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ヒャクメベン型5C天門は天門なのか?

最近気になっているデッキがあります。

ヒャクメベン型の5C天門です。


このデッキは,砕慄接続グレイトフル・ベンというパワーカードをとにかく早く着地させ,グレイトフル・ベンを起点にフィニッシャーを展開していくデッキだと認識しています。

このデッキは非常に強いです。

ところが,はたしてこれは天門なのかという疑問が頭を離れないのです。


そこで,今回の記事を作成しました。

以下では,ヒャクメベン型の5C天門をみて思ったことが書き連ねられています。


なお,具体的なデッキリストは載せませんが,ここでヒャクメベン型の5C天門と呼んでいるのは,①ヘブンズ・ゲートを採用し,かつ②ヘブンズ・ゲートから踏み倒すことができるのは,霊宝ヒャクメ-4とグレイトフル・ベンの2種類だけのデッキです。

赤は禁断竜王Vol-Val-8のみとする(赤抜き)4C天門も,ここではヒャクメベン型の5C天門に含めます。

他方,真邪連結バウ・M・ロマイオンも採用したものは,今回はヒャクメベン型の5C天門に含めません。


1 グレイトフル・ベンという革命的なカード

以前,天門には単体でゲームを変えるようなパワーカードは存在しないため,踏み倒す組み合わせを考えることが重要だという記事を作成しました。


また,緑入りの天門を組もうにもまともな踏み倒し先がいないので組むのは困難であるという記事も作成しました。


これら天門に対する認識がここ数か月で覆されつつあります。


まず,光のブロッカーにディスペクターという単体性能がずば抜けたパワーカードが登場しました。

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また,白緑カラーを含むブロッカーに強力なカードが登場しました。


以上のように単体性能がずば抜けており,かつ白緑カラーを含むブロッカーといえば・・・

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そうです。砕慄接続グレイトフル・ベンです。

このカードの登場により,(天門ループを除く)緑入りの天門の可能性が開かれました。

そのような流れのなかで5C天門も実現可能となりました。


2 以前語った天門の定義について

以前も天門の定義論について語ったことがあります。

下記記事です。

要約すると,①天門の本質は,ヘブンズ・ゲートを主たる踏み倒し手段とすることではなく,光のブロッカーを手札から踏み倒すことにある,②そのため,天門だからといってヘブンズ・ゲート4枚積みにこだわる必要はない,ということが書いてあります。


この記事の背景を説明しますと,当時はオカルトアンダケインという高速ロックデッキが存在し,それに対抗できるのは赤白閃といったメタを張りつつ早いターンに攻め込むデッキくらいでした。すなわち現在よりもゲーム展開がやや早かったのです。

また,記事投稿日は王来篇第1弾発売前日であり,ここ数か月の天門でみられるようなパワーカードはほとんど存在していませんでした。

そのような背景のもと,「ヘブンズ・ゲートの手打ちでは遅すぎるので,スターゲイズ・ゲートやナウ・オア・ネバーといったコスト5のカードによる踏み倒しでなくては到底間に合わない。しかしこれは天門なのか?」という問題意識があったわけです。


3 ヒャクメベン型の5C天門は天門なのか?

では,前記第2項の定義を前提にすると,ヒャクメベン型の5C天門は天門なのでしょうか?


前記第2項でも書きましたが,

天門の本質は,ヘブンズ・ゲートを主たる踏み倒し手段とすることではなく,光のブロッカーを手札から踏み倒すことにある

と僕は考えています。


ヒャクメベン型の5C天門を上記定義に当てはめると,ヒャクメベン型の5C天門も確かに光のブロッカー(グレイトフル・ベン)を呪文(ヘブンズ・ゲート)によって手札から踏み倒しています。

そのため,ヒャクメベン型の5C天門も天門であると考えざるを得ないでしょう。

むしろ,スターゲイズ・ゲート,ドラゴンズ・サイン及びナウ・オア・ネバーといった他の踏み倒し手段を採用せずにヘブンズ・ゲート一本である構築も多々見られることから,見方によっては従来の天門より天門らしいとすらいえます。


4 ヒャクメベン型の5C天門への違和感

前記第3項のとおり,ヒャクメベン型の5C天門も天門であると考えざるを得ません。

しかしながら,どうにも違和感が拭えないのです。

それは,①5C天門が従来の天門の性質・構築論から外れており,どちらかといえばグッドスタッフといえるものであり,②踏み倒し呪文の役割が他の天門より著しく小さいことにあるからではないかと思います。


以前,デュエルマスターズプレイスにて5C天門が流行したことがあります。その際,5C天門について考察記事を作成しました。

この記事のなかで紙のデュエマの天門とデュエプレの5C天門の違いについて触れています。

要約すると,

・紙のデュエマの天門は,カード単体の弱さを踏み倒すカードの組み合わせで補うコンボデッキであり,呪文による踏み倒しに依存したデッキである

・他方,デュエプレの5C天門は,ベースが5Cであるため,マナを伸ばしてグッドスタッフを展開することも可能であり,ヘブンズ・ゲートは大型を展開する手段の一つに過ぎない

・デュエプレにおける天門はグッドスタッフにヘブンズ・ゲートをタッチしたデッキである

ということです。


これと同じ現象がヒャクメベン型の5C天門にも生じています。

ヒャクメベン型の5C天門において,ヘブンズ・ゲートは,受け札とグレイトフル・ベンの早出し手段のひとつという役割につきます。

ヒャクメベン型の5C天門においてグレイトフル・ベンを着地させる方法は,①マナブーストによりコスト8を支払って召喚する,②ヒャクメ-4のササゲールによりコスト軽減をして召喚する,③ヘブンズ・ゲートを使って踏み倒す,の3パターンあります。

単純な速度でいえば③が一番早いのですが,①や②もせいぜい1~2ターンの差といったところです。また,グレイトフル・ベンの能力によりマナが大きく伸びるため,2発目以降のヘブンズ・ゲートは腐りがちです。

以上より他の天門と比べて踏み倒し呪文への依存度が著しく低いことがわかると思います。

ヒャクメベン型の5C天門において,踏み倒し呪文(ヘブンズ・ゲート)は必須の構成要素と言い難いのではないかと思います。現在はアルカディアス・モモキングが環境に存在するため必須パーツのようにみえますが,アルカディアス・モモキングが環境から消えた場合,それでもヘブンズ・ゲートを入れなければならないかということです。


踏み倒し呪文への依存度が低いため,デッキ構築やプレイングも従来の天門とは大きく異なってきます。むしろ通常の5Cコントロールに近いでしょう。


5 終わりに

以上のとおり,ヒャクメベン型の5C天門は,定義上は天門であるものの,実態としてはヘブンズ・ゲートを入れたグッドスタッフデッキであるということです。

天門なんだけど果たして天門なのかという違和感は,この点にあるのではないかと思います。




最後にこれまでの話をひっくり返すことになりかねないのですが,そもそもデッキの名称・定義にそこまで意味はあるのかという疑問も他方であります(あえてデッキの定義について論じる意味を考えるのであれば,定義上同じグループならデッキの構築やプレイングにつき考え方を流用できるだろうということでしょう。)。

使用者が天門といえば天門でいいじゃないかと言われればそうだと思います。

僕も天門を一部で定義が争われているボルコンのようなデッキにしたいとは思っていません。この点は最後に強調しておきたいと思います。




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