会心の話～率ダメ1:2が良いのはなぜなのか～

まえがき

会心系は厳選でどうにかなるステータスなので軽視されがちだが、ダメージ計算上の寄与が大きい。攻撃やダメバフを盛り過ぎて上がり幅が小さくなってきたときは、会心系を上げると良い。

会心率が80とかの場合、氷共鳴や会心バッファーを活用するとけっこうダメージ期待値が伸びたりする。例えば率80ダメ200の時に氷共鳴を入れるとダメージ期待値が1.12倍になる。(期待値50,000ダメージの攻撃なら期待値56,000ダメージになる。)
もちろん会心率が100に近い場合はサチる(飽和する)。

会心は確率で起こるので期待値で話をするしかない。原神のダメージ計算式に会心の項目がある以上、会心の期待値は火力効率を伸ばそうと思ったら必ず付いて回る問題である。そして原神の殆どのアタッカーは会心を盛るため、会心の期待値を最大化することを考える必要がある。アタッカー心海は期待値を考える必要がなくて楽そう。

期待値の最大化

原神のダメージ計算式上の「会心補正」の期待値は、

会心補正（期待値） = 1 + { 会心率(%)×会心ダメージ(%) } / 10000

で表される。すなわち会心率(%)×会心ダメージ(%) が最大となるように会心率と会心ダメージを振れば、期待値が最大となる。ここで、よく率：ダメージ＝1:2が良いと言われるが、それは会心スコアを変えられない場合にどういう配分をすれば期待値を最大化できるかという話であり、会心スコアが大きく変えられるのであればその限りではない。期待値を最大化するためには、1:2に固執する必要はなく、手持ちの装備で会心率(%)×会心ダメージ(%) が最大となる組み合わせを選択すればよい。

なぜ1:2なのか

会心リソースを配分する時に1:2が良いのは真実である。
これは、テイワットにおける会心率と会心ダメージの上げやすさが1:2であることに由来する。例えば聖遺物の冠のLv20時のメインステータスは率：ダメージ＝1:2の比率になっている。もしこれが2:3だったら、率：ダメージ＝2:3がベストになっていた。前述のように、会心の期待値は会心率(%)×会心ダメージ(%) で計算される。そしてこの会心率と会心ダメージというのは際限なく盛れるわけでなく、手持ちのリソース(聖遺物のサブOP上昇回数など)を割り振って盛るステータスであり有限である。一般に和に制限のある数値を配分する場合、均一に振るのが最も積が大きくなる。(3×5より、4×4の方が積は大きくなる)。つまり、一般的な多くの数値のように会心率と会心ダメージの上げやすさが1:1であった場合は1:1の割合でリソースを割り振るとその積は最大となる。テイワットにおいては会心率と会心ダメージの上げやすさが1:2であるという歪みが存在しているために、その補正をかける必要があり、最適な配分の割合が1:2となっている。

もし会心スコア(会心率×2+会心ダメージ)が同じで会心率に寄った聖遺物、会心ダメージに寄った聖遺物がある場合は、最終ステータスの率：ダメが1:2に近づく方を選択した方が会心期待値が高くなる。(あくまで「会心スコアが同じ」という前提がある場合。会心スコアが異なる場合は会心スコアが高い方を選択した方が良い場合も多い）

単純化した話

• ステータスA：6

• ステータスB：10

• 最終ダメージ = ステータスA × ステータスB

上記のような場合を考える。スキルポイントを1持っていてステータスAかステータスBを１上げられるとき、ステータスAとステータスB、どっちに振るのがお得か？

• ステータスAに１振った場合：7×10=70

• ステータスBに１振った場合：6×11=66

当たり前だが、ステータスAに１振った方がお得である。

原神の率ダメの話もこれと同じ。
率ダメの上げやすさが1:2であるために「均一」が1:2になっているだけ。

スキルポイント1につき、ステータスAは1上げれます、ステータスBは2上げらますという状況。その場合、どのラインまでステータスBを上げるのがお得なのか？答えはA:B=1:2のラインとなる。この基準よりAが少ない場合はAに振った方がお得だし、Bが少ない場合はBに振った方がお得。

• ステータスAに１振った場合 (1増加)：7×10=70

• ステータスBに１振った場合 (2増加)：6×12=72

上記のように、A:B=1:2よりもBの方が少ない状況なら、Bに振った方がお得である。今回は省くが、あとは「A:B=1:2の場合」と「Aの方が少ない場合」をやってもらったら感覚的にわかると思うし、Excelでグラフを描いてもらっても、数学的証明をしてもらってもいい。A:B=1:2のラインがおおーめっちゃ鮮明ですねーって感じで見えてくると思う。

原神の話に戻ると

最終ステータスの率ダメが1:2のバランスからどちらに崩れているか見て、率が少ない場合は率を持った方がお得、ダメが少ない場合はダメを持った方がお得。