喉越しの良いネギ
子供の頃から苦手だった野菜とはだいたい和解してきた。
大人になって苦味に対する味覚が鈍くなったのか、味覚が狂ってきたのかは分からないが、ピーマンやナスなどとはうまく付き合えるようになった。
でもネギはいつまでも苦手意識が残っていて、玉ねぎだろうが長ネギだろうが、あのスープやチャーハンにちょっと誤差みたいに入っているやつもダメ。
ただ大人になって、会社の同僚や上司、取引先の人などの偉い人の前で「ネギ嫌いなんス!」というプレイは出来ない。してもいいけど、してもいいんだぞ。
味にも食感にも慣れることが出来なかった人間が選ぶ道はひとつ。飲むしかない。
とにかくネギを飲みまくった。
味噌汁やスープと一緒に流し込むと多少ネギが紛れるというライフハックを駆使してネギというネギを飲んだ。
セブンイレブンの牛丼のネギは飲みやすい。今まで飲んできた中でトップクラスの喉越し。ネギを飲んでいるということを忘れる。タレが絡んでいるからか、スルッと喉を通り抜けていく。
町の定食屋みたいな店のメニューに入っているネギは手強い。
素材感も量も強い。そういう店は水をピッチャーで提供している場合が多いので、無限に水で流し込む。ピッチャーがない場合は諦めて普通に食べる。大人だから。
大人ってなんなんだ……
美味しいものを食べたりゲームを買ったりすると思います…。