54.3 x 47.4 cm ｱｸﾘﾙ絵具, 墨, ﾘﾍﾟﾙﾒﾃﾞｨｳﾑ, ｺﾗｰｼﾞｭ 　 2023 右上の女性のモチーフは、AIによって作成し、透明なフィルム（タトゥーシール）でコラージュしています。AI描画は時に、人間離れした要素を潜ませる時があり、この人物（あるいはアンドロイド的な存在かもしれません）の、視線の行先や長い首、髪と一体化したようなアクセサリーなども、不可解さを醸しています。 何かを牛耳っているような風貌にはしかし強さがにじみ出ており、よるべのない抽象的な空間の中で、君主めいた威厳を保っています。 リペルという滲みを発生させる特殊なメディムを用いて地を作り、前出のコラージュの上に墨、アクリル絵具で一切筆を用いずデカルコマニーやドリッピングなどで作画しています。

27.4 x 27.4 cm ｱｸﾘﾙ絵具, 墨, ﾘﾍﾟﾙﾒﾃﾞｨｳﾑ, ｺﾗｰｼﾞｭ, ｸﾞﾘｯﾀｰ 　 2023 左の人物は、AI作画によるもので、透明フィルムを用いてコラージュしています。もの悲しさの中に慈悲深さや諦観を感じさせる落ち着いた風貌は、暗い閉塞感のある背景に対しては明確に光として存在し、全体としては清らかな希望のほの見えるイメージとして構成しました。 滲みやはじき効果を持つリペルというメディウムと墨で流動的な雰囲気を作り、それにアクリル絵具の直線的な筆触、また合成した文字などで硬質さを加えています。

12 x 16.8 cm ｱｸﾘﾙ絵具, 墨, ｺﾗｰｼﾞｭ, ｸﾞﾘｯﾀｰ 2023　 暗い中に浮かび上がる神秘的で金属的風合いの花は、AI描画によるものです。 花のある空間と対比されるやや明るめの部分は下に白、上に黒のアクリル絵具を二層にしており、独自開発のモノタイプ（一点刷り版画）の技法で制作しています。 正面を向いているこの花はとてもしっかりと立っていて、世話をしてくれる存在を必要としていないように見えながら、同時に誰かを、あるいは何かを待っているような雰囲気をもまた持っています。 本作は、「Post Human」という構想の作品群の一環として制作しました。無機的で情緒性を欠いた、AIで制作した人ないし事物の姿や場所の特定できない光景の形をとりながら、清浄であり、少しは愚かさとの密着を離れた「黒いユートピア」のイメージの一つです。

9 x 14 cm ｱｸﾘﾙ絵具, 墨, ｺﾗｰｼﾞｭ, ｸﾞﾘｯﾀｰ 　 2023　 高速回転する車輪のようなモチーフはAIで作画したギアを透明なフィルムにしてアクリル絵具の上に貼っています。 この作品では筆を利用せず、スキージという版画用のヘラ状のツールで絵具を動かしており、その動きでスピード感を感じさせる描線を創っています。 従ってここはどこか具体的な場所ではなく、この車輪が何を目指しどこに向かうかについてそれとわかる確定的な要素はありませんが、速度自体が目的化したような状況の象徴的な描写という側面を持つものとして、このイメージを創りました。

14 x 9 cm ｱｸﾘﾙ絵具, 墨, ﾘﾍﾟﾙﾒﾃﾞｨｳﾑ, ｺﾗｰｼﾞｭ 　 2023 ここにある金属的で複雑な形態はAIで描出しており、そのプロンプト（AIに絵を描かせるための指示の言葉）は、 「V字型の大胆な幾何学的ストライプをモチーフにした、ゴージャスでサイケデリックな未来的ドアノブ。単色、どちらかといえばミニマル、横からの光、ハイコントラスト、明るい背景、8K解像度のコンセプトアート、超詳細、超現実的」としていました。 本作のタイトル「鍵のための鍵」(Kye for Keys)に鍵という言葉が用いられていますが、ノブからの連想があったかもしれません。ノブと鍵が一体化すると何かが開きます。しかしそこにはまた別の鍵が現れるのはないか、というイメージです。

英プログレッシヴロックのカリスマ的プレイヤー、Peter Hammill（ピーター・ハミル）の2017年来日ツアー公演の記念作品。是蘭が公演主催者Office Ohsawaより委嘱を受け制作した絵画です。 額裏面にはHammill本人の直筆サインがあります。 作品本体サイズは29.4 x 43 cm（額込 47.2 x 62.5 cm)。アクリル絵具、コラージュ、孔版等によるミクストメディア（混合技法）で描かれています。 Hammillの精悍で内省的な横顔と共に、本作に用いられている意匠化された文字～無・時・人など～は、彼の楽曲の歌詞分析に基づき、多く用いられている語から選ばれています。 タイトル『星間の発話』はまた、星々の間を超えていくような、彼の透徹性/浸透力のある声にインスピレーションを受けたものです。 アクリル板入りにて額装されており、掛け紐付き。直射日光を避けて頂ければ通常の室内環境下においては、長期間に渡り目立つ退色等は生じません。 プリント等によるイメージの再販のない、原画オリジナル一点のみの作品となります。 制作者是蘭のプロフィールは作家サイトよりご覧ください。 https://www.zelan-art.com/t-ja/

本作はミュージアムクラスの高精細デジタルプリント「ジクレー」によるご提供です。 原画は、モノクロのフルイドアート（アクリル絵具の垂らし込み技法）の上に顔等の具象モチーフを透明なフィルムによりコラージュした混合技法の作品であり、モチーフ部分はStable Diffusionという描画AIのエンジンで主に制作しています。 そしてこの静かなまなざしは、15世紀イタリアルネサンスの画家アントネッロ・ダ・メッシーナによるマリア像より採っています。

25.1 X 29 cm ｺﾗｰｼﾞｭ, ｱｸﾘﾙ絵具 2023 アクリル絵具の垂らし込み技法（フルイドアート）による作品です。これは黒い絵具を流した地に、スプーンに入れた白・黒・銀の絵具を落とすことで図像を得て、それに眼などの具象モチーフをタトゥーシールで作った透明なフィルムを使ってコラージュしています。 この眼は、ルーカス・クラナッハ（独 15c)の絵画より、貞節の象徴とされるルクレチアという女性から採りました。

32 X 37 cm ｱｸﾘﾙ絵具 2023 昇り龍のような形象を持つ、モノクロームのフルイドアート作品です。

17.2 x 20 cm ｺﾗｰｼﾞｭ, ｱｸﾘﾙ絵具 2022 Coming Daysは色彩を用いたフルイドアートの連作です。 六角形や三角形は、絵画平面として見慣れた矩形に比してより数学的な秩序感をもたらしますが、それが内部の流動的な形象との対比を生み出しています。

16.5 x 19 cm ｺﾗｰｼﾞｭ, ｱｸﾘﾙ絵具 2022 Coming Days 1の解説をご覧ください。

16.8 x 11.5 cm ｺﾗｰｼﾞｭ, ｱｸﾘﾙ絵具 2023 精神の武装は二重の構造を持っています。下層にはモノクロのフルイドアートがあり、その上にポートレートのタトゥーシールを貼っており、タトゥーシールの透明部分から下の絵の層が透けて見えています。 ポートレートはStable Diffusionという描画AIのエンジンで、プシュコマキアの詩からの一部を描画の指示として投入しました。一見した処写真のようですが、観察するとわかる下層の絵画からの物理的な風合いも持っています。 小品ではありますがAIと物理作品の融合は未だ多くの作家は試みておらず、技法的には稀少なものとなっております。

16.8 x 11.5 cm ｺﾗｰｼﾞｭ, ｱｸﾘﾙ絵具 2023 精神の武装 1の解説をご覧ください。

72 x 48.8 ｺﾗｰｼﾞｭ, ｱｸﾘﾙ絵具 2023 抽象と具象の中間的な空間性を持つ緊張感の高い構図に、重力を無視して疾駆する馬のモチーフを合わせています。これらの馬は、19世紀後半英国の、連続写真で有名なエドワード・マイブリッジの馬を元にAIによる加工を施したものです。