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【2024年度版】論述問題が合格のカギ⁉︎ガス主任技術者試験の論述問題ガス技術【消費機器編】攻略法や解答をわかりやすく解説


約24000字と長文になっておりますので目次機能を有効活用していただければ幸いです。

はじめに

 こちらの記事では、論述試験のガス技術【消費機器】の問題の攻略法や解答を中心に解説させていただきます。
※論述試験(ガス技術)消費機器では、甲種・乙種・丙種関係なく毎年共通の問題が出題されます。
また、新しい情報が入り次第、随時更新させていただきます。

【追記】

 2023年に初めてこちらの記事を書かせていただきましたが、出題予想した問題が見事に的中し、多くのお喜びのお言葉や合格のお知らせをいただきまして、改めてこの記事がお役に立てたことを嬉しく思います。

 昨年の試験では惜しくも不合格になってしまった方や、今年は一つ上の試験を目指す方に向けて、こちらの記事を更新させて頂きました。新しく記事を書き直すことも考えました。しかし、そうなると今まで購入された方に、最新情報などをお伝えすることができないのは心苦しいと思いましたので、こちらの記事を更新させていただくことにしました。引き続き合格に向けて頑張っていきましょう!


この記事をオススメな方

・今年、ガス主任技術者試験(甲種・乙種・丙種)を受験され、論述問題(ガス技術)で消費機器を選択する予定の方
論述問題(ガス技術)でどの問題を選択するか現在悩んでる方

は、この記事を読むことで合格に一歩近づいていただけると考えております。

論述試験のガス技術【消費機器】以外
・自身の勉強方法に不安を感じている方
・勉強時間を確保しにくい方
・論述試験の採点方法を知りたい方
・試験直前でイマイチ合格できるか不安の方
・何とか今年度合格したい方
は、下記のWebページ(無料ページ)に作成者のプロフィールや論述試験全体を通しての攻略法・勉強法を紹介しておりますのでぜひこちらもご覧ください。

論述試験(ガス技術)でどの問題を選択するか悩んでる方は、消費機器がオススメ

 論述試験ガス技術の「消費機器」問題では、他の「製造」「供給」とは異なり、身近なことも加点対象になりますので書きやすいです。

・業務用機器について
 →飲食店訪れた時やアルバイト経験がある方はその時に感じたこと
・家庭用機器について
 →自宅でコンロ、給湯器、ストーブなど使用した時に感じたこと
など、実際に消費機器に関する業務に携わってない方も、自身の経験からある程度書くことができます。
また、論述問題(ガス技術)3問の中で最も身近ですので覚えやすいです。

この記事を読むメリット

 私自身マークシート問題のWebサイトも運営している都合上、ガス主任技術者試験に常に関心があり、他サイトには掲載されていない過去の出題傾向から今年の出題内容を予想するなど、自身の合格体験とノウハウを合わせて書かせていただきました。
 私の知人に、マークシート問題の自己採点が120点でしたが、論述問題で挽回し合格された方もいます。

マークシートの勉強方法について

 今後、受験される方に向けて少しでも合格の手伝いができればと思い、2023年よりガス主任技術者試験の過去問(解説付)に挑戦できるWebサイトを立ち上げしました。
全て無料ですので是非チャレンジしてみてください!

この記事の無料部分の内容

・論述試験(ガス技術)消費機器の他サイトには掲載されていない15年分の過去問の出題内容
・一部過去問の高得点を得るための解答例
など、この記事がどのような内容なのか、有料記事を買う前に無料部分である程度ご理解いただけることを意識して書きました。
また、無料部分だけでも読み応え十分だと自負しております。ぜひ一読して頂ければ幸いです。

この記事の有料部分の内容

有料記事の部分では、
・論述試験(ガス技術)消費機器の過去に出題された問題(15年分)で高得点を得るための解答例
・2024年度の論述問題の予想
を掲載しており、この記事を読んだ上で勉強していただけることで短時間の勉強で満点に近い点数を取ることができます。(※個人差はあります)

論述試験の概要

配点

論述(記述式):35点×2問の70点満点
・法令:1問(1問中1問解答)
ガス技術:1問(「製造」「供給」「消費機器」の3問の中から1つ選択し解答)

試験時間

論述2問:1時間(13:00~14:00)
(法令・ガス技術合わせて)

合格基準(足切りライン)

・論述問題(70点満点)の得点が20点以上であること。
・論述問題の法令科目(35点満点)及びガス技術科目(35点満点)において0点がないこと。

過去問を読み解くと見えてくる出題傾向

「何の機器の」「何の事故のついて」の問題か を意識して解答しよう

1.何の機器の
2.何の事故のついて
に分けて覚えることで解答(事故原因と留意すべき事項)を書きやすくなります。
また、過去問をいくつかの種類に分類することで、覚える内容も最低限になります。

1.対象機器
A:業務用厨房機器
B:家庭用ガス機器(範囲が広いので例を上げるように指示されることが多い)
B1:家庭用開放式ガス機器
B2:家庭用ガスグリル付こんろ
C:家庭用屋内設置型ふろがま・家庭用温水機器、屋外式(RF式)ガス瞬間湯沸器(潜熱回収型含む)の給排気ついて

2.事故の種類
A:CO中毒事故
B:機器の使用・設置による火災・爆発事故
C:機器とガス栓の接続によるガス漏出による火災・爆発事故
D:屋外式(RF式)ガス瞬間湯沸器の給排気に関する事項

実際に出題された問題(2011~2023年)

<2023年>
 屋内で使用される家庭用ガス機器のこんろ、小型湯沸器及び給湯器において発生する、火災事故(ガス漏えいに伴わないものを含む)、ガス漏えい着火・爆発事故(ガス機器内部に滞留したガスによるものを含む)に関する以下の3点について、具体的に複数述べよ。
⑴ お客さまの使用方法に係る発生原因と事故の形態
⑵ ガス機器とガス栓の接続に係る発生原因と事故の形態
⑶ 事故を防止するために、ガス小売事業者が、周知、調査(点検)、改善対策の観点で実施すべき事項

<要約>
B 家庭用ガス機器の
B+C 使用及び設置&ガス栓との接続に係わる火災事故・爆発事故について

<2022年>
 業務用厨房で使用されるガス消費機器による一酸化炭素中毒に関する以下の2点について、具体的に複数述べよ。
・事故の形態の発生原因
・事故を防止するためにガス小売事業者が実施すべき ①周知、②調査(点検)、③その他の防止改善策

<要約>
A 業務用厨房機器の
A CO中毒事故について

<2021年>
 以下の3点についてそれぞれ複数述べよ。
・家庭用ガス機器の使用及び設置に係わる火災事故・爆発事故の原因及び具体的事象。
・家庭用ガス機器とガス栓との接続に係わる火災事故・爆発事故の原因及び具体的事象。
・家庭用ガス機器(ガス栓との接続を含む。)における火災事故・爆発事故を防止するために、ガス小売事業者が実施すべき具体的な内容。

<要約>
B 家庭用ガス機器の
B+C 使用及び設置&ガス栓との接続に係わる火災事故・爆発事故について

<2020年>
 業務用厨房で使用されるガス消費機器による「CO中毒事故」及び「爆発・火災事故」に関し、以下の2点について具体的に述べよ。
①各事故の発生原因
②ガス小売事業者が事故を防止するために留意すべき事項

<要約>
A 業務用厨房機器の
A+B CO中毒&爆発・火災事故について

<2019年>
 家庭用開放式ガス機器の使用に伴う一酸化炭素中毒事故について、想定される原因とガス小売事業者が事故を防止するために留意すべき事項を具体的に述べよ。

<要約>
B1 家庭用開放式ガス機器の
A CO中毒事故について

<2018年>
 屋内設置型の家庭用ふろがま(ふろ給湯含む)について、①想定される事故とその原因、②ガス小売事業者として留意すべき事項を具体的に述べよ。

<要約>
C 家庭用の屋内設置型ふろがま
A+B CO中毒&爆発・火災事故について

<2017年>
 業務用厨房で使用されるガス消費機器の燃焼排ガス中の一酸化炭素による中毒事故について、想定される原因と事故を防止するためにガス小売事業者が留意すべき事項を具体的に複数述べよ。

<要約>
A 業務用厨房機器の
A CO中毒事故について

<2016年>
 家庭用開放式ガス機器とガス栓との接続に係るガス漏洩着火事故について想定される原因と事故を防止するためにガス事業者が留意すべき事項を複数述べよ。

<要約>
B1 家庭用開放式ガス機器の
C ガス栓との接続のガス漏洩着火事故について

<2015年>
 家庭用開放式ガス機器の使用に伴う一酸化炭素中毒事故に関して、複数の具体的なガス機器を例にあげ、その原因と事故を防止するためにガス事業者が留意すべき事項を述べよ

<要約>
B1 家庭用開放式ガス機器の(ガス機器の例をあげる)
A CO中毒事故について

<2014年>
 一般家庭に設置されたガスグリル付こんろの使用に伴う想定される事故と原因について述べよ。また、それらの事故を防止するために、ガス事業者として留意すべき事項を述べよ。

<要約>
B2  一般家庭のガスグリル付こんろの(開放式の一部と捉える)
B 想定される事故について ←家庭用開放式コンロではほとんどCO中毒事故が起きる事例がないため、CO中毒事故は除く

<2013年>
 屋外式(RF式)ガス瞬間湯沸器の給排気に関し、保安上留意すべき点を述べよ。なお、潜熱回収型に固有の事項(屋外式の給排気について、保安上留意すべき事項)についても言及すること。

<要約>
C 屋外式(RF式)ガス瞬間湯沸器(潜熱回収型も含む)の
D 給排気ついて

<2012年>
 家庭用温水機器の燃焼排ガス中の一酸化炭素による中毒事故の防止策について、「ガス事業法に基づくガス事業者の責務」、「機器の設置」、「安全機器の普及促進」の3つの視点から述べよ。

<要約>
C 家庭用温水機器の
A CO中毒事故について

<2011年>
 家庭用開放式ガス機器とガス栓との接続に係わる爆発・着火事故において、想定される原因とガス事業者が留意すべき防止対策について述べよ。

<要約>
B1 家庭用開放式ガス機器の
C ガス栓との接続の爆発・着火事故について

<2010年>
業務用厨房で使用されるガス機器において想定される事故の種類とその防止策について述べよ。

<要約>
A 業務用厨房機器の
A+B CO中毒&爆発・火災事故について

<2009年>
一般家庭における、半密閉式ガス瞬間湯沸器の使用に伴う事故を防止するために、ガス事業の従事者が考慮すべき事項について述べよ。
<要約>
C 家庭用温水機器(半密閉式)の
A CO中毒事故について

<2008年>
一般家庭に設置されたガスグリル付きこんろの使用に伴う事故について、どのような事故が想定されるかについて述べよ。また。その事故を防止するために、ガス事業者が考慮すべき事項について述べよ。

<要約>
B2  一般家庭のガスグリル付こんろの(開放式の一部)
B 想定される事故について ←CO中毒事故は省く

以上をまとめると下記の表になります。

上記のグラフより、論述試験(消費機器)では、上記の過去に出題された問題に対して自分の中で答えを何個か用意しておくだけで、他の勉強は必要ないということがわかります

また、ほとんどの問題で使用できる加点対象の文言がありますので、時間のない方はそれだけでも覚えていただければある程度点数を稼ぐことができます。

高得点を狙う秘訣

採点方法は加点式。減点はない。

 ガス主任技術試験の論述試験は、加点式であり、減点はないので、ひたすら加点対象の文言を書き続けることが大事になります。解答用紙に書ききれないくらい書くことができれば、ほぼ満点が取れると思ってください。
また、小説のように綺麗な文章を書く必要は一切ありません。箇条書きで簡潔に多くの加点対象の文言を記入することが大切です。
試験時間内に解答用紙にまだ書くスペースが残ってしまった場合は、間違っていたとしても減点はありませんので、何でもいいので試験当日に思い付いたことを最後まで書き続けてください。もしかしたら加点されるかもしれません。
自分の周囲には、マークシートの自己採点が120点でしたが論述試験で挽回し甲種試験に合格したという方もおります。

過去問の模範解答だけでは満点が取ることは不可能

 試験中に一般社団法人日本ガス協会様が出版されている過去問題集に記載されている模範解答を全て記入できれば、論述問題1問35点満点中の25点前後の点数を取ることができると思われます。
しかし、1500文字近くある模範解答を丸ごと覚えるのは大変であり、短時間の試験の中で全て記入するのは難しいと思われます。

しかし、安心してください。過去問を全てを暗記する必要はなく加点対象のポイントだけ押さえれば、模範解答を全て暗記した場合と同様の点数を短時間の勉強で簡単に取ることができます

更に過去問題集の模範解答には掲載されていない加点対象のポイントを覚えられれば、35点満点を取ることも充分可能になります。こちらのページでは35点満点を取ることを意識して書かせていただきました。

2013年に出題された問題は後回しでOK

2013年の過去問は「屋外式(RF式)ガス瞬間湯沸器の給排気に関し、保安上留意すべき点を述べよ」という例年の過去問とは全く異なる内容です。

文章中に記載されている記号の意味「☆●■」

当ページでは、わかりやすくするため記号を用いて表記しております。

☆について
消費機器では、業務用機器や家庭用機器(厨房機器、温水器)などがありますが、事故原因が同じ場合や、周知・調査の内容が同じである場合が多いです。☆が付いた文章は、ほとんどの問題で共通で加点される文言なので優先的に覚えてください。

●について
コンロに関する出題された場合に使用可能です。給湯器等の問題の場合には使用できません。

■について
温水器(ふろがま、湯沸器)に関する出題された場合に使用可能です。こんろ等の問題の場合には使用できません。

2023年度論述試験問題(消費機器) 家庭用ガス機器の機器の使用・設置による火災・爆発事故 表B-BC

<問題文>

 屋内で使用される家庭用ガス機器のこんろ、小型湯沸器及び給湯器に置いて発生する、火災事故(ガス漏えいに伴わないものを含む)、ガス漏えい着火・爆発事故(ガス機器内部に滞留したガスによるものを含む)に関する以下の3点について、具体的に複数述べよ。
⑴ お客さまの使用方法に係る発生原因と事故の形態
⑵ ガス機器とガス栓の接続に係る発生原因と事故の形態
⑶ 事故を防止するために、ガス小売事業者が、周知、調査(点検)、改善対策の観点で実施すべき事項

<解答例>

<事故原因>

⑴ お客さまの使用方法に係る発生原因と事故の形態
① こんろ
●・てんぷら火災:使用中に目を離すなどして油を加熱し続け発火温度(370°C)に達し、自然発火する火災
●・グリル火災:使用中に目を離すなどして、食材や油かすが過熱し、排気口から噴出した炎による火災
●・消し忘れ火災:消し忘れによる異常過熱で発生する火災
●・着衣着火:調理中にこんろの火が衣服に燃え移る火災
●・立消えによる火災:吹きこぼれ等により立消えした場合、炎口から漏出したガスに気付かず再着火すると火災に至る。
☆1・使用者の誤操作
☆2・ガス種の適合しないガス消費機器の使用
☆3・機器の手入れ不足
☆4・機器の消し忘れ
☆5・可燃物との離隔距離不足
② 湯沸器・給湯器
☆1・使用者の誤操作
☆2・ガス種の適合しないガス消費機器の使用
☆3・機器の手入れ不足
☆4・機器の消し忘れ
☆5・可燃物との離隔距離不足

⑵ ガス機器とガス栓の接続に係る発生原因と事故の形態
☆1・ガス栓と本来の接合方法以外で接続
☆2・誤開放による漏えい
☆3・機器、接続具の劣化
☆4・不使用ガス栓の誤開放
☆5・不適切な使用
☆6・意図的にガスを漏出
☆7・故障によりガス閉止不可
☆8・製品不良
☆9・間違った設置場所への設置

⑶ 事故を防止するために、ガス小売事業者が、周知、調査(点検)、改善対策の観点で実施すべき事項
① 周知
☆1・機器の正しい利用方法の説明
☆2・機器や接続具に異常がないか確認後点火する
☆3・機器の周囲に可燃物を置かない
☆4・機器使用中は火元を離れない
☆5・機器使用後は消火を確認しガス栓を閉止する
☆6・ガス栓、接続具、機器の定期メンテナンスの実施
☆7・異常を感じた場合、元バルブ開止およびガス事業者への連絡
☆8・ガスを長期間使用しない場合や事業を再開する場合のガス事業者への連絡
☆9・都市ガス警報器が設置されていなければ設置のお願い
☆10・壁との離隔距離や壁材が不適当な場合に使用を続けた場合の危険性周知や改善依頼
☆11・安全装置の不良や接続具の不良を発見した場合は、改善依頼や使用禁止を通知
② 調査
☆1・機器・接続具に不具合がないこと
☆2・機器が供給するガス種に適合していること
☆3・機器の周囲に可燃物が置かれていないこと
☆4・警報器が設置されている場合、通常の監視状態であること、有効期限内であること
☆5・正しい接続具で機器と接続されていること
③ 改善対策
☆1・事故事例の多い機種を所有している顧客へ周知強化・ダイレクトメールの送付
☆2・外国人労働者向けの周知ツールの作成・配布
☆3・開栓時や定期保安検査時など様々な業務機会を通じて警報器の設置促進、安全装置が取付された機器への取替提案、機器の使用上の注意事項の周知、安全機能に関する周知、適切なな接続具の使用に関する周知を行う
☆4・使用している機器の種類・型式・数を把握し必要に応じて周知
☆5・ヒューズ機能付きガス栓やガスコンセントへの取替えを促進
●・Siセンサーコンロを推奨
●・全口がセンサー付でないコンロは、センサーの付いた口の使用を推奨

2022年度論述試験問題(消費機器) 業務用厨房機器のCO中毒事故 表A-A

<問題文>

業務用厨房で使用されるガス消費機器による一酸化炭素中毒事故に関する以下の2点について、具体的に複数述べよ。
・事故の形態の発生原因
・事故を防止するためにガス小売事業者が実施すべき ①周知、②調査(点検)、③その他の防止改善策

<解答例>

<事故の形態>
・業務用厨房機器は家庭用に比べて、燃焼量が大きく多くの機器を同時に長時間使用するため十分な換気を行う必要がある。
・換気が不十分な場合や換気設備・機器の維持管理不足や経年劣化している場合に、ガスの不完全燃焼で一酸化炭素が発生し、吸入してしまうことで一酸化炭素中毒を引き起こす。
・業務用厨房機器は家庭用に比べて安全装置が装備されている機器が少なく、CO警報器の未設置の場合にも一酸化炭素中毒事故に繋がる。

<事故原因>
☆1・換気設備の運転忘れ
☆2・換気設備の不備・不具合による不動、排気漏れ
☆3・換気設備の清掃不足等による能力低下
☆4・機器の増設等による換気設備の能力不足
☆5・ガス種の適合しないガス機器の使用
☆6・機器の維持管理不足(ホコリやすすなどの汚れ、目詰まり等)
☆7・機器の消し忘れや誤操作
☆8・一次空気用エアノズルの詰まり
☆9・機器の経年劣化
☆10・機器の長時間使用
等により室内残存酸素量が低下し不完全燃焼が起こる。

<事故を防止するためにガス小売事業者が実施(留意)すべき事項>
⑴ 周知
☆1・COは無臭であるため気付きにくく中毒事故を起こす危険性があること
☆2・機器使用時には必ず換気設備を使用すること
☆3・機器と換気設備の定期清掃と定期点検を実施すること
☆4・使用時に燃焼状態を確認すること
☆5・機器使用時に気分が悪くなった場合に、速やかに使用を中止しガス事業者へ連絡すること
☆6・CO警報器設置の推進について
☆7・使用後は消火を確認しガス栓を閉止すること
☆8・正しい利用方法について
☆9・使用中は火元を離れないこと
☆10・ガスを長期間使用しない場合や使用を再開する場合のガス事業者への連絡すること
☆11・機器を扱う全ての使用者に上記を周知していただくように依頼
⑵ 調査
☆1・給排気設備が正常に作動すること
☆2・排気筒に異常がなく正常に排気されていること
☆3・機器が供給するガス種に適合していること
☆4・機器の燃焼状態を確認し黄色の炎ではないこと
☆5・CO警報器が設置されている場合、通常の監視状態であること、有効期限内であること
⑶ その他の防止改善策
☆1・事故事例の多い機種を所有している顧客へ周知強化・ダイレクトメールの送付
☆2・外国人労働者向けの周知ツールの作成・配布
☆3・開栓時やメーター交換時など様々な業務機会を通じて警報器の設置促進、安全装置が取付された機器への取替提案、機器の使用上の注意事項の周知、安全機能に関する周知を行う
☆4・使用している機器の種類・型式・数を把握し必要に応じて周知


2021年度論述試験問題(消費機器) 家庭用ガス機器の機器の使用・設置による火災・爆発事故 表B-BC

<問題文>

以下の3点についてそれぞれ複数述べよ。
・家庭用ガス機器の使用及び設置に係わる火災事故・爆発事故の原因及び具体事象。
・家庭用ガス機器とガス栓との接続に係わる火災事故・爆発事故の原因及び具体事象。
・家庭用ガス機器(ガス栓との接続を含む。)における火災事故・爆発事故を防止するためにガス小売事業者が実施すべき具体的な内容。

<解答例>

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