03/02の日記 (安定の)

久しぶりに旅行に来た。車で数時間なので、旅行というほどたいそうなもんではないが、二泊三日。まぁ、旅行と言っていいのか。

昔、住んでいたこともあるベルギー。僕はこの国が好きだ。ひょんなことから住むことがなければ、僕はこの国のことをそこまで知ることもなかっただろうし、数あるヨーロッパの国々からわざわざこの国を選んで旅行に行くこともなかっただろう。

この国の何がいいかって、ご飯はフランス文化のせいか、おいしい。公用語が三つ(オランダ語、フランス語、ドイツ語)あるくらいだから、共通言語としてみんな英語が話せる。何より人がみんなニコニコしている。イタリア人ほどいい加減でもないし、スペイン人ほど陽気すぎもなく、フランス人ほど自分たち大好きじゃないし、オランダ人やドイツ人より芋もビールもうまい。たぶん、いいとこどりの国なのかもしれない。

唯一挙げられる欠点は、これはベルギー人もみんな認めるのだけど、交通だ。道の混雑さは絶望的だ。とくに首都ブリュッセルの通勤帰宅ラッシュ時は、通常10分の道に平気で1時間もしくはそれ以上かかることは日常茶飯事。さらにブリュッセルの中心部にはEU本部があるので、たとえばお偉い人がやって来たり、たいそうな会議が開かれたりすると、この中心部へのありとあらゆる道が交通不可になって、さらに絶望具合が増す。

あと困るのは公用語が三つあるので(といっても主なのはオランダ語とフランス語で、ドイツ語はほとんどない)、一つの看板の中に多言語が混ざり合っていてわかりにくい。なんと、同じ一つの場所でもオランダ語とフランス語で呼び方が全然違うのだ。

なんとまぁ非効率な国だろうかと思うのだけど、その非効率さゆえか、国民はみんなマイペースである。同じベルギー人同士で「あなたフランス語とオランダ語どっちが得意?」「わたしオランダ語」「おれフランス語」「…じゃあ英語で話そっか」みたいなやりとりをよくやっていた。これって凄いことな気がする。

効率的なことだけが、いいとは限らないよね。相手を気遣える気持ちを、この国の人たちは生まれながらに、持ち合わせているのかも。ご飯だって、景色だって、いつ来てもこの国って、安定してるわー。


お蕎麦屋さん開きたい。