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正月の残り香は電車に乗って

朝、電車で向かいに座ってる翁のメガネのつるにどう見ても、餅がへばりついている。
へばりついているのか、へばりつけているのかは定かでないが、恐らくあれは、まぎれもない餅である。
たとえつるが折れてしまっているとしても糊がわりの餅は弱すぎだと思うし、やっぱ食品でないものを食品で強化するのは衛生面含めてやめたほうがいい、なんていうか昔みたい、いや昔の人でもさすがにあれはせんやろ、でもなんて声をかけるのが正解なのかさっぱり答えが見当たらない、また、どういった場面でも現状の否定をするのであれば代替案や打開策を持っていくのがマナーであると考えているので、手持ちのボンドやテープがない今、こちらになす術なし。
餅は補強のためではなく彼の本日のお弁当であることを信じ、喉に詰まらぬよう祈って降りていく翁を見送る。

仲の良い上司を驚かせようとおもって、ハレルヤ、みたいなことを叫んで飛び出しあわや車にはねられそうに。
違う意味で驚かせてしまった、ドライバーもごめん、調子に乗るのは本当によくない、サービス精神もほどほどに。反省。

今日もまっすぐ帰宅。
明日で1週間終わり、早かったが長かった、明日は何ヶ月ぶりだろうか、友人から譲り受けたチケットでひとりお笑いを見にいく、疲れ果てていてもきっとそこには希望があるんや、という気持ちで。
希望よりも絶望の方が色が濃いので、塗り込められないように気をつけないと。
かろうじてはみ出た希望によって生かされる日々。

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