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ショートケーキはイチゴから、戦車模型はフィギュアから。

ショートケーキのイチゴをどのタイミングで食べるのか、というのは意見が分かれるテーマですが、こと戦車模型の“イチゴ”に関しては最初に食べてしまう事をオススメします。

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ここでいう“イチゴ”とはフィギュアの事です。
すなわち、戦車模型はフィギュアから作るのがオススメ、というお話です。

通常、戦車模型の説明書ではシャーシ、転輪など車体の下部から製作していくように指示があります。
「下から上」の順です。
組み立てたパーツが段々と形を成していく自然な流れと言えるでしょう。

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ところが、最初に作るよう指示される転輪やキャタピラはパーツ数が多く集中力が求められる上、キャタピラのコマをズレないように正確に貼っていくのは製作上、難易度がもっとも高い部分の1つと言えます。
これらの作業は、できればリズムに乗ってきた後半に取り掛かりたい作業です。

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というか、製作しょっぱな「転輪を8個作ります」は萎えるよね、という話でもあります。

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そこで私が提案したいのは説明書の逆、「上から下」の順番で戦車模型を作るということです。
フィギュア→砲塔→車体上部→車体下部と足回りという順番です。
この方法にはたくさんのメリットがあります。

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① 少ない作業で小さな完成が訪れる

メリットその1は、フィギュアから作るとフィギュアだけはすぐに完成する、という事です。当たり前ですが。

模型を作るときに、全体の工程の長さが思いやられて重い腰が上げられず、なかなか組み始めることができないという事が往々にしてありますが、フィギュアだけなら5パーツくらいパチりと切って貼って完成です。
そこまでやって、やっぱり気乗りしなければフタを閉めて辞めてよし、調子が出てきたらフィギュアだけ塗ってもよし、ほかの部分の組み立てを始めてもいいでしょう。
最初に少ない手数で小さな完成を得られるので、製作のリズムが生まれます。

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② 製作の目安&モチベ維持

最初に完成させたフィギュアを机に置いておくと、「今からコイツの乗る戦車を作るのだ」というモチベーションが発生します。
こっち向きにフィギュアを置いておくと、「しっかり作ってくれよな!」と語りかけて来るようで楽しいです。

また、フィギュアはスケール原器としての役割を果たします。
フィギュアを通して戦車の大きさを伺い知ることができるので、自分が今どのくらいの大きさのものを作っているのかイメージがしやすくなります。
「下から上」で作った時よりも「上から下」の方が想像力を豊かに働かせることができ、追加工作などを行う際のサイズ感の目安としても大いに役立つでしょう。

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③ フィギュアと砲塔だけで情景に

フィギュアは砲塔上のキューポラに収まるので、上から作っていく工程の2つ目、砲塔を完成させると、あるべき場所に収めることができます。

戦車は単体では単なる機械ですが、人が乗る事で世界が生まれます。
人が機械を動かすのには意図があって、そこに物語が発生するからです。

「上から下」の手順では、第2の工程まで進めることで、人と機械が織りなす情景の世界を生み出すことができるのです。

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これらの理由から、戦車模型は「上から下」、”ショートケーキのイチゴ“たるフィギュアから作り始めるのがオススメです。

説明書の段取りに従ってパーツが組み上がっていくのがプラモデルの楽しさなのだとは思いますが、
説明書の段取りを自分なりに組み替えてコントロールしていく楽しさは無類の物です。

ショートケーキはイチゴから、戦車模型がフィギュアから。
美味しいとこから食べちゃいましょう!

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