見出し画像

2022秋の山形、秋田、福島を旅する-2【須川湖キャンプ場、秣岳登山,大日湯】

前回はこちら

小安峡から豊かな高原の森を抜けると須川湖はもうじき。
紅葉はまだ1週間ほど早かった模様で、ナナカマドや低木がやっと色づいてきたところだ。

明日はあの山に登る

午前中は何とか天気も持ったものの、テントを張る頃には雨模様に・・・

買い物をしてきた食材で昼食の準備、簡単にラーメンです。いろいろと大雑把w

ラーメン

そしてあっという間の夕食w
ちらし寿司の元と買ってきた刺身で海鮮丼です。

白飯たけた
海鮮丼
サラダ

翌朝は快晴、午前中は天気が持つという予報なので栗駒山の前衛峰、秣岳まぐさだけに向かう。

須川湖キャンプ場から車道を2km下った所が登山口で、ほぼ皆さん路駐です。ここの所の雨で登山道はどろんこ祭りでこの先が思いやられる。。。
入口からすぐのブナ林が美しい。

ツタウルシが色づき始めた



今回相方との登山は実に6年ぶりだ。
私の怪我と病気、そして相方の膝の故障でもう登山は無理と諦めていた。
相方の膝は地元の市民病院で手術してもよくならなかった。
大学病院を紹介され、後は人工関節しか方法がないとまで言われ、今の年齢で人工関節にすると、生涯もう一度人工関節を入れ替えなければいけないという時期で結局断念。
リハビリをしながら何年か過ぎたけれど、1kmも歩けなかったのに徐々に距離が伸びていき、ついに軽い登山をできるまでに復調した。
何がよかったか全くわからないのだけど温泉効果ではと密かに思っている。



美しいブナ林を抜けていくと展望が開けて須川湖が眼下に広がる。
久しぶりの登山で泥濘の登山道だったのもあって、ここまででも結構苦しい。もうこの展望だし下ってもいいやと思ったけど、相方に励まされる。

さらに試練。。。岩場のトラバースが始まってちょっとした難所になる。
登山現役時代なら鼻歌でも歌いながら通り過ぎる所だが、怖くて腰が引けてしまう。ここまでしてなんで登りたいのだろう。
山頂もまだ遠い。
それでも何かの力にあそこまで、山頂まで行かなくてはと突き動かされる。

また樹林帯に入ると展望もなく、ぐるぐると山頂直下を回るように長く感じた。偽ピークまでやってくると手こずった岩場の難所が眼下に見えた。

そしてついに山頂、CTの倍近くの時間が掛かった。
にわかにガスが湧きだして何も見えなかったし寒かった。
でも諦めなくてよかった。だってここはこの峰の中で一番高い所。
四方を邪魔するものは何もない。
朝早くから登っている人は、さらに栗駒山までを目指して縦走していく。
もう私達は足が限界でとてもそれは叶わぬこと。
できたらこの先の高原地帯まで行って(栗駒のモンサンミッシェルと言われている)素晴らしい風景を見たかったけれどこのガスではそれも叶わない。

ガスが晴れるでもなく下山を始める。
泥濘で手こずった登山道は下りでも相変わらずで、ついに尻もちもついてズボンは泥まみれ。。。やっとのことで登山口に戻る。

あまりの泥まみれなので、一旦テントに戻って着替えてから須川温泉-大日湯へ。かなり道が渋滞していたので、時間をずらすことにしてもう一度テントに戻った。このキャンプ場は栗駒山荘との系列らしくて、割引券が頂けるのだけど、やっぱり大日湯に入りたくてそちらに。

旧温泉名だと緑礬泉りょくばんせんと言うようで、鉄分を含む酸性の硫酸塩型の温泉らしい。知らないと青色の硫黄泉かなとも思っちゃう感じ。
大日岩を望みながらの広い湯舟は迫力満点
ボディーソープだけの寒空の下で体を洗いドボン
う~んたまんない気持ちいい!はじっこの温めなところから、
庇のある方の湯口に移動すると、じわじわ暖かくてってか結構熱い。
登山で疲れた体から薄皮が剥がれるように疲れが飛んでいく。
じっくりと浸かってああ、いいお湯だった。

公式HPより

テントに戻って夕食の準備に取り掛かる。
今日は無印で買っておいたパエリアの素投入。
作り方には素を入れて炊き込むようになっているけど、それじゃパエリアっぽくないので、本場スペイン仕込みの私が(嘘です)生米から本式にフライパンで水を足しながら作っていきますよ(ならサフランでちゃんとやれw)

買っておいた冷凍の魚介とベーコンから炒め、パプリカとインゲンも炒めて次に生米を炒める。水を足して煮る感じで、水がなくなったら出来上がるまでまた水を足す。米の硬さが丁度よくパエリアっぽい。

今回のキャンプでは3日間とも雨模様で焚き火での調理は叶わず、すべてカセットコンロで行った。

ああ、雨がテントを叩く不穏な時間がやってくる。
今晩が試練の風雨予報でテントはしっかりとペグダウンする。
それでも一抹の不安がつのる。

一段と風が強くなってきた。栗駒山が鳴る。。。するとどうだろう。山頂の方角から爆音と共に風の玉が落ちてくる。まるでドラゴンボールのかめはめ波だ。一旦音が消え、また次の爆音、それがほぼ一晩中続いた。
相方が何度かガイロープを締めなおした。
瞬間風速20m/秒はあったんじゃないだろうか。雨にも叩かれ何度もテントがひしゃげた。翌朝、なんとか持ちこたえたテントよ、ありがとう。
流石、ogawaのテントだ。

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?