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【2024年度版】論述問題が合格のカギ⁉︎ガス主任技術者試験の論述問題【法令編】攻略法や解答をわかりやすく解説


はじめに

 2023年に初めてこちらの記事を書かせていただきました。試験後に多くの合格のご報告やお喜びのお言葉をいただきまして、改めてこの記事がお役に立てたことを大変嬉しく思います。
 この度、2024年度試験に向けて記事を更新させていただきました。また、新しい情報が入り次第、内容を随時更新させていただいております。

 約29000字と長文になっておりますので目次機能を有効活用していただければ幸いです。

作成者のプロフィール

経歴

 社会人歴約10年のごく平凡な人間です。 入社後にガス主任技術者甲種、電気工事士2級、消防設備士甲種4類、丙種化学(液石)、FPなどの様々な資格を取得しました。

ガス主任技術者試験の合格実績

ガス主任技術者試験では自己採点の結果、
乙種マークシート問題:200/230点 正答率87%
・甲種マークシート問題:190/230点 正答率83%
で合格しました。
論述問題
では、試験の都合上自身の解答の点数を確認することができませんが70点中60点以上は取ることができていたと自負しております。

受験前に感じていたこと

 私がガス主任技術者試験を受験した時には、受験者数が少ないせいなのかWeb上での情報が他の資格と比べると圧倒的に少なかったです。更に国家資格ということもあり難易度も高く、不安の中勉強に励んだことを思い出します。

合格して感じたこと

 受験時に感じていた不安を払拭するため、合格までの多大な時間を勉強に費やすことで高得点で合格できたことは嬉しかったです。しかし、その反面「もっとこの資格に関する情報を最初から持っていたら、短時間で合格することができたのでは?」と疑問に感じている自分もいました。
 皆様には、私自身の合格体験から、無駄な勉強を省き短期間の勉強で合格を掴んでいただきたいという思いから、こちらの記事を書かせていただきました。

マークシートの勉強方法について

 今後、受験される方に向けて少しでも合格の手伝いができればと思い、昨年にガス主任技術者試験の過去問(解説付)に挑戦できるWebサイトを立ち上げしました。
会員登録不要かつ無料ですので是非チャレンジしてみてください!

この記事をオススメな方

・今年ガス主任技術者試験(甲種・乙種・丙種)を受験される方
論述試験【法令】では、甲種・乙種・丙種は毎年同じ問題が出題されます。)
・自身の勉強方法に不安を感じている方
・勉強時間を確保しにくい方
・論述試験の採点方法を知りたい方
・試験直前でイマイチ合格できるか不安の方
・何とか今年度合格したい方
は、この記事を読むことで合格に一歩近づいていただけると考えております。

オススメな理由、読むメリット

 マークシート問題のWebサイトを運営している都合上、ガス主任技術者試験に常に関心があります。特に、他サイトには掲載されていない15年分以上の過去問から出題傾向を読み解くことで今年の問題を予測するなど、自身の合格体験とノウハウを組み合わせて書かせていただきました。
 私の知人に、マークシート問題の自己採点が120点でしたが、論述問題で挽回し合格された方もいます。

この記事の無料部分の内容

・効率的な勉強方法
・他サイトには掲載されていない15年分以上の過去問の出題内容
・一部過去問の加点対象の解説
など論述試験で満点回答を狙う秘訣を書かせていただきました。
無料部分だけでも読み応え十分だと自負しております!
また、この記事がどのような内容なのか、有料記事を買う前に無料部分である程度ご理解いただけるように意識して書きました。

この記事の有料部分の内容

有料記事の部分では、
・論述試験(法令)の過去に出題された問題の解説・加点対象の説明
・高得点を得るための解答例
・2024年度の論述試験の予想問題
を掲載しており、この記事を読んだ上で勉強していただけることで短時間の勉強で論述試験(法令)で満点に近い点数を取ることができます。(※個人差はあります)

有料の理由

 Webサイトを無料で運営する上で、毎月のレンタルサーバー費用など思いのほか支出がかさみ、このままだと運営が立ち行かなくなるため有料とさせていただきました。是非、Webサイトも利用していただき隙間時間に効率良く勉強を進めていただければ嬉しいです。


論述試験の概要

配点

論述(記述式):35点×2問の70点満点
・法令:1問(1問中1問解答)
・ガス技術:1問(「製造」「供給」「消費機器」の3問の中から1つ選択し解答)

試験時間

論述2問:1時間(13:00~14:00)
(法令・ガス技術合わせて)

合格基準(足切りライン)

・論述問題(70点満点)の得点が20点以上であること。
・論述問題の法令科目(35点満点)及びガス技術科目(35点満点)において0点がないこと。

合格率

過去問を読み解くと見えてくる出題傾向

甲種・乙種・丙種関係なく論述試験(法令)では同じ問題を出題

論述試験(法令)は、甲種・乙種・丙種は毎年同じ問題が出題されます。
論述試験(ガス技術)では、製造は甲種と乙種は同じ問題が出題され丙種のみ出題内容が異なります。供給と消費機器は、甲種・乙種・丙種は毎年同じ問題が出題されます。

出題傾向から大まかに8種類の問題に分けられ、その中から毎年2問ずつ出題される

  1. 保安規程・保安の確保

  2. ガス主任技術者制度

  3. 消費機器の周知及び調査

  4. ガス事業者の保安責務

  5. 保安業務規程

  6. 経済産業大臣の命令

  7. 小売供給締結時の説明

  8. 熱量等の測定義務 ←New

1~5の問題は特に頻繁に出題されます。毎年出題される文章は異なりますが、問題の意味は同じです。

「4.ガス事業者の保安責務」に限り、解答範囲が広いので他問題と合わせて出題されないこともあります。

実際に過去に出題された問題を見てましょう。

実際に出題された問題(2007~2022年)

<2023年>
ガス事業法に関する以下の2点について、それぞれの規程の内容の要点を述べよ。
⑴「ガス主任技術者制度」に関する規定内容。
ただし、ガス主任技術者の事業場ごとの選任及びガス主任技術者試験に関する内容を除く
⑵「熱量等の測定義務」に関する規定内容

→②ガス主任技術者制度、⑧熱量等の測定義務

<2022年>
以下の2点についてそれぞれ要点を述べよ。
⑴「保安規程」に関して、ガス事業法で規定されている目的と内容、及び省令に規定されている「保安規程」に定めるべき事項。
⑵ガス事業法で規定されている「保安業務規程」の保安業務の内容。ただし、「保安業務規程」に定める事項を問うものではない。

→①保安規程・保安の確保、⑤保安業務規程

<2021年>
ガス事業法におけるガス工作物の規制の態様には、国が行う行政措置、ガス事業者の保安責務、所有者又は占有者の協力責務がある。このうちガス事業者の保安責務に関する各規定と、それらの具体内容を述べよ。

→④ガス事業者の保安責務

<2020年>
以下の2点について答えよ。
⑴ガス事業法において、経済産業大臣が保安に関してガス事業者に対し命ずることができると規定されている。それらの命令では、どのような場合に、どのような措置が命じられるかを述べよ。
⑵ガス事業法に基づきガス小売事業者が小売供給を受けようとする者と小売供給契約を締結しようとするとき、その者に行う供給条件の説明について、経済産業省令で定められている説明を行わなければならない事項のうち、保安に関するものを簡潔に述べよ。

→⑥経済産業大臣の命令、⑦小売供給締結時の説明

<2019年>
以下の2点について答えよ。
⑴ガス事業法において、ガス工作物の維持及び運用について記載されている内容を述べよ。
⑵ガス事業法で規定されている保安業務規程に関する内容と、経済産業省令で規定されているガス小売事業者が保安業務規程に定めるべき事項について、簡潔に述べよ。

→④ガス事業者の保安責務、⑤保安業務規程

<2018年>
以下の2点について、それぞれ要点を述べよ。
⑴「保安規程」に関して、ガス事業法で規定されている目的と内容、及び省令に規定されている保安規程に定めるべき事項
⑵「消費機器に関する調査」に関して、ガス事業法で規定されている内容

→①保安規程・保安の確保、③消費機器の周知及び調査

<2017年>
⑴ガス事業法令における「ガス主任技術者」に関する規定の内容を述べよ。
⑵ガス事業法令におけるガス工作物の保安の確保のための規制の態様には、「国が行う行政措置」、「ガス事業者の保安責務」、「所有者又は占有者の協力義務」がある。このうち「ガス事業者の保安責務」に関する規定の要点を簡潔に述べよ。ただし、⑴に関するもの
は除く。

→②ガス主任技術者制度、④ガス事業者の保安責務

<2016年>
ガス事業法令に関する以下の項目について簡潔に述べよ。
⑴①ガス主任技術者制度を設けている目的
 ②「ガス主任技術者」に関して規定されている事項
⑵「消費機器に関する周知及び調査」に関してガス事業者に課せられいる義務

→②ガス主任技術者制度、③消費機器の周知及び調査

<2015年>
ガス事業法令に定めらている「保安規程」及び「ガス主任技術者制度」に関する規定の目的とそれぞれの内容について簡潔に述べよ。

→①保安規程・保安の確保、②ガス主任技術者制度

<2014年>
ガス事業法における以下の2点について要点を述べよ。
①「保安規程」を定める目的と規定されている内容
②「消費機器に関する周知及び調査」に関してガス事業者に課せられている義務

→①保安規程・保安の確保、③消費機器の周知及び調査

<2013年>
①ガス事業法における保安のための基本的な考え方、及び②その目的のための重要な柱の一つである「ガス主任技術者制度」について、それぞれ分けて簡潔に述べよ。

→①保安規程・保安の確保、②ガス主任技術者制度

<2012年>
①ガス事業法における自主保安の基本的な考え方、及び②「消費機器の使用に伴う事故防止」を目的にガス事業者に課せられている義務について、それぞれ簡潔に述べよ。

→①保安規程・保安の確保、③消費機器の周知及び調査

<2011年>
ガス事業法における保安管理体制の基本的な考え方、及びこれに基づいて同法がガス事業者に課している義務について、それぞれ簡潔に述べよ。

→①保安規程・保安の確保、④ガス事業者の保安責務

<2010年>
ガス事業法において、「保安規程」及び「ガス主任技術者」に関する規定を設けている目的とその内容について、それぞれ述べよ。

→①保安規程・保安の確保、②ガス主任技術者制度

<2009年>
ガス事業法において、「ガス工作物の保安の確保」及び「消費機器の使用に伴う事故の防止」を目的にガス事業者に課せられている義務について、それぞれ簡潔に述べよ。

→①保安規程・保安の確保、③消費機器の周知及び調査

<2008年>
ガス事業法において、ガス事業者に課せられている「ガス主任技術者」及び「消費機器に関する周知及び調査」についてそれぞれ述べよ。

→②ガス主任技術者制度、③消費機器の周知及び調査

<2007年>
ガス工作物に係る保安の確保を目的にガス事業法で規定されている項目のうち、「ガス工作物の維持義務及び工事計画・検査」並びに「保安規程」について述べよ。

→①保安規程・保安の確保、④ガス事業者の保安責務

また下記のようなグラフで表すことができます。

上記のグラフより、過去17年間で

  1. 保安規程・保安の確保

  2. ガス主任技術者制度

  3. 消費機器の周知及び調査

  4. ガス事業者の保安責務

  5. 保安業務規程

  6. 経済産業大臣の命令

  7. 小売供給締結時の説明内容

  8. 熱量等の測定義務

8種類の問題しか出題されていないため、論述試験(法令)では、上記の過去に出題された問題に対して自分の中で答えを用意しておくだけで、他に論述試験の勉強は必要がないということがわかります

他にも、上記の表から毎年2問ずつ出題されてる場合がほとんどということがわかります。
例:2023年度「②ガス主任技術者制度」、「⑧熱量等の測定義務」
片方の問題がわからなくても、もう片方の問題が分かれば足切りラインを回避することができます。

2023年度の試験では、「⑧熱量等の測定義務」について、過去17年間で初めて出題され、受験された方は驚いたのではないでしょうか。

論述問題で高得点を狙う勉強法

採点方法を理解しよう

 ガス主任技術試験の論述試験は、加点式であり、減点はないので、ひたすら加点対象の文言を書き続けることが大事になります。解答用紙に書ききれないくらい書ければ、ほぼ満点が取れると思ってください。
自分の周囲には、マークシートの自己採点が120点でしたが論述試験で挽回し甲種試験に合格したという方もおります。

過去問の模範解答だけでは満点が取ることは不可能

 ガス主任技術者試験問題解説集に掲載されている模範解答を試験中に全て記入できれば、論述問題1問35点満点中の25点前後の点数を取ることができます。
ですが、1500文字近くある模範解答を丸ごと覚えるのは大変であり、短時間の試験の中で全て記入するのは難しいと思います。

しかし、安心してください。過去問を全てを暗記する必要はなく加点対象のポイントだけ押さえれば、模範解答を全て暗記した場合と同様の点数を短時間の勉強で簡単に取ることができます

更に過去問題集の模範解答には掲載されていない加点対象のポイントを覚えられれば、35点満点を取ることも充分可能になります。

勉強の優先順位(1〜3位)

 論述問題の試験では60分という短い時間の中で、法令とガス技術の解答をそれぞれA4用紙一杯に記入しなければいけません。むやみやたらに覚えても満点を狙うことは難しいため、順を追って勉強していくことが大切です。

優先順位1位

 一般社団法人日本ガス協会が出版している「ガス主任技術者試験問題解説集」に記載されている模範解答をそのまま暗記する。
または、
当サイトの解答をそのまま暗記する。

優先順位2位

 制限時間の60分で解答用紙いっぱいに自分が考えていること・思いついたことを全て記入できるように試験と同様の時間を計測しながら練習をする。
試験の時間配分は、
・法令30分
・ガス技術25分
・見直し5分
という感じにするといいと思います。

優先順位3位

 模範解答以外の答えも調べて追加で覚える。

ランク外

・速書きのためシャーペンを買い替える。

全ての試験勉強において、書いて覚えることが最も効率的と言われております。しかし、書き疲れることで集中力が切れてしまっては元も子もありません。
論述試験では、過去問一問につき1000文字以上もの解答例を書いて覚える事が大切になってきます。

もし筆記用具でお悩みの方は、私個人的には「三菱鉛筆 シャープペン アルファゲル」は長時間文章を書いても指が痛くなりにくいのでオススメです。
Amazon等の通販で1000円くらいで購入できますので、気になる方は検索してみてください。

試験当日までにやるべきこと

 試験日までに過去問5年分を2~3周し、自然にスラスラと解答を書けるようになることが目標です。いくら覚えていてもスラスラ書けないと時間切れになってしまい高得点は望めません。
 過去問題集の解答を読むと、解答の内容が毎年度異なりますが、加点式なのでひたすら加点される単語・文章を書いて点数を稼ぐ練習を繰り返ししましょう。

 当サイトの解答はそのまま論述試験でほぼ満点を取れるように作成しておりますので、優先順位3位の「模範解答以外の答え」を個人で考える必要はなく、短時間で勉強を進めることができます。

必要な勉強時間

論述問題(法令)で25/35点を目指す方:勉強時間7~10時間程度。
論述問題(法令)で35点満点を目指す方:勉強時間10~15時間程度。

ガス技術の勉強時間は上記の時間に含まれておりませんが、覚える内容が法令より少ないので上記の勉強時間より短くて済みます。

試験直前は論述問題を優先的に勉強するべき

論述問題を優先する理由

⑴ 短期間の勉強でマークシート問題で30点多く点数を取るより、論述問題で30点多く取る方が勉強時間が短くて済みます。
⑵ 論述試験では、試験時間が1時間という短時間にA4用紙2ページが全て埋まる程の解答を記入しないといけません。特に、試験直前に論述問題について復習しておかないと前回勉強した時から忘れてしまうことがマークシート試験の勉強と比較すると多い傾向があります。

試験直前で過去問の点数に不安のある方ほどオススメ

9月上旬の時点の過去問の正答率が、
マークシート115点/230点
論述問題35点/70点
の合計150点/300点
の方がいると仮定します。

最低合格ラインの180点まで点数を30点多く取りたいと考えるのであれば、
マークシート問題120点以上/230点
論述問題60点以上/70点
の合計180点以上/300点
を目標に勉強をすることが最も効率的で合格率がUPします。

マークシート試験では出題範囲が広い為、仮に115点から140点へ25点多く取るには20時間以上は最低でもかかると思われます。
しかし、論述問題の点数を35点から60点へ25点多く取るのにかかる時間はおそらく10時間程度で済みます。
以上より、論述問題に多くの勉強時間を配分をした方がより合格率を上げることができます。

マークシート試験過去問の正答率が、まだ50%未満の方はマークシート試験にも力を入れてください。
できれば、マークシートでは230点満点の約7割の160点以上を目標として勉強を進めれば合格率は一気に上がります。

また、論述問題の試験はマークシート試験を終えお昼休みを挟んだ午後からなので、直前まで復習することが可能です。


では、さっそく過去問の解説をしていきます。

論述問題解答例① 保安規程・保安の確保 編

近年の出題実績(2015~2023年)

<2022年>
以下の2点についてそれぞれ要点を述べよ。
「保安規程」に関して、ガス事業法で規定されている目的と内容、及び省令に規定されている「保安規程」に定めるべき事項。
⑵ガス事業法で規定されている「保安業務規程」の保安業務の内容。ただし。「保安業務規程」に定める事項を問うものではない。

<2018年>
以下の2点について、それぞれ要点を述べよ。
「保安規程」に関して、ガス事業法で規定されている目的と内容、及び省令に規定されている保安規程に定めるべき事項
⑵「消費機器に関する調査」に関して、ガス事業法で規定されている内容

<2015年>
ガス事業法令に定めらている「保安規程」及び「ガス主任技術者制度」に関する規定の目的とそれぞれの内容について簡潔に述べよ。

加点対象の文章

論述試験の採点方法は残念ながら非公表ですが、下記の文章を書くとおそらく35点中20~25点を取ることができます。
☆がついている文章が加点対象になります。

1.保安確保のための基本的な考え

☆国の関与を最小限にとどめ、ガス事業者の自己責任を原則とする「自主保安体制」が基本的な考えである。
☆「自主保安体制」の柱となるものが「保安規程」と「ガス主任技術者制度」である。

2.保安規程の目的

☆ガス工作物の工事・維持・運用に関する保安確保の方法の具体化。

3.保安規程に関する規定内容

☆①ガス事業者は保安規程を定め、事業の開始前に経済産業大臣へ届け出ること。
☆②ガス事業者は、保安規程を変更した時は遅滞なく経済産業大臣へ届け出ること。
☆③経済産業大臣は、保安確保のため必要な場合は、保安規程の変更を命ずることができる。
☆④ガス事業者及び、その従事者は、保安規程を守ること。

⑤保安規程に定める事項(13個)
☆⑴保安の業務を管理する者の職務・組織
☆⑵保安教育
☆⑶保安のための巡視・点検・検査
☆⑷保安に関する記録
☆⑸保安規程違反者に対する措置
☆⑹ガス主任技術者の代行者
☆⑺ガス工作物の工事以外の工事に伴う導管の管理
☆⑻ガス工作物の運転・操作
☆⑼ガス工作物の運転・操作を管理する電子機器に係るサイバーセキュリティの確保
☆⑽導管の工事方法
☆(11)導管工事現場の保安監督体制
☆(12)災害などの非常時の措置
☆(13)その他保安に関する必要な事項

☆⑥電気事業法が適用されるガス工作物⑤の1~12の事項を定めなくてもいい

解答例

<問題>
「保安規程」に関して、ガス事業法で規定されている目的と内容、及び省令に規定されている「保安規程」に定めるべき事項を述べよ。

<解答>
 保安確保のための基本的な考えは、国の関与を最小限にとどめ、ガス事業者の自己責任を原則とする「自主保安体制」が基本的な考えである。「自主保安体制」の柱となるものが「保安規程」と「ガス主任技術者制度」である。

 保安規程では、ガス工作物の工事・維持・運用に関する保安確保の方法の具体化を目的としている。

 保安規程で規程されている内容では、
・ガス事業者は保安規程を定め事業の開始前に経済産業大臣へ届け出ること
・ガス事業者は保安規程を変更した時は遅滞なく経済産業大臣へ届け出ること
・経済産業大臣は保安確保のため必要な場合は保安規程の変更を命ずることができる
・ガス事業者及びその従事者は保安規程を守ること
などがある。

 保安規程では、
・保安の業務を管理する者の職務・組織
・保安教育、保安のための巡視・点検・検査
・保安に関する記録
・保安規程違反者に対する措置
・ガス主任技術者の代行者
・ガス工作物の工事以外の工事に伴う導管の管理
・ガス工作物の運転・操作
・導管の工事方法
・導管工事現場の保安監督体制
・災害などの非常時の措置
・その他災害に関する必要な事項
を定める必要がある。
また、電気事業法が適用される場合は上記の事項を定めなくてもいい。


論述問題解答例② ガス主任技術者制度 編

近年の出題実績(2015~2023年)

<2023年>
ガス事業法に関する以下の2点について、それぞれの規程の内容の要点を述べよ。
⑴「ガス主任技術者制度」に関する規定内容
ただし、ガス主任技術者の事業場ごとの選任及びガス主任技術者試験に関する内容を除く

⑵「熱量等の測定義務」に関する規定内容

<2017年>
①ガス事業法令における「ガス主任技術者」に関する規定の内容を述べよ。
②ガス事業法におけるガス工作物の保安の確保のための規制の態様には、「国が行う行政措置」、「ガス事業者の保安責務」及び「所有者又は占有者の協力責務」がある。このうち「ガス事業者の保安責務」に関する規定の要点を簡潔に述べよ。ただし、①に関するものは除く。

<2016年>
ガス事業法令に関する以下の項目について簡潔に述べよ。
⑴ ①ガス主任技術者制度を設けている目的
  ②「ガス主任技術者」に関して規定されている事項
⑵ 「消費機器に関する周知及び調査」に関してガス事業者に課せられている義務

<2015年>
ガス事業法令に定めらている「保安規程」及び「ガス主任技術者制度」に関する規定の目的とそれぞれの内容について簡潔に述べよ。
⑴ 目的
⑵ ①「保安規程」に関する規程内容 ②「ガス主任技術者制度」に関する規程内容

加点対象の文章

論述試験の採点方法は残念ながら非公表ですが、下記の文章を書くとおそらく35点中20~25点を取ることができます。
☆がついている文章が加点対象になります。

保安確保のための基本的な考え

☆国の関与を最小限にとどめ、ガス事業者の自己責任を原則とする「自主保安体制」が基本的な考えである。
☆「自主保安体制」の柱となるものが「保安規程」「ガス主任技術者制度」である。

ガス主任技術者に関して規定されている事項

☆☆⑴ ガス事業者は、ガス主任技術者免状の交付を受けている者の中からガス主任技術者を選任し、ガス工作物の工事・維持・運用に関する保安の監督をさせること。
☆☆⑵ 選任・解任した時は、遅滞なく経済産業大臣へ届け出ること。
☆☆⑶ 経済産業大臣による免状返納命令と、ガス主任技術者の解任命令。
☆☆⑷ 免状はガス主任技術者試験の合格者又は、それと同等以上の知識・技能を有すると経済産業大臣が認定した者に交付される。
⑸ 免状は、甲種、乙種、丙種に分かれており、それぞれ監督ができる範囲が異なる。
 ☆甲種:全てのガス工作物の工事・維持・運用。
 ☆☆乙種:最高使用圧力が中圧と低圧のガス工作物と特定ガス工作物の工事・維持・運用。など
 ☆丙種:特定ガス工作物の工事・維持・運用。
☆⑹ 甲種免状保有者を最高使用圧力が高圧の事業場で選任する場合は1年以上の実務経験が必要。(一部例外あり)
☆⑺ ⑹以外の事業場の選任する場合は実務経験は不要
☆☆⑻ ガス主任技術者は、誠実にその職務を行うこと。また、ガス工作物の工事・維持・運用に従事する者は、ガス主任技術者が保安のためにする指示に従うこと。
☆⑼ 当該事業場に駐在しない者は原則選任不可
☆☆⑽ 免状の返納を命じられ、1年を経過しない者と法律に違反し罰金以上の刑に処せられ執行終了後2年を経過しないものには免状の交付を行わないことができる。

解答例

<問題>
ガス事業法令における「ガス主任技術者」に関する規定の内容を述べよ。

<解答>
ガス主任技術者制度に関して規定されている事項
 ・ガス事業者は、ガス主任技術者免状の交付を受けている者の中からガス主任技術者を選任し、ガス工作物の工事・維持・運用に関する保安の監督をさせること。
 ・選任・解任した時は、遅滞なく経済産業大臣へ届け出ること。
 ・経済産業大臣による免状返納命令と、ガス主任技術者の解任命令。
 ・免状はガス主任技術者試験の合格者又は、それと同等以上の知識・技能を有すると経済産業大臣が認定した者に交付される。
 ・免状は、甲種、乙種、丙種に分かれており、それぞれ監督ができる範囲が異なる。
・甲種:全てのガス工作物の工事・維持・運用。
・乙種:最高使用圧力が中圧と低圧のガス工作物と特定ガス工作物の工事・維持・運用。
・丙種:特定ガス工作物の工事・維持・運用。
 ・甲種免状保有者を最高使用圧力が高圧の事業場で選任する場合は1年以上の実務経験が必要。
 ・ガス主任技術者は、誠実にその職務を行うこと。また、ガス工作物の工事・維持・運用に従事する者は、ガス主任技術者が保安のためにする指示に従うこと。
 ・当該事業場に駐在しない者は原則選任不可
 ・免状の返納を命じられ、1年を経過しない者と法律に違反し罰金以上の刑に処せられ執行終了後2年を経過しないものには免状の交付を行わないことができる。


論述問題解答例③ 「消費機器関する周知及び調査」に関してガス事業者に課せられている義務 編

近年の出題実績(2015~2023年)

<2018年>
以下の2点について、それぞれ要点を述べよ。
⑴ 「保安規程」に関して、ガス事業法で規定されている目的と内容、及び省令に規定されている保安規程に定めるべき事項
⑵ 「消費機器に関する調査」に関して、ガス事業法で規定されている内容

<2016年>
ガス事業法令に関する以下の項目について簡潔に述べよ。
⑴ ① ガス主任技術者制度を設けている目的
  ② 「ガス主任技術者」に関して規定されている事項
⑵ 「消費機器に関する周知及び調査」に関してガス事業者に課せられいる義務

加点対象の文章

論述試験の採点方法は残念ながら非公表ですが、下記の文章を書くとおそらく35点中20~25点を取ることができます。
☆がついている文章が加点対象になります。

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