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狐に習う文字と意味

 電子辞書を引き引き読んでいる本がある。

『捜神記』著:干宝 訳:竹田晃 (平凡社)

 中国の怪異を志す"志怪"というジャンルが流行した中国六朝時代、東晋の歴史家干宝が記した小説。妖しい話がいっぱい詰まっている。
地名とか人名とかルビがあるものがあるけれど、読めないものも多い。もうね、中国の役職名とかちんぷんかんぷん。男性だと名前とは別に字(あざな 中国で元服以降に実名とは別に通用で使っていた名前、実名を呼ぶのを忌んだ原始信仰に基づいて実名を呼ぶのは不敬とした風習から)もある。注釈もあるけれど、そもそも注釈が分かりません!となり辞書を頼っている。手書きで読めない漢字を認識してくれる機能ありがとう。

 元々は『千年狐 干宝 捜神記より』というKADOKAWAから出ている漫画が好きで巻末にあった『捜神記』を読んでみようと思った訳で。漫画の方はギャグもありつつシリアスだったりと面白い。
 千年を生きた狐、廣天(こうてん)が人間たちと関わるなかでの物語。もふもふ要素もあり。原作の『捜神記』とは違うものもあるが、原作である『捜神記』にこれだけ不思議な話がある事も面白い。調べたら、晋時代は西暦256〜420年、東晋時代と呼ばれるのが西暦317年以後だから1700年以上前にも怪異を集める事があったのねと感心する。寧ろ、森羅万象、人と自然とが近しい時代だったからこそ、これだけあったのかもしれない。
 1700年前の小説が読めるってすごいなと思う。そんな事を言っていたら源氏物語も万葉集もあるけれど。それもそれですごい事。
 
 まだ、巻4まで(1冊の本にまとまっているけれど巻20まである)しか読めていないけれど、これからも頑張って読んでいきたいと思う。

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