誹謗中傷と天動説

天動説はご存じだろうか。
地球は止まっていて月や太陽が回っているとする考え方のことだ。

現代では地動説が当たり前に浸透している。天動説を未だに信じているのはフラットアーサーくらいのものだ。

天動説の時代にあって地動説を唱えたものたちは激しく迫害されたという。現代の我々からすれば滑稽な話に思えるが、これは決してその時代の人々が愚かだったというわけではない。

人間社会には、「全員に共通する物の見方」が存在する。
・地球は回っている
・地震はプレートのズレで生じる
・人を殺すのは悪だ
現代日本でこれらに異を唱えるものはかなり少ないに違いない。

だが時代や場所が違えば
・地球はすべての中心、動かない
・地震が起こるのはナマズの仕業
・敵兵をたくさん殺した物が正義

といった風に、全く異なる考え方、物の見方となる。

これは個々の人間に問題があるとか言う話ではなく、時代と共に移り変わっていくものだ。

さて、本題に入ろう

昨今世間を騒がせている誹謗中傷。芸能人が自死に追い込まれたりするなど、大きな社会問題となっている。

おそらく、「ネット上の知らない人に対しての礼儀」がまだまだ社会に浸透していない。
匿名掲示板の悪ノリを特定の個人に向けて発信するからおかしなことになる。これはある意味でネットの構造によるものであり、仕方がないことなのかもしれない

とはいえ、著名人やインフルエンサーの方々の尽力により、少しずつ「誹謗中傷は犯罪である」という認識が広まってきているように思う。
おそらく100年後の世界ではこの考え方が浸透しているのではないだろうか。誹謗中傷する者は人口の0.01%とかになっているかも知れない