セントジョーンズワートのサプリメントに手を出す話

セントジョーンズワートとは何かというと、別名セイヨウオトギリという多年草で、その成分には不安を和らげたり、うつ状態を改善する効果があるそうです。
実際に日本の医療の現場で処方されるものなのかはわかりませんが、市販のサプリメントとしても販売されているので、処方箋を必要とせずに購入可能な栄養剤なのです。
(副作用があるという話を聞くので、使用時にはご注意ください。)

しかし、是界房はこれまで、このサプリメントを飲まずに生きてきました。
というのは、他のビタミン剤などと違って、精神病の薬という性格が強いサプリメントだからです。
このサプリメントに安易に手を出してしまうと、もっとつらい状況になれば、その時は病院に行かねばならなくなる。

駅のホームのアナウンスでいう、「○番線に電車が到着します。白線の内側に立ってお待ちください。」の白線が精神科や心療内科で処方される薬だとすると、このサプリメントはその少し手前にある点字ブロックくらいの位置だろうと思います。

しかし、この4ヶ月は激務で、新しく配属された係は慢性的に忙しく、あまり自分の気質に向いてない仕事です。
ここのところ、体調も大きく崩しましたが、精神面のほうも不調をきたしているように思います。
希死念慮などはとくにないのですが、本やネットなどを調べてみると、プチうつ状態なるものから、少し本格的なうつ病に突入している状態に思えます。
昨日までは三連休を取ったのですが、身体的には休息できたものの、心のほうは安らかにならなかった…。
こうなると、もうこのサプリメントを飲まなければ、一足飛びに病院行きになるかもしれないなと思いました。
なので、今日は仕事帰りに寄り道して買ってこようと思います。

こういう時、民間の仕事であれば、「昇給に影響するだけで、やらなくなって世の中としてはさほど役に立たない仕事なのだし」と諦めがつくでしょうが、公務員という仕事はこの点厄介です。
必ず、誰かがその仕事をしなければならない。
ここで休めば、他のメンバーに皺寄せがいく。
(既に先週くらいから、1人休職し始めたのに!)
人員の補充はなかなか行われない。
こういう状況で、そうそう放棄するわけにはいきません。

ただし、仕事というのは官民問わず、向き不向きがあるものです。
例えば、営業職なんかはそれが顕著に思います。
喋るのが大好き、人に接するのが大好きという人は確かにいて、そういう人は好成績をおさめます。
なので、自分の仕事もきっと、もっと向いてる人はいるでしょう。
(この仕事をわざわざやりたがる人は、そうそういないと思いますがね…。)

ここまでの話を読んで、「サプリメントよりも病院に行ったほうがいいのでは?」も思う人がいるかもしれません。
しかし、私にとってそれはそれなりに代償を伴うものです。

ひとつ、生命保険に加入する権利を失いたくない。
プー太郎時代の夢は、被保険者の健康保険証を持ち、生命保険に加入することでした。(しょうもない)
なので、せっかく得られた権利を絶対に失いたくないのです。

ふたつ、職場で困ったちゃん扱いされるのが嫌。
病気で休職するのに手厚いことで有名な公務員とはいえ、メンタルを病んだ職員というのは、扱いにくい人だと周囲から認識されてしまいます。
楽な部署には配属されやすくなるようですが、私はプライドがそのあたり少し高いので、弱者とは見做されたくないのです。

みっつ、母親がうるさい。
母は心配性かつヒステリーなので、心配のあまり暴言を吐きます。病院なんて受診すれば、何年も怒られます。安らかな日々は訪れません。

以上の理由から、現時点で病院を受診するのは不利益のほうが多いのです。

そういうわけで、とりあえずサプリメントで乗り切ります。

ところで、うつ病などで苦しむ人が、「よくも無責任に、逃げろなんて言ったな!再就職はできないし、いつまでも社会復帰できない!」と恨み節を吐いているのを見かけます。
これ、彼らは大いに勘違いしていると思うのですよ。
彼らは甘ったれています。

この「甘ったれている」というのと、「うつは甘え」という言葉は異なるものです。
うつは甘えではありませんが、生活を保証しろと文句を言うことは甘えです。

考えてもごらんなさい。
精神疾患もなく、単に怠惰を極めて毎日遊んでいる人が、「仕事するより遊びたい。誰か養ってぇ」と言ったら、甘えるなと思いませんか?
本質はそれと同じです。
自立せずに、働かずに安定した衣食住を与えてほしいと望むことは甘えているのです。
しかし、それに加えて「精神疾患で弱っている」という条件が加わると、周囲は責めずに休息を促すのです。

つまり、周囲の人は「弱っているから仕方なく責めずにいてあげてるだけ。その環境にいる限り弱ったままであるから、逃げなさいと言ってあげてるだけ」なのですよ。
甘えた行為は甘えた行為に変わりがなく、仕事を辞めたらその尻拭いをするのは未来の自分以外にいないのです。
玉の輿(または逆玉)に乗らない限りね。
(もしくは、老いゆく親に寄生するろくでなしもいるでしょうが…。)
働けるようになるまで休んで、回復したらまた働けという意味で、「逃げなさい」と言うわけです。

是界房は、甘えません。
どうせ、未来の自分がどうにかしなければならない問題なのだから、安易に仕事を辞めるわけにはいきません。
そして、この仕事(公務)は必ず誰かがやらねばならないものなのだから、安易に精神科や心療内科を受診して診断書をもらって、休職してから楽な部署に配属させてもらおうなんて、卑劣な真似はできません。

なので、自分の中のダムが決壊しそうにならない限りは、安易に病院にはいきません。
休むべき時に休んだら、あとはまた働かねばなりません。
そうやって生きるために、今回は禁断のサプリメントに手を出すという決断をしたのです。


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追記

この文章、今朝から書き始めたのですが、残業もしたので完成が夜になってしまいました。

今朝はそこそこ元気がなく、体力だけ回復していたのが救いといった状態でした。
しかし、脳筋たち…もとい同僚たちもまた、疲労してるんだなとわかる一面があり、さらにその上で、大変な(他の人の)ミスの後始末を全て受け持ってくれたりと、性格の良い部分を見つけて見直したことで、いくらか精神的に楽になった一日でした。

市役所屈指の激務部署で、一番激務な係というだけあります。
ラグビー部出身だとかのゴッツイ肉体の人達ですら疲れるのですから、虚弱児の是界房が疲れるのは当たり前すぎることなのです…。

さて、これが今日買ったサプリメントです。

ハッピーハーブ(笑)



本命のセントジョーンズワートですが、口コミを見たらかなりの数、「夜に飲むと悪夢を見る」といってるコメントが見られたので、今晩はGABAだけ飲んで、セントジョーンズワートは明日の朝に1錠だけ飲もうと思います。
(副作用が強いので、怖くて1日の目安である4錠なんて怖くて飲めない!)

うーむ、やはりこれまで避けてきただけあって、他のサプリメントとは比べ物にならないくらいキツい作用の薬らしいな…。
普通の人ですら悪夢を見るのに、これまで心霊現象を通り越して神秘現象のようなもの(※幻覚なのかは判断がつかない)を複数回見たことのある是界房が夜に飲んでしまったら、きっとおぞましい悪夢を見るに違いない…。
くわばら、くわばら。

(明日、朝に飲んだのにその夜悪夢を見ちゃったらどうしよう。)

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