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「この旅館」でしか味わえない贅沢の極み!ワクワクが渋滞する箱根の老舗温泉旅館「福住」
こんにちは
ここ最近、建築にも興味を持ちはじめている洲脇です。
今回は、箱根の玄関口である箱根湯本に腰を据える老舗中の老舗旅館
「萬翠楼 福住」を取り上げたいと思います。
箱根の魅力と歴史を語るには外すことができないこの温泉旅館。多くの偉人たちも愛した「福住」の魅力をご紹介したいと思います。
◼️温泉旅館で唯一、国の重要文化財に指定されている「萬翠楼福住」
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66747810/picture_pc_1e2aaca9c30d3503c078b3fa6e890247.jpeg?width=800)
箱根湯本の駅から温泉街へと徒歩7分、湯本橋からその姿が望める早川沿いの老舗旅館「福住」
ここ「福住」は創業1625年、今年で395年を迎える老舗中の老舗。
なんと、この旅館は現役で泊まることのできる唯一の国指定重要文化材。
明治初期に完成した擬洋風建築の「萬翠楼・金泉楼」の二棟が貴重な遺構とし登録されています。
外観は石づくりの擬洋風建築に対し、内観は和風が主体。
当時の大工棟梁がこだわった細部に対する匠の芸と、ド肝をぬく「和と洋」の融合の表現。
当時の文明開化真っ盛りの時代精神、
明治・大正に最盛期を迎える日本の大工の技巧がここまでも!と思うほどに細部に詰まっています。
ここ「福住」はもはや、美術館と行っても過言ではないかと思えます。
まず、入り口は、昭和期に建てられた建物、違和感のない通常の旅館のエントランス。
まずは女将さんが挨拶をしてくれて、そのままフロントの受付へ。
ただ、後ろを振り返るだけですでに、ワクワクがとまらない。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66747833/picture_pc_0f1e93020d1db6a690139b61e43f3c31.jpeg)
時計やランプ、シャンデリアの小物などもオシャレでそれだけで目移りするが、気になるのが奥の大きな扉。
立派な耐火扉が目を惹きます。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66747856/picture_pc_544488b3f3c2dc23eb964b68634748b7.jpeg)
この先が「金泉楼」へとつづく通路になっています。重厚な耐火扉。当時の火事に対する危機意識が伺えます。
通路から階段まで、部屋へ行くまで色々なモノに目を奪われながら、
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66749521/picture_pc_304d601c22a8bcad4bff6c7d3436ca1d.jpeg?width=800)
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66749542/picture_pc_489e2ca392cabb8d24740ce27fa22639.jpeg?width=800)
2階へ3階へと案内され、部屋へと。
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66749569/picture_pc_fc8f84a1cd723759b05152378b13ad03.jpeg?width=800)
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66749596/picture_pc_17d532e853a31cd12b7a299f2cf955af.jpeg?width=800)
今回、泊まったのは重要文化財でもある金泉楼の3階の部屋。
この部屋の面白さは畳敷きも床の間もフスマも純日本伝統の造りなのだが、天井が洋風という驚き。
棹に板をのせた伝統の「棹縁天井」ではなく、漆喰塗りの洋風天井。
![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66749665/picture_pc_5d2f52d380bd79b9a3cfcc3bcebf82da.jpeg)
和室にシャンデリア!擬洋風ならではの和洋折衷!
漆喰塗りの天井のすぐ下には和のデザイン欄間も。
![画像9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66749678/picture_pc_b09a513e4a13b0c60ba042a8afa51e62.jpeg)
この時点ですでにお腹いっぱいなのだが、ここは温泉旅館。
温泉に入らなければ始まらない。
◼️毎分100ℓを超える源泉掛け流し!横穴式自家源泉の贅沢を味わい。
![画像10](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66749704/picture_pc_91219ddbd24012c0654c3833e7bbe037.jpg)
もちろん、部屋にもお風呂があり、お湯も温泉を使用している徹底ぶりに魅力を感じるけれど、
旅館の醍醐味は大浴場に限るのではないか。
![画像11](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66749735/picture_pc_4ce6468e5db820611e3a19995c3aaa64.jpeg)
1階にある大浴場の入り口。
ここの温泉は、湯本でも希少な自噴式の源泉を単独管理。
しかも、湧出量が少ないときでも毎分100ℓを超えると言います。
ポンプを使用しない横穴式自噴を直接湯船に入れるから浴場はほぼ半地下に位置します。
自噴式ならではの半地下構造には胸が躍ります。半地下は「ホンモノ」の証なんです。
泉質はアルカリ性単純温泉。
湯のきめが細かく、肌触りが絹のようになめらかさ。
デザイン豊かなタイル造りに囲まれた「一円の湯」はココロもカラダも癒してくれます。
◼️数寄屋造りの極み!遊び心と粋の極意は本質主義へと還る。
さて、また建物の話に戻りますが
この旅館の一番の目玉は「萬翠楼」の1階にある15号室。
・江戸・明治期の絵師による天井絵48枚
福井県永平寺の天井絵を彷彿させる圧巻の天井絵。
温泉旅館の一室がこんなに豪華でいいものかと思ってしまうほどに見応えのある48枚。
![画像16](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66750268/picture_pc_c6e84ac0ea70b3a2781607408542353c.jpeg)
・職人の技巧が濃縮された格子・磨りガラス・襖絵
いまではもう出来ないのであろう当時の高い技術。
細部までこだわる日本の職人芸、崇高ささえ感じる腕前に息を呑みます。
![画像13](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66750099/picture_pc_817ed2b95bc1827dde045adc6b3908a6.jpeg?width=800)
![画像14](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66750107/picture_pc_6c95e2b57b2f6cab0afc1d0a7e1004bb.jpeg?width=800)
![画像15](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66750115/picture_pc_4d0390544f727e567e43cd11673b635f.jpeg?width=800)
・素材そのもの、自然の造形を活かした山桜の柱
![画像16](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66750137/picture_pc_e03a674d2c49a300851492eb7d188342.jpeg)
何とも大胆、、、
そんなことが出来るのかと思うほど木の幹丸ごと一本。
フスマの上部が幹の柱の形状に合わせて作られています。
素材をそのまま楽しむ遊び心と、ディティールまで拘った職人の技巧にもはや感嘆するしかない。
この部屋は、木戸孝允、伊藤博文、三条実美公、山内容堂など、歴史に名を残している多くの偉人がこの旅館に来て、この部屋に留まったとされています。
当時から別格の格式高い部屋として使用されていたのでしょう。
作り込みの仕方が知っている和室とはまるで異次元、数寄屋造りもここまで来ると圧倒されます。
![画像17](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66750285/picture_pc_7bf300a9d0396c09e7c0332850ab5092.jpeg)
と、ここまで書いてふと思ったのが、数寄屋造りは格式ばらない洗練された空間が特徴、とくに素材そのものを楽しむ傾向が多い。
![画像20](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66751343/picture_pc_bc1ca678e5c29a43744ae4baea1d4637.jpeg?width=800)
言うなれば「好きや」という心がかえって、「工芸」から「自然の本質」を楽しむ遊び心に転じているように思えてくる。
「モノの本質を追求する。」
大量消費時代を超えた今の時代に大切な考え方ではないでしょうか。
シンプルでかつ本質的なモノの中に「遊び」を取り入れる。
日頃の生活の中で心がけていきたいものです。
![画像20](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66751197/picture_pc_f83675e78e0c263ef8f82a1d4e7d757b.jpeg?width=800)
色々、「福住」に関して書きましたがまだまだその魅力は書ききれないのが事実。
ただ最後にまとめるとすると言えるのはこの一言。
「こんなぜいたくはここでしかできない。」
国の重要文化財に泊まって源泉掛け流しの温泉に入る。
是非、機会があれば「萬翠楼福住」に行ってみてください。
![画像19](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66750557/picture_pc_6a7d6e4bb4a3f245796efb0edba8c30e.jpeg)
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