『世界で一番病んだ公園』中編
ジャイアン母に始まり、歌丸、浜ちゃんといった娼婦と話をしてるうちに、女を買いたいという欲求がわいてきた。
日本でも夜の店すら入ったことのない自分が、店に属せないなんらかの理由を持つ危険な彼女らを買春する気を起こすなんて、今でも信じられない。
ロータリー周辺で、何人かの娼婦に絡まれた。みんな容姿レベルは比較的マトモだが、ややぽっちゃりしていて好みではない。
値段も言い値が1000バーツ(3600円)と高め。
裏路地に入ると、熟女とババアの二人組が私を呼び止めた。
ババア「400バーツでこのかわい子ちゃんとやれるで」
かわい子ちゃん(熟女)「…………」
かわい子ちゃん(熟女)は年齢40代前半くらい。正直かなり美人だ。
若作りという訳ではなく、年相応の大人の色気を醸し出している。熟女好きにはかなりの良物件だろう。
ただ、常に無表情で無言なのが気になる。愛想笑いすらせず、憂いを秘めた目で虚空を見上げている。
ババア「彼女はタイ人じゃなくてさ、私が通訳してんだよ」
というババアは英語ができるわけでもなく、通訳アプリを通して通訳と会話するという不思議な状況になった。
正直迷ったが、浜ちゃんとの出会いでこのエリアには20代がいることが判明したので一旦保留にした。
更に路地裏を探検していると、誰かから腕を掴まれた。
腕を掴んでくるのはだいたい中年~老年の娼婦である。
見てみると、やはり60歳くらいのババアだった。
ババアは巨乳を腕に押し当ててアピールしてきた。
ババア「兄さん、どこの人や?」
私「日本人だよ」
ババア「日本人!私、日本語も話せるで」
ババアは、簡単な英語すら通じない娼婦が多いこのエリアで、英語と日本語を巧みに操るトライリンガルだった。
ババア「私のテクニック、凄いんやで。マッサージだけでもどうや、400バーツで」
私「うーん、いや、今はそんな気分じゃ……」
ババアはなかなか離そうとしてくれない。日本人は押しに弱いということを知ってるようだったが、どんなに押されてもお断り。
私「それより、飲み物を買える場所知らない?喉渇いちゃってさ」
ババア「ええ、知ってるで。案内しちゃるわ」
ババアは、向こうを向く瞬間に超嫌そうな表情になった。
嫌な客と思わせれば、二度としつこく絡んでくることはないだろう。私の作戦勝ちだ。
ババアについていくと、路地裏の裏の裏を進んでいき、人気のない場所にたどり着いた。
Googleマップを見ても、よくわからない場所を指している。
ヤバそうな空気が漂いはじめた。周囲は壁。地元民の姿はまったく無い。常に渋滞を起こしてる車両たちのクラクションすらここには届かない。
殺害されて地面に埋められても、誰にも発見されることはない。完全犯罪を遂行するのに最適な場所だ。
これから、とんでもない事に巻き込まれそうな気がする。
ババア「さあ、こっちやで」
とババアは建物の中へ私を招き入れた。
絶対ヤバいやんと思ったが、中は普通のミニマートだった。
こんな場所にミニマートが存在してるなんて違和感しかないが、特にヤバそうな気配はなかった。地元民向けの店って感じ。
ババアにコーラを奢ってやると、もう私とは関わりたくないという風に速やかにどっかへ消えていった。
親切なババアだったな…と思いながら、私はコーラのキャップを開けた。
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