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描画AIによる創作物/創作スキルのコモディテイ化とクリエイティブ

最近知人から教えてもらったLeonardo.aiという描画AIのサイト。
数種の描画エンジンが用意されていて、比較的シンプルなプロンプトでも精巧で美しい画像が生成できる。
更には「Prompt Generation」という機能があり、例えば「ふわふわした丸っこいもの」と入力すると、「白い球体の集まりで、それぞれがユニークなふわふわ感を持つ」といった、勝手にふくらましてくれた様々なプロンプト案を何百個も提案してくれる。で、提案から選んだプロンプトで描画してもらいそこからお気に入りを選ぶという・・・。「もはや選ぶだけでも結構いけるぢゃん!」と自分は思った。

というのんきなことを言ってる場合ではない。描画AIの登場で、イラストやアートの今に勝るコモディティ化(一般物品化)と供給の過剰が確実に加速する。

ChatGPTに意見を聞くとその通りという返事だったが、常ながら聞いてもないことを足してきた。
「しかしAIが生成するものは学習データやパターンに基づいています。一方人間は自律的な目標や意思を持ち、情報の裏側や非明示的な要素にもアクセスできるため、既存の枠組みを超えた新しい発想や創造的な行動を示すことができます。」

でもねChatGPTくん、人は少なくとも今は、たとえ選ぶだけにせよきっかけは与えてるから「AIが(単独で)生成するもの」は実は存在しないのよ、それに、我々においても脳内の学習データやパターン大活躍な訳で、それなら君らの方がリソース巨大・・、と私の灰色の脳細胞は思ったが、上記の中の「情報の裏側や非明示的な要素」という表現にだけは、ちょっぴりだけどなんか冴えてる、と思った。
確かに、言葉のみの世界はともかく、イメージの世界においては特に、我々はこれら下層/裏面/抽象的な要素にアクセスし、動かされ続けていますからね(そしてまずいことに、しばしばそれを忘れたり・・)。それに比してAIはまだ表面なぞってる、とでもいいたげな、「謙虚」なお言葉だ。
そしてこのポイントはシンプルだけど、AIを相棒にしていく時に覚えておくと割にいいとこかも、と納得した。
 
いずれにしても、最初から入れ食い状態のレッドオーシャンであるクリエイティブ領域は、創作物及びその作成スキルの勢いづいたコモディティ化によって、ますます真っ赤になっていく。人々の、創作物を見る視覚の性質や精度、要求水準も同時に激しく変化していくはず。ものを生み出すスピードは速くなるかもしれないが、良き創作、赤い海から浮上するものを生み出すこと自体のハードルは、むしろ劇的に上がっていくだろう。
 
最後に私自身のAIとのコラボ状況ですが、現状Stable Diffusionを中心に描画し、アクリル絵画、モノタイプ(一点刷り版画)やコラージュなど自分の技法と組合せたミクストメディア作品を制作/販売しています。

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ではまた。


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