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ごはんの倫理

 生き餌やピンクマウスなどの記載がありますので、苦手な方は回れ右してください。

 我が家には、犬1匹にウーパールーパー1匹、アカハライモリ2匹、シリケンイモリ2匹、クランウェルツノガエル2匹にヒョウモントカゲモドキ1匹がいる。ビオトープには複数のメダカ(赤ちゃんたちと大人とを合わせると15匹ほど)金魚が2匹それに加えて人間4人。大所帯だ。人間以外の生き物たちを纏めて『ちっちゃいモノクラブ』と呼んでいる。

 このちっちゃいモノクラブの面々は「ご飯はお野菜に果物を少々」なんて言いそうな可愛いらしい顔をしているが、みんな肉食。お魚やお肉なんかをモリモリと食べる。

 肉食であるという事は、動物の命をいただいて日々を生きていかねばならないということ。

 人工フードもあるが、ヒョウモントカゲモドキのもちゃは爬虫類を飼う人が恐れる拒食をして今は冷凍のコオロギを食べている。

 ウーパールーパーのたまちゃんは冷凍のアカムシが主だが、最近は生きたメダカを同じ水槽へ入れ、自ら捕まえては食べている。それに加えて、我が家のベランダにビオトープがあり、餌としてではなく、鑑賞する目的として生きているメダカもいる。

 ビオトープとウーパールーパーの水槽にいるメダカ、種類は同じヒメダカ。そう、ビオトープにいるのは元々生き餌用として同じペットショップで売られていたメダカを飼っているのだ。

 どちらにいるかで生き死にが分かれてしまい、どちらにいるのかは運次第、優先順位をつけているという倫理的にそれはどうなの?という状況になっている。

 もちろん、専用の人工フードもあれば冷凍のアカムシもある。それだけを与えていてもいいのだが栄養面やストレスの発散を考えるとメダカも与えた方がいい。寄生虫やら病気のリスクはあるものの彼らにとっては捕食するという事は当たり前なのだから。

 人間だって日々、お肉や魚をいただいて生きている。ウーパールーパーも同じ。そう言ってしまえばいいのだが、ビオトープのメダカが卵を産み、それが孵ってというサイクルを見ていると考えてしまうのだ。

 どちらにいるのか運次第。それってどうなのか?

 クラウンウェルツノガエル2匹は人工フードだ。大きな口でパクりと食べる仕草が可愛らしくて、他のおうちの子のご飯の様子も見たくて検索する。そうすると出てきてしまうのが「これは必要ないのでは?」と思う生き餌を与える一部の過激な動画だ。人間の多分誰しもが多少なりとは持っているであろう暗い部分と加虐性を満足させるような内容は決して気持ちのいいモノではない。お互いに生き物としての尊厳が失われるような事があってはならない。

 そして、偶にクラウンウェルツノガエルの2匹とヒョウモントカゲモドキのもちゃは、冷凍のピンクマウスも食べさせている。栄養面を考えた結果であり、仕方がないと割り切ろうとしても、何処か後ろ暗い思いがある。それがマウスだからという理由ではなく、触れると生きていたんだよなと生々しく感じてしまうからだろう。

 長生きして欲しいと優先順位を付けて与えられる命と大きくなってねと見守られる命。幸せか否か。どんなに考えたって結論は出ないし、身勝手極まりない。

 先週、与えたメダカは数を減らして片手で数えるばかりだ。お陰でウーパールーパーのたまちゃんは元気に過ごしている。

 ちっちゃいものクラブは「いただきます」という概念は理解していないので、代わりに飼い主が健康で過ごせている事に感謝して「いただきます」と手を合わせていくしかないのだろうな、たぶん。

 


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