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なんとなく鉄道旅

朝7時、爆発音のような音で目を覚ます。

何が起きたのかわからなかった。爆発音は、よく聞くと小学校の放送だった。

窓から外を見ると、大勢のチビッ子たちが校舎へ吸い込まれていく。爆音放送は長時間流れていた。

あの爆音の中でどうやって授業が行われているのだろうか。はじめは運動会でもやってるのかと思ったが、そういう訳でもないようだ。

ゲストハウスの壁が薄いというのもあるだろうが、たとえ防音仕様だったとしても小学校から流れてくる放送を遮断できるとは思えない。

昼まで寝ているつもりだったのに7時に起こされた私は、爆音から逃れるために朝から糞暑い外へ出るはめになってしまった。

適当な場所で食事しながら、今日はどう過ごそうかネットで観光情報を探した。

タイの健全旅行の定番のひとつ、アユタヤ遺跡が目についた。バンコクから鉄道で二時間ほど。
遺跡なんてこれっぽっちも興味ないが、鉄道の旅は興味ある。
2等車を利用すれば、クーラーが効いてるので快適。料金も安い。

どうせ暇だし、行ってみるか。

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と、フワランポーン駅へ向かった。タイ国鉄の中心と言われる歴史ある駅。

バンコクの大部分は大都会しているが、この駅は発展途上国感溢れる雰囲気があってステキ。
チケットの発券がカウンターで人力で行われてるのもなんか良い。

「おばちゃん、クーラーつきのセカンドクラスで頼む」とぴったりの金額を差し出すと、大量のお釣りとともにチケットが渡された。

案の定、チケットには3rdの文字が。

糞ババアめ…と悪態つきたくなったが、英語で相手を罵るボキャブラリーが無いため、泣き寝入りするしかなかった。
日本は義務教育の英語の授業で、クレームの入れ方も教えるべきだと思う。


いざ鉄道に乗車し、アユタヤへ出発。
クーラーがなくても、窓を開けてりゃ風が入ってくるだろうと期待したが、鉄道の走行スピードがノロ過ぎて風なんてまったく入ってこない。
暑すぎてだんだん具合が悪くなってきた。

しょっちゅう車内販売が行われ、いかにも辛そうなつまみ物が売られる。うっかり手を出したらいくら水があっても足りない。隣にいた女性がいちいち車販を買ってたのが印象的だった。おにぎり、串焼き、おやつなどなど、おなか空かせ過ぎだろ。

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熱中症になりかけた地獄のような二時間を経て、アユタヤ駅に到着した。


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