5.「具体↔抽象」トレーニング
抽象化=何かと何かの間に関係性を見つけ、明確にすること。
抽象化する=選択肢を増やす
問題解決の場面で行き詰まりを感じたときは、よりメタ的な視点で問題の本質を再定義(より抽象化)することで、出口が見えるかもしれない。
戦略的な思考に欠かせない物事の優先順位を常に意識している人は、抽象度の高い視点で物事を見ている可能性が高く、逆に「全てが大事」と優先順位がつけられない人は、抽象思考が身についていない、あるいは具体思考に囚われている。
抽象=捨象
抽象化=ある事象とある事象のあいだに「線引きする」こと
しかし、その「線引き」により複数の事象をひとまとめにして扱ってしまう代わりに、個別事象の特殊性を無視することになる。
そのような抽象化が引き起こす「ゆがみ」が増えてきた段階で、「再度線を引き直すタイミングである」と判断して、再び具体的事象から抽象化するという思考回路が起動する人が、社会や環境の変化に適応できる人である。
ただ前例に則るのではなく、その前例の目的や背景という属性を抽出することで、そこから具体的な解決策を考えることが重要である。
豊富な知識 × 具体↔抽象思考
良い思考をするためには、良質な情報や知識が必須
抽象度の高い全体の設計は、1人で構想することが本来好ましい。
対して専門分化が進んだ個別具体の肉付けは、分業も利くために集団で分担してやる方が質量ともに良い結果が出る。
川上(抽象化)においては質、川下(具体化)においては量が重要
プロの仕事
顧客の抽象的依頼に幅広い業務的知識を持って「ベストの着地地点」を示せることであり、もし顧客が不自然に具体的な依頼をしてきた場合は、あえて抽象度の高い本来のニーズに戻したうえで、再度ベターな解決策を示してあげられること。
顧客が求めているもの(依頼内容)と自分に求められているもの(改善策)、それぞれの抽象ピラミッドにおけるポジションを事前に把握することが大切。
抽象化の過程で、言葉の定義を明確にする方法として、「両極端」を認識することが重要。
均質なグレーであふれる現代社会において、自らの立ち位置はどの程度のグレー度合いなのかを認識するためには、一方の極端である「白」ともう一方の極端である「黒」をあらかじめ定義しておくことが重要。
抽象化=問題の発見・具体化=問題の解決
問題解決にあたって壁にぶつかったときは、実はそもそも問題の本質がよくわかっていなかった場合が多い。その場合は、メタ的な視点を持って抽象化することで問題を可視化し直してみることが有効である。
具体↔抽象のための思考力を決定的に分けるのは「能動性」。
今後、「自ら能動的に考える力」の差によって、AIを使う側になるか、AIに使われる側になるか、が決まる。
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