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士業 × DXのノウハウを中小企業へ!綜合税経センターDX化の「これまで」と「これから」

「DX化が進んでいるなぁ」という実感、あなたはありますか?

DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が使われるようになって数年経ちますが、正直、私の職場ではDXは感じられない……という方がほとんどではないでしょうか。

文書や手続きの電子化にとどまらず、ITを徹底的に活用して手続きを簡単・便利に。テクノロジーの力で人々の生活を豊かにしていこうというのがDXの趣旨。とはいえ、実際には何から、どうやって始めたらいいのか分かりにくいもの。

そこで今回は、綜合税経センターで3年ほど、社内のDX化を進めてきた市島さんにお話を聞いてみることに。市島さんはいろいろなソフトウェアを使って、主に会計業務の効率upを進めています。社内だけではなく、綜合税経センター顧問先の経理を効率化することもあるそう。

・社内DXの実例
・綜合税経センター内ではどのようにDXを進めてきたのか
・DXを進める良さや、むずかしさ
などを、具体例を挙げながら、ITに詳しくない人にも分かるように話してくれました。

「DX、よく分からないけれどむずかしそう」と思う方も、ぜひお付き合いください!

RPAを使えば、人が行っているパソコン業務はすべて自動化できる

ーー市島さんは、綜合税経センター内でどのようにDX化を進めているのですか。

RPAを使った、会計業務の効率化が主です。これまで1つの顧問先あたり2時間かかっていた作業が、30分で終わるようになるなどしています。

RPAとは、ロボティックプロセスオートメーション(Robotic Process Automation)のこと。これまで人が行っていた作業を、AIなどを備えたソフトウェアのロボットが代行・自動化してくれます。定期的に行うルーティン業務は、RPA導入でかなりの時間短縮ができますよ。

社内では、
・通帳の日付、金額、摘要をデータ化
・通帳のデータを会計ソフトに自動入力
・社内報のメール配信
などにRPAを活用しています。

ーー会計や経理業務は手作業だと入力ミスが心配だし、手間がかかって面倒ものが多くあります。実際に、自動化したらパソコンはどんな作業をしてくれるのですか。

通帳のデータを会計ソフトに入力する業務を例に挙げます。

作業として必要なのは、簡単にまとめると次の2つです。
・通帳に書いてある日付や金額、適用をデータ化する
・それを会計ソフトにすべて入力する

RPAツールを使えば、人がする作業は
・通帳の必要なページをPDFにすること
・そのPDFのデータを、決まったフォルダに入れること
・PCに、「スタート」の合図を出すこと
だけ。問題がなければ、会計ソフトにすべて入力されるので、あとは間違いがないかチェックを行えば入力完了です。

ーー通帳のデータの読み込む際に、数字を読み間違えてしまうことはないのでしょうか。

通帳の読み取りに使うAIOCRは、文字情報を99%の精度で読み取ることができます。文字の読み取り技術であるOCR技術とAI技術を組み合わせて開発されたシステムで、読み取りミスがあったものを修正すると、間違いを学習して次回以降正しく読み取れるようになるのです。人がするより、早くて正確です。

ーーそれなら、RPAのスタートボタンを押して退勤したら、翌朝出勤したときにはすべての入力作業が終わっている! ということも可能なのですか。

安定して使える状態になったRPAなら可能なものもありますが、すべては上手くいかないでしょう。RPAは、エラーが出ると止まってしまうからです。行うべき作業のうち、1か所でもつまずいてしまうと、それを解消しないとコンピュータは次の作業に進めません。

社内で1年ほど使っているRPAはだいぶ安定してきたので、スムーズに使えることは多くなりました。それでも、コンピュータにすべてをに任せればOKという状態ではありません。やはり、エラーが出たときに解消するための人は必要でしょう。RPAを導入したら、人の作業が0になると思っている方も多くいますが、現状それはむずかしいです。

綜合税経センター内でも、新しく開発したRPAを紹介するときには「ツールは、止まることがあります」とくり返しお伝えするようにしています。

綜合税経センター内でのDXの進捗度合いは?

ーーご担当者である市島さんの目から、社内のDX化はどれくらい進んでいると思いますか。

DX化の進捗……2割ほどでしょうか。
先ほど紹介した、通帳から会計ツールに自動入力する仕組みは、現在56社分に使われていいます。それでもまだ、顧問先全体の1割未満の数です。通帳のデータ化や、確定申告のお知らせなどは、もっと多く活用されています。

社内では、RPAでできることや使い方の紹介はしますが、実際に使うかどうかは一人一人に委ねられています。各自、自分なりにやりやすい方法があるでしょうから、強制はしません。例えば通帳の読み込みでも、銀行ごとに形式に合わせたり、PDFは中央揃えにしたものと端に合わせたものどちらを用いるのかなどでもエラーがでることもあります。そういった部分で心理的なハードルを感じて、それならこれまで行ってきた方法で手入力した方が早いと感じる会計士もいますから。

ーー士業の事務所なので、ITに苦手意識のある方もいらっしゃいますよね。
そんな中でもDXを進め、今ではRPAを使う方も増えているというとですが、DX化は社内でどのように進めてきたのですか。

最初は、代表の栗山が「通帳の内容を、AIOCRでテキストデータであるCSVファイルに変換できるだけでも業務効率が良くなる」と考えたことからDXの取り組みがスタートしました。

士業の先生方には、そもそもRPAとはどんなもので、どんな時に使えるのかを理解してもらうことが必要でした。定例会で説明する時間を設けてもらうなどして、少しずつ認知を広めてきましたね。今では「この作業もRPAで自動化できますか?」と開発についての要望も届くようになりました。

会計部門の効率化が進んでいると実感できるのは、やはり一番のやりがいです。

今後は顧問先のDX化推進サポートも。綜合税経センターからDXを広めていきたい

ーー既存の方法から一気に変えるのではなく、時間をかけてできる人から取り入れていく形は、他の企業のDX化にも参考になりそうです。

そうですね。2018年に経済産業省からDXレポートが出てから5年経ちますが、中小企業でDXが進んでいるなという実感はありません。顧問先でも、RPAを導入しているというお話は聞いたことがありませんし。会社の規模によっては導入コストがネックになりますし、社長や経理担当の方がITへの苦手意識が強い場合は、必要性を感じていないことが多いのではないでしょうか。

そもそも何ができるのか。そして、どの業務に導入すると効果を実感できるのかは、企業ごとに異なるはずです。請求書の管理や給与事務にもRPAは使えますが、会社独自のフォーマットを使っている場合にはカスタマイズする必要があります。となると、さらに導入ハードルが上がってしまいますよね……

そういった、心理的・経済的なハードルを下げつつ業務効率を上げて、本業に集中できるよう、税経センターでは、現在社内で使っているRPAを顧問先の企業で活用していただこうと考えています

ーーお付き合いのある企業なら、どこに導入するのが効果的かなども掴みやすそうです。

はい。場合によってはRPAを0から開発するより、既存のツールを使った方が良い場合もあります。そういった見極めや、社内オペレーションの見直しと合わせてサポート可能です。
綜合税経センター内でさらにDXを進めつつ、ツールやDX推進サポートを顧問先企業にも提供できるよう、今後も取り組んでいきます。


税経センターは一緒に働くメンバーを待っています

税経センターは一緒に働くメンバーを待っています。士業の事務所なのにDXにこれだけ取り組んでいるなど、ほかの事務所とは一味違った事務所。気になる方はnoteにほかの社員インタビュー記事もありますので、合わせて読んでみてくださいね。

事業内容や会社の特徴、職場環境などは、リクルートページに掲載していますのでご覧ください。


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