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03/29の日記 (かご)

土産でも買うかと何気なくふらっと入ったスーパーで、旬の野菜を見かけ、ふっと手を伸ばしそうになったのだけど、「あ、そうだ。もう食材かっちゃ行けないんだ」と気づく。もうすぐ引越しだ。

やっとこさ空になった冷蔵庫を、ふいにするところだった。

食材だけじゃない。トイレットペーパーとか、洗剤とか、そういうものも、目に入って、「あれ、まだあったっけ…」なんてストックを考えるのに、もう全部、必要ないのだ。

日用品が入っていないカゴの中身は、どうにもすっからかんで、そんなところで「あぁもう帰るんだなぁ」と実感する。荷物を整理しても、人に会ってサヨナラ告げても、いまいち実感なんてしなかったのに。

日用品や食材に用事がないので、いつもは目もくれないような場所に目が向く。うさぎや卵のかざりがずらっと並んでいて、あぁもうすぐイースターなんだなぁと気がつく。

僕の小さな買い物カゴは、いつも食材と日用品で埋まっていた。イースターエッグは、なかなか入る隙間がなかったな。頭の中も同様で、日常をやり過ごすことに精一杯だったと思う。それを後悔しているわけではないし、よくやったほうだと思うけど、そんなことをやっぱり今更考えてしまう。



お蕎麦屋さん開きたい。