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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【12月27日㈬~1月2日㈫】

ザジフィルムズは本日1月5日が仕事始め(2日遅れの更新お許し下さい)。
遅ればせながら、明けましておめでとうございます。旧年中、弊社配給作品をご覧下さった皆様、当通信をお読み下さった皆様に、心より御礼申し上げます。今年も世界から素敵な映画を選りすぐって新旧取り混ぜお届けして参りますので、引き続きどうぞよろしくお願いします(トップ画像は「正月っぽい画像はないかな?」と探して、年末私用で出かけた柴又 帝釈天にしてみました)。

元旦早々、お祝い気分も吹き飛ぶ大地震。被災地の皆さんに一日も早く平穏な日々が戻ることを心から願っています。そして2日の羽田での事故。今年は年明けから重たいニュースが続いていますが、これからは良いことが続くことを祈らずにいられません。2024年もがんばっていきまっしょい(荒っぽいまとめ方で済みません…)。

さて。個人的にはどんな年末年始だったのか、と言えば、完全な“寝正月”を過ごしておりました。コロナ禍以降、手洗い、うがい励行、マスク着用だったせいか、ここ4年以上風邪知らずだった私なのですが、大晦日辺りから喉に違和感を感じ始め、咳も出始めて、久しぶりに「これはヤバい…」という感じに。幸い熱は微熱程度までしか上がらないので、「これはコロナでもインフルエンザでもない」と勝手に確信(笑)して、自主的に寝倒して治すことにしました。元旦二日と安静にしていたので(地震が起きた時も布団の中。最初は、目が回り始めたのかと思いました)、おかげさまで今日の仕事始めまでに喉の痛みも引き、平熱に戻ったのですが、いまだ咳は残っているので、なかなか映画館に行きづらいのが困りものです…。

そんな状況だったので、お正月はポツポツと配信で映画を観て過ごしました。基本“映画は映画館で観る“派なので、NetflixAmazonオリジナルの作品であっても、劇場公開されるものはなるべく劇場で観るようにしていますが(ブラッドリー・クーパー監督作『マエストロ : その音楽と愛と』は2023年の“映画館納め“でした)、配信ストレートの作品は躊躇なく観ることが出来るので、気になっていた作品をこの機会に何本かチェック。先ずは『プロミシング・ヤング・ウーマン』のエメラルド・フェネル監督の新作『ソルトバーン』。これは劇場公開されるとばかり思っていたので、いきなりの配信でビックリ。youtubeで予告編を観てみると、“バリー・クーガン版『リプリー』”臭が立ち込めていて大期待で観始めました。が、残念ながら求めていたものと違った…とだけ言っておきましょう。クーガンがいつも通りの怪演なので、観て損はないことだけは確かですが。ちなみに最近の劇場公開作の中で、私の“求めていたものと違った”映画の筆頭は『ポトフ 美食家と料理人』だったりします。いつになったらポトフ作り始めるんじゃい!(笑)

続いて観たのは、こちらも配信ストレート(Amazon prime video、U-NEXT等でレンタル中)で驚いたマット・ジョンソン監督作品『ブラックベリー』。本年度の賞レースにもちょこちょこ絡んでいて、オバマ元大統領が2023年のお気に入り映画の1本にも選んでいた作品。2000年代初頭に登場して急成長したスマートフォン、ブラックベリーが、i Phoneの登場によって衰退するまでを描いた一種の企業もの。いやぁ、これにはドはまり。カナダ映画なので、メインは馴染みのない俳優ばかりなのですが、逆に新鮮!皆イイ味を出してます。“おもろうて、やがて悲しき系“というか、幕切れのホロ苦さも何とも言えません。おススメです。

3本目はNetflixオリジナルのイタリア映画『ニュー・オリンポスで』『蟻の王』を配給するにあたって、宣伝のためにいろいろリサーチしていた時に、SNS上で何度か目にしていたタイトルで、気になっていました。ローマを舞台に、一組のゲイ・カップルの出会いと別れ、再会を描くドラマ。観始めてオープニング・クレジットで初めて知ったのですが、なんだ!これ!フェルザン・オズペテク監督の映画(『カプチーノはお熱いうちに』)なんじゃん!早く言ってよ~、と(誰に向けて、か分かりませんが)思わず声が出そうになりました。60年代の同性愛差別を描いたのが『蟻の王』、80年代が背景なのが『シチリア・サマー』。で、間に入る70年代が本作。監督の自伝的要素も入っているようで、オズペテク版『ニュー・シネマ・パラダイス』ともいえる本作が、上記3作品の中で一番スウィート(=甘ったるい?)でありました。

以上、現在配信でご覧になれる劇場未公開注目作3本でした。もしご興味お持ちになって、ご覧になれる環境の方はぜひご覧になってみて下さいね。

去年の年頭の当通信では、配給会社の公式noteにあるまじき(?)2022年(自社配給作品を除いて、映画館でお金を払って観た映画の中の)個人的ベスト映画を発表した記憶がありますが、今年はタイトルのみに留めますね。『イニシェリン島の精霊』『エンパイア・オブ・ライト』『コンパートメントNo.6』『ザ・ホエール』『戦争と女の顔』『青いカフタンの仕立て屋』『ソウルに帰る』『ヴァチカンのエクソシスト』 『ロスト・キング 500年越しの運命』『CLOSE / クロース』…。日本映画は断トツで 『波紋』。続いて『BLUE GIANT』 『首』。挙げた映画が洋11本に対して邦3本のみ、なのは、観た本数が圧倒的に少ない、というのも大きな理由なのですが、世間で評価の高い作品でも、個人的にはベストに並べるのには抵抗がある日本映画が多かったがゆえの結果です(まあ、なんて回りくどくて思わせぶりな言い方!)。

2024年もたくさん映画を観たい!そのためには、先ずは風邪をちゃんと治さなくてはなりませんね。頑張ります。

texte de daisuke SHIMURA


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