るる&ルシファー+ドルファディロムの組み合わせの使用感について

新弾で登場したるる&ルシファーを早速使ってみました。

上記記事でも紹介したとおり,このカードは,(天門で使う場合)カイザルバーラの上位互換であるだけでなく,コスト8のパワーカードも天門に対応するようになったという点で新たな可能性を持つカードです。

今回は,ブロッカーをもたない光のコスト8のなかでも屈指のパワーカードであるドルファディロムを試しに入れてみて感じたことをメモとして残しておくという趣旨の記事です。


1 デッキレシピ

話の前提として,実際に試してみたデッキレシピをのせておきます。

4c天門 2021_5_23

ナウ・オア・ネバー型のドラグナー天門をドロマーt赤にしたものというイメージで考えてもらえば,大体の動かし方は理解できるのではないでしょうか。


ちなみに,るる&ルシファーとドルファディロムを入れる前はこんな感じでした。

4c天門 2021_5_16

違和感のある構築かもしれませんが,細かい採用意図の説明は省略します(下記記事は大まかな経緯を書いています。)。


2 気になった点その1 手札で腐りやすい場面が目立つ

前記第1項のレシピで回してみた感想ですが,まず手札で腐る場面が目立ちました。


前記第1項のレシピでドルファディロムを出す方法は以下の3つです(実現可能性の高い順で並べています。)。

① るる&ルシファーから出す

①ーA ヘブンズ・ゲートでるる&ルシファーを出す。

①ーB ナウ・オア・ネバー+セイントローズでヘブンズ・ヘブンを出し,終了時効果でるる&ルシファーを出す。

② マナを支払って召喚する。

③ 襲来!鬼札王国により墓地から釣り上げる


①については,デッキのメインギミックに加えてドルファディロムを手札に抱えておけばよいので,現実的に出せるラインです。

他方,②はよほどのロングゲームにならない限り現実的には困難です。

③についても,相手のハンデスでたまたまドルファディロムが落ちるなど極めて例外的な場面しかできません(このデッキの鬼札王国は,赤マナの確保・受け札・墓地回収の代わりという役割で採用しています。そのため,墓地からのつり上げを意識した構築にはなっていないのです。)。

現実的には,ドルファディロムはるる&ルシファーを経由しないと出せないのです。

踏み倒しのためのパーツ(ナウオア+セイントローズorヘブンズ・ゲート)+るる&ルシファー+ドルファディロムがそろわないと,ドルファディロムはただの腐り札になってしまうのです(使う対面以外は早々にマナ置きするというのもありですが・・・)。

このデッキはドローソースを少なめにしている関係でドルファディロムが特に腐りやすくなっているように感じます。

るる&ルシファー+ドルファディロムを使うなら,ナウ・オア・ネバーではなくスターゲイズゲートにすべきだと思います。


3 気になった点その2 ドルファディロムが環境的に通りが良くない

もうひとつの問題点として,環境的にドルファディロムの刺さりが悪いのではないか?という点があります。

ドルファディロムは間違いなく強いカードで,このカードを容易に出すことが出来る5Cであれば,「強いのでとりあえず採用する。」という選択もありうるところです。

しかしながら,ドルファディロムを場に出す難易度が高い天門において,「(出れば)強いのでとりあえず採用する。」というわけにはいかないのです。


以下,環境でみられるデッキへの刺さり具合です。

(1) 青魔道具

青魔道具には刺さります。もちろん新世壊のせいで呪文ロックは効果がありません。


重要なのは登場時+EXライフシールドが離れた時の全体除去です。

メラヴォルガルの処理は複雑なのですが,ポイントは①登場時能力はターンプレイヤー(青魔道具側のプレイヤー)が優先であること,②Sトリガー呪文の処理は呪文の効果を処理するところまで,の2点です。

手札にるる&ルシファー+ドルファディロムを抱えた状態で,相手のメラヴォルガルの登場時能力によるブレイクで,ヘブンズ・ゲートを踏ませた場面を想定してください。

Sトリガーであるヘブンズ・ゲートの効果でるる&ルシファーを場に出した場合,るる&ルシファーの登場時能力が待機した状態で,先に2体目以降のメラヴォルガルのブレイク処理がされます。

相手のブレイク処理及びトリガー処理が全て終わった後で,るる&ルシファーの登場時能力が処理されてドルファディロムが場に出ます。

これによって,最終的には相手盾0・こちら盾1(EXライフ),相手盤面0・こちら盤面ドルファディロム+αという状態が残ります。この状態で相手はEXターンを迎えることになります。

仮にEXターンでドッカンデイヤーを投げたとしても,EXライフシールドが離れたときの効果で盤面は吹っ飛びます。

以上が,天門にドルファディロムを入れることが青魔道具に刺さる理由です。


ただし,以上のルートには抜け穴がいくつかあります。

① ヘブンズ・ゲートが初期盾に埋まっていることが大前提

ヘブンズ・ゲートを手札からシールドに仕込んだところで,ウキドゥで落とされるだけです。つまり,最初の5枚に埋まっていることが大前提です。

ヘブンズ・ゲートを4枚採用した場合,初期盾に埋まっている確率は約4割です。上記ルートに対青魔道具を依存する場合,どう頑張っても勝率4割程度が上限なのです。

② 相手の盾にクロックが埋まっているとプランが崩壊する

上記のルートは,青魔道具側の処理が優先であることを前提としたものです。つまり,クロックによりこちらの処理を飛ばされるとドルファディロムが出せないわけです。

③ 新世壊を2枚張られるとケアされる

EXターンにガリュミーズを使われ,2度目のEXターンでドッカンデイヤーを投げられるとさすがに耐えられません。

あるいは,EXターンにカージグリでドルファディロムをバウンスし,EXライフシールドが離れたとき効果を使わせたうえで,ガリュミーズで展開されてもどうしようもありません。

いずれにしても,新世壊2枚でケアされる危険があります。


以上のとおり,天門にドルファディロムを入れることで青魔道具に勝てる可能性があります。しかしながら,初見殺し的な側面が強く,ケアされる可能性が高い点は十分理解しておくべきです。


(2) その他対面

青魔道具以外の対面だとあまり通りが良くないように感じます。


5Cコン

もちろん,ナウ・オア・ネバー,ドラサイ,フェアリーミラクル,パーフェクトダークネスを止めることはできます。とこしえも飛ばせます。

しかしながら,これら呪文を止めたところで,マナを伸ばされて展開されればあまり意味がありません。こちらの展開速度を考えれば,手遅れなことが多いです。

クリーチャーへの通りもよくないです(ドルファディロム,ザーディクリカ,最終モルトといったメインどころはいずれも多色です。)。

そして,もう一つの問題としてこちらにはドルファディロムが致命的に刺さるという点があります。

つまり,5c対面ではエモーショナルハードコアで真っ先にドルファディロムを宣言したいわけです。そうすると,こちらのドルファディロムもバニラクリーチャーになってしまいます。

5c対面では基本的にマナ基盤にしかなりません。


デッドダムド

とこしえ,シャッフやパーフェクトダークネスくらいしか効きません。

そもそもシャッフが先に場に出ているとカウンタープランを潰されるのでどうしようもありません。


ドギラゴン閃

ミクセルに刺さります。ヘブンズ・ゲートから出せれば,ミクセルを複数場に並べられない限り,ドルファディロムを場に残すことが出来ます。

ただ,閃やサイバーエクスには刺さりません。


綺羅スター

単色が多いので結構刺さりそうです。

ただし,シャッフで宣言6をされると終わってしまう点はどうしようもありません。


オカルトアンダケイン

もちろん盤面を飛ばすことができますが,だからどうしたという話です。


(3) まとめ

正直なところ,今の環境的にドルファディロムの刺さりはよくありません。

天門に入れる場合,とこしえの超人メタと青魔道具に対する初見殺しくらいしか役割がないように感じました。


4 ドラグナー型天門との両立は思ったより難しいのではないか?

机上論では,ドラグナー型の天門との両立は可能だと思いました。

どちらにしてもるる&ルシファーが必要で(ギミックパーツが共通),とこしえがいる場合はドルファディロム,いない場合はセイントローズと使い分けることが出来るわけです。


しかしながら,前記第2項のとおり,ナウ・オア・ネバー型にすると(とこしえがいる場合)ヘブンズ・ゲート+るる&ルシファーのルートしか出せません。

そのため,ドルファディロムを入れる場合,展開札はナウ・オア・ネバーではなく,スターゲイズゲートにするしかなさそうです。つまり従前のドラグナー型の天門にそのまま突っ込むというのは厳しそうです。

また,展開呪文をスターゲイズゲートにしたうえでかつドラグナー型と両立させた場合,るる&ルシファーからしか出せないカードをデッキ内に複数抱えることになるという問題もあります。


以上からすると,ドラグナーとの両立は理屈上は可能だし,一見するとサブプランとして強そうだが,実際には難しいと思いました。


5 ドルファディロムを出すギミックをメインに据えたらいいのではないか?

ドルファディロムの強みはEXライフによるメタカード耐性です。そのため,メタカード除去や妨害札の枠を削って,ドローソースやチャージャーに回す方がいいかもしれません。

この場合,最速4ターンでドルファディロムが着地することが可能です。

環境への刺さりはともかく,単純に強い動きです。ドルファディロムを早期に投げつけるコンセプトの天門はなかなかよさそうです。


ゲンムエンペラー天門や虎天門のような自分の動きを押し付けるタイプの天門と組み合わせたらどうなるか。試してみたいところです。

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