見出し画像

給料はどのぐらい払えばいいのか

経営者なら自社の適性な給料総額について考えたことは当然あると思います。しかし、その答えはどこにあるのでしょうか。

もちろん従業員は多くもらいたい、でも経営者側としてはそんなに多く出せない。でも経営者は従業員のみなさんがモチベーション高く働いてもらいたい。そもそも多いとか少ないとかの基準が明確ではない場合が多く、労使で大きくその数字に見解の相違がある部分ではないでしょうか。

また、モチベーションを高く仕事をしてもらうために多くの会社が報奨金制度などインセンティブを用意したりしますが、その多くは始めこそモチベーションが上がり多くの取り組みを従業員はしてくれるかもしれませんが、多くは尻すぼみになっていることが多いのではないでしょうか。

それは多くの場合、従業員にとって現状の仕事+αになってしまうこと、そう簡単には達成できないこと、年間の自身の収入にはそれほど大きく影響しない(改善提案1万円、売上予算達成3万円など)ことなどが上げられると思います。

話を戻します。

何を持って自社の給与総額を決めるか。、私は労働分配率を基準としています。労働分配率とは企業が得た付加価値(限界利益≒固定費を除く粗利)の中からいくらの割合を人件費に振り分けたかを見る指標です。

計算式は 人件費÷付加価値=労働分配率(%)になります。

この数値、一般的に全くブレません。無意識に経営していても黒字の企業はほとんど適性な分配率内におさまっています。神の見えざる手が働いているかのようです。

ほとんどの場合超優良企業40%以下、優良企業45%以下、黒字企業50%以下、50%以上は赤字企業となります。

ここから付加価値の中のどの程度の割合を給料に振り分けたら良いかの目安を設定し、自社の現状と照らし合わせて給料総額を決めると良いと思います。

先ほどインセンティブがそれほど従業員のモチベーションにつながらないと書きましたが、実は経営側もインセンティブが収益増加につながらないことがままあります。

と言うのはインセンティブはある特定の要件に対して設定することが多く、例えばある経費の改善提案、売上等です。

しかし、売上が上がっても多くの営業経費を使ったり、多くのロスや材料費を使ったのでは収益は増加しませんし、経費を削減しても売上が減少したのでは収益は増加しません。企業は付加価値が増加しなければ収益は増加しないということが重要なポイントだと思います。

ですので、経営者は先ほど書いたように付加価値をどのような割合で給与として配分するかを決めその中から月額給与、ボーナス、その他報奨金を支払い、従業員には付加価値を増やすと言う一点に絞って仕事を進めてもらうことがシンプル且つ効果的なのではないかと思います。(結局、売上増加も経費削減も環境整備も全て付加価値増加のための一要素でしかないので、刻んでいろんな取り組みをさせるよりも従業員のストレスも負担も少ないと思います。)

ex) 労働分配率を45%と決める、月額給与はその4/5(残業代・法定福利費も含む)と決める、1/5は賞与積立金に回すように予算組する。実際に付加価値が増加すれば月額の枠が増えるが、給与は年度内に昇給等はないと仮定すると給与は変動しないので賞与の積み立てを増やす。逆に残業代等が嵩んで月額4/5を超えるときには賞与積立金を減らす。

このような内容を従業員にオープンにするには慎重を期してやらなければならないし、十分にシュミレーションした上で行わなけばいけませんが、オープンにしなくても経営者が自社の給与の決定について明確な基準を持っているのといないとでは、経営の安定性、従業員からの不満があった際の対応に大きな違いが出てくると思います。

もし自社の給与が適性かどうかに悩まれている経営者の方がいましたら参考にしていただければと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?