ。」と勝手に変換しています。
そして改めて自分がロックを好きになった理由に根拠を与えられて、たぶんそれは死ぬまで揺らぎようがないのだろうな……とも思っていて。


なので、ロック好き・アニメ好きさん以上に、かつてロックに縋ってロックに救われロックに出会ってはじめて生きる場所を与えられた人にこそもっともっとこの作品が広まればいいなと願ってやみません。
世間では割と賛否両論みたいですがきっと刺さる人にはほんとに深く刺さるはず。


最後にとんでもなくどうでもいい戯言なんですが、この作品のストーリーを
わたしはなんだかカート(NIRVANA)に教えてあげたくなりました。
もちろんフィクションだし商業作品ど真ん中ではあるんですけどね、なんとなく。
なんなら一緒に観たいくらいです。
最初は絵柄に拒絶反応起こしててもそのうち主人公ちゃんのこと
「なんだこいつイカれてんな!」って気に入ってくれそうな気がするんだよなぁ……(笑)。

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