救済所勤め1

白い塀から出てくる少年が一人、身長は175くらいだろうか、う〜んと伸びをしている、
「あ〜、疲れた疲れた、なんでも屋さんの国家機関も困りものだね、救済所とは名ばかりで市民の困りごとが全部集まってくる上に犯罪者の捕縛まで担当しているときた、明らかに辛い職場だよね、犯罪者捕まえれば金もらえるとはいえ」
少年は手に持った硬貨をじゃらじゃら鳴らす
この少年は救済所に務めている、名を『罪風 京介』(つみかぜ きょうすけ)と言う、彼は今、帰路に就いている、夕日と仕事場を背にして、まさに、帰ろうというのである。    
その時、彼の後ろから駆け足の足音がした、彼が振り向くと、そこにはライオンの耳を頭から生やし、尻尾を後ろに生やした、身長は185ほどありそうな獣人、というべきなのかはなんとも微妙な青年が居た、褐色のその肌は、彼のほとんど羽織っているだけのような黄色い服の間から見える体や白い髪、耳と相まってとても綺麗に感じるのだった。
青年は罪風に語りかける、
「よっ、帰りか?シン、一緒に帰ろうぜ」
 心做しか青年の目はキラキラしているように見えた、夕日を背に、電灯の付き始めた町並みの方向を向いていたからかも知れないが、楽しみである様に、罪風には見えた。
「もちろん、断る理由はないよ、罪人(つみひと)。」
罪風は慣れた様子で言葉を返す、罪人と呼ばれたその青年は、
「よかった、断られたらどうしようかと」
そう言って、彼は罪風の隣で歩く、この青年の名を、罪人 快晴(つみひと かいせい)と言う。
「断る理由がある時は稀だからな、それに、君のことは嫌いじゃない」
「嬉しい事言ってくれるな、何も出ないが」
罪人は少し明るい声で嬉しそうに返した、そして
「で、今日はいつにも増して疲れていそうだったが、大丈夫か?」
と、心配そうに罪風に問いかける
「大丈夫に決まってるだろう、今日もこれだけ稼げたし、あんま疲れてないんだから」
手に持っていた硬貨を袋に入れ、その膨らんだ袋を見せ、ドヤァとでも言いそうな顔である
「ふむ、金貨56枚、円換算でいうと、112万か、良いんじゃないか?」
「ね、それにしても、円換算覚えちゃったんだ」
「いつかシンのいた世界に行くときに必要になるからな、結構学んだんだ。」
「それは勤勉なことだね、僕だったらそんな事思わないしできないよ、多分」
そうして二人が会話しながら歩いていると、商店街の前まで来た、その時、徐に罪風が言う
「今日のご飯なに?罪人」
そう言いつつキラキラした無邪気に見える目で顔を近づけてくる
「あ〜、考えてなかった、シンは何がいいんだ?」
罪人は少し唸った
「え〜っと、あれがいいな、あの、そう、すき焼き。」
少し悩んだようだが、それなりの早さで罪風は答える
「ああ、すき焼きな、あの、卵を絡めて食べるというシンの世界の、何だ、えっと、鍋、とやらの一種」
「そうそう、それ、」
「なら、あれか?喰牛(ぎゅし)の肉と、シンの世界で言う豆腐、は作ってあったのが沢山あったな、それと、ネギ、白菜(しろな)、白滝、だな、よし、買っておく、だからシンは先に帰っているといい、シンは人前に出ると変な目で見られるからな」
「りょ〜かい」
と、一通りの会話が終わって、罪風と罪人が別れ、罪人は商店街に入っていく。

1はここまで、次は2の罪人編と罪風編としまして、買い物の様子と、帰り道の様子、を書きたいです、仕事をするまでが長い!もしかして日常系のが得意なのか?自分。
さてそんな2ですが、そんなに時間は掛からないと思います、読んでくれた人、ありがとうございます、アドバイスとか、コメントにください、ではまた。

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