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歌詞が目に染みる②

 好きな歌詞、好きな歌詞…とApple Musicを漁っていると、出てくる出てくる。

 暗黒の高校時代、昼間の学校が嫌で夜中に楽しさを見出すしかなかったあの頃。家族が寝静まった時によく聴いていて、個人的に真夜中が似合う歌手といえば、宇多田ヒカルとサカナクションである。

 宇多田ヒカルのThis Is Love

 予期せぬ愛に自由奪われたいね

 一番はじめの歌詞にガツンとやられる。

 たしかに予期せぬ愛に自由奪われたい。困ったなぁと思いながらもそんな愛を楽しみたい。疲れ果てたい。

 一番よく聴いていた高校生の頃はなんかいい歌詞だなぁくらいであったが、大人になって沁みてくる。

 一節で心を持っていかれる歌詞って強い。

 またまた吉田拓郎ですが、松本隆作詞の外は白い雪の夜。

 女はいつでも ふた通りさ
 男を縛る強い女と
 男にすがる弱虫と 
 君は両方だったよね

 木綿のハンカチーフ方式で、長く付き合った男女が行きつけの喫茶店で別れる様を、男と女両方の視点で歌詞にした曲。

 どこを切り取ってもいいのだが、特にここが好き。僕の妻はまさにこんな女性に思えて、この曲を聴くと別れてもいないのに彼女が浮かぶ。

 今となっては少し古い男性像、女性像な気もするが、書かれた時代も昔だし仕方ない。それを抜きにしても、十分に普遍的で泣けるいい曲、目に染みる歌詞だ。

 あがた森魚の百合コレクションは、故郷函館の夜を思い出す。

 是非はじめから最後まで読んで、曲も聴いてほしい。

 作りとしては基本に忠実で、それでいてこんなにも美しくて幻想的で、儚い歌詞を僕は知らない。

 砕けてしまった土星のように
 淋しい星でした
 それでもあなたと歩いた星ですね

 サヨナラは It’s only
 モウイイノサ 百合コレクション
 それでもあなたがほほえみ咲くのかと

 函館西部地区の夜が似合う。

 歌詞が目に染みる②を締めるのは、我がジャパニーズロックスター、THE YELLOW MONKEYだ。

 LOVE LOVE SHOWと迷ったが、最近沁みるのはBURNだった。

 夏の海とか冬の街とか  
 思い出だけが性感帯

 最近になってようやくこの歌詞の感覚が分かるようになって、かなり嬉しい。自分の成長と共に歌詞との距離感も変わってくる。それも醍醐味。

 思い出だけが性感帯…詳しくは書かないが、そこから抜け出したい。

 なかなか終わらない歌詞が目に染みるシリーズ。次回はわりと最近の曲について書いていこうと思う。

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