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希望のジョー星が規制された理由を考えてみた

昨日の殿堂発表にて希望のジョー星が殿堂入りとなりました。

多くの方がジョー星ゼロルピアに規制がかかるだろうと予想していました。もっとも,規制されるのはゼロ・ルピアだと考えられていました。

しかしながら,大方の予想を裏切って希望のジョー星が殿堂入りとなりました。


ジョー星ゼロルピアを規制したいだけであれば,ゼロ・ルピアを殿堂入りさせれば済むはずです。ゼロ・ルピアは,現在,ジョー星ゼロルピアでしか使われないからです。

それにもかかわらず,他のデッキ(ギャラクシールド,0Cコントロール等)にも採用される希望のジョー星が殿堂入りとなりました。

これはなぜでしょうか?

今回の記事は,その理由についていくつかの仮説を提示するものです。


仮説1 ウェディング・ゲートによる悪用を警戒した

冒頭にて記載のとおり,ジョー星ゼロルピアだけを規制するのであればゼロ・ルピアを殿堂入りさせればいいはずです。

それにもかかわらず,希望のジョー星を規制したのは,ジョー星ゼロルピアだけでなく,希望のジョー星そのものに問題があったからだと考えるのが自然でしょう。


このカードは,もともとメタカードとして使われていたものの,コンボデッキが発見され殿堂に至ったとされています(下記動画の57分頃参照)。


「コンボデッキ」がどのデッキかは明言されていないものの,まず念頭に置かれているのはゼロ・ルピアとのコンボであることは間違いないでしょう。

しかしながら,他にも環境でこのカードを使ったコンボがありました。

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ご存知ウェディング・ゲートです。効果は下記テキストのとおりです。

光でも進化でもないエンジェル・コマンドを2体まで、自分の手札からバトルゾーンに出す。

本来は闇や無色のエンジェル・コマンドを踏み倒すための呪文でしたが,希望のジョー星によりあらゆるエンジェル・コマンドを踏み倒すことができるようになりました。

具体的には,

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このあたりです。特にドルファディロムは,全クリーチャー破壊+すべての呪文ロックという恐ろしい性能を持つようになります。

環境でも,0Cコントロールやギャラクシールドにこのギミックが採用されました。

現状でもかなりヤバイ組み合わせだとは思いますが,現状規制すべきギミックとまでは言えないように感じます。


では,今後のデザインに影響を与えるからという可能性はどうでしょうか。

具体的に言うと,大型のエンジェル・コマンドを作りたいのにこのカードのせいで作れないという状況が生じる可能性があるということです。


エンジェル・コマンドといえば,古参の花形種族です。20周年を迎えた今年もドルファディロムをはじめとして多くのエンジェル・コマンドが登場しました。

人気の種族ですから来年もドンドン登場するでしょう。

しかしながら,希望のジョー星+ウェディング・ゲートの組み合わせのせいでエンジェル・コマンドのデザインが狭められるというのは開発側にとって本意なことではないでしょう(おそらく,ジョー星+ウェディング・ゲート+ドルファディロムの組み合わせは想定外だったのではないでしょうか。)。


以上,ウェディング・ゲートとの組み合わせにより,エンジェル・コマンドのデザインの幅が狭められることを警戒したのではないかという仮説でした。

なお,「ウェディング・ゲートとの組み合わせが問題であれば,希望のジョー星ではなく,ゼロ・ルピアとウェディング・ゲートを殿堂入りさせればいいのではないか。」,「さすがにドルファディロムと希望のジョー星の組み合わせは想定していたのではないか。」という反論はあり得るところです。


仮説2 メタの範囲が広すぎるから

希望のジョー星は文明を参照するギミック全般を否定するカードでした。

例を挙げると,侵略,革命チェンジ,超次元(サイキック・クリーチャーやドラグハート),GRクリーチャーのマナドライブ,ヘブンズ・ゲート,文明進化・・・

とても多いです。


最近(特に十王篇以降)は文明を参照しないギミックが多く見られるようになりましたが,それ以前(特に革命ファイナル以前)は文明を参照するギミックが大半です。

そのため,最近のギミックを使ったデッキ以外のデッキは,カード指定除去等の希望のジョー星を除去するカードを採用しない限りデッキコンセプトを否定されることになります。

3ターン目に何もできないで負けることが確定するというゲーム体験は決して好ましいものではないでしょう。


デッキ選択やデッキ構築そのものに大きな影響を与えるカードであり,その悪影響が強すぎると判断された可能性があります。

強すぎたから規制された。シンプルですがもっともらしい仮説です。


仮説3 来年度は文明参照ギミックをプッシュしたかったから

仮説2とつながる話ですが,希望のジョー星があるとこのカードを除去するカードを採用しない限り,文明を参照したギミックに依存したデッキはコンセプトが崩壊します。


昔のデッキを使うユーザーであれば,「諦めて最新のカードを使うか対策カードを入れましょうね。」で済む話です(ユーザーの不満は高まるでしょうが。)。

しかしながら,新しく売り出したいギミックが希望のジョー星のせいでコンセプト崩壊していたらどうなるでしょうか?

このような事態は避けたいはずです。


また,過去にも来年度のギミックに刺さるカードが規制された例はあります(GRクリーチャーに対する時の法皇ミラダンテⅫ,キリフダッシュに対するメメント守神宮等。)。

もちろん公式が理由を明言している訳ではないので推測に過ぎませんが,来年度の展開のために規制することはありうることです(いわゆるビックリ枠)。


このように考えると,来年度にプッシュされるギミックは文明を参照したものとなる可能性があります。


仮説4 ポピュリズム的な施策

端的に言うと,「ジョー星ゼロルピアは嫌われているから規制しよう。ゼロ・ルピアより希望のジョー星の方が嫌われているから希望のジョー星を規制しよう。」という話です。

多くのユーザーに嫌われているカードを規制すれば,多くのユーザーから支持を得られるだろうということです。


確かにこのカードは発表直後から多くのヘイトを集め,開発担当者に批判のリプライが殺到したり,「絶望のジョー星」と呼ばれる等散々な扱いでした。

希望のジョー星の規制はユーザーのガス抜きという側面があるのかもしれません。


・・・これはあまりにも穿った見方なのでこれくらいにしておきましょうね。


おわりに

いずれも仮説の域を出ませんが,来年度の展開が明らかになればある程度の答えはわかるでしょう。

少なくないユーザーに嫌われたカードでしたが,様々なコンボが考えられる可能性を秘めたカードでもありました。

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