02/12の日記 (たんこぶ)

朝、子供たちと家を出る準備をしていると、娘(3歳)がプンプン怒りながら僕のところにやってきて、

「たんこぶ作ってよぅ!」

と言う。

僕が、「え??」と聞くと、

「だ・か・ら!たんこぶ作ってYO!」

と、頭をポンポンと叩く。顔はぷんすかしている。

僕は困ってしまって、「いやいや、たんこぶ出来ちゃうと、痛いよ?」と言うのだけど、

「痛くないようにやって!今日はたんこぶなの!!」

と譲らない。

そもそもなぜ「たんこぶ」なんて作りたいのか。流行ってるのか?幼稚園で。たしかに小さいころ、ケガとかするとちょっとカッコいい、みたいなのあったもんな。うーん、でもだからといって、いくら娘の頼みだからといって、それはできない。げんこつなんて無理だ。娘がいつかJKになって、「このうすらはげデブめがねの根性なしやろう!」と僕のことを言う、もしくはLINEで送ってきたとしても、げんこつは無理だ。「それは…ちょっと…言いすぎじゃん?」くらいしか言えないだろう。もしくは、クマかなんかがドアの奥からチラッ?みたいなスタンプしか返せない。

それで僕が、うーん、うーん、と頭を抱えて悩んでいると、「あかんわ、こいつ使えへんわ」と思ったのか、たったったと妻の方に走って行って、

娘 「おかぁさぁん、今日髪の毛、たんこぶにしてぇ」

妻 「え?…あぁ…。たんこぶじゃなくて、おだんごね?いいよ」

娘 「やったあぁぁ!!(僕の方をどや顔でチラリ)」

僕 「・・・・・(えええええええ!!いやいやいやいや!!自分間違ってたやん!「おだんご」と「たんこぶ」、間違ってたやん!俺、「髪の毛、たんこぶにして?」って言われてたら、「あ、おだんごね?」って気づけた自信あったし!髪の毛、おだんごにしてあげられたし!!俺できたし!!俺ぜったいできたし!!)」

でもそんなこと思っても、あとの祭り。髪の毛をたんこぶ、じゃなくておだんごにしてもらった娘は妻に礼を言い、自分で選んだ赤のタータンチェックのワンピースを着て、薄ピンクのタイツを一生懸命履いて、大きな鏡の前でくるっと一周して満足そう。

娘が満足なら、お父さんそれでいいのだけど、でも、お父さん、ほんと、髪の毛、おだんごに、できるからね?


お蕎麦屋さん開きたい。