既に余暇だと思ってる_240928

先輩が転職して、年齢の近い同性の先輩が0になった。
私が入社してからずっと、気に掛けて見守ってくれる素敵なお姉さんであり、中高の頃のように意味も無い雑談で盛り上がれる友達であった。

お昼ご飯の合間に、2人で休日の過ごし方や今やっている仕事の話をしていると、毎回いつの間にか話の小舟が変な水路に流れていく事が多かった。

ある日は「湯婆婆に名前を取られるならどの文字を残すか」という話をした。

漢字ならこの文字、ひらがなならこっちが良いかもと盛り上がった。先輩が「々」を出してきたので、それ1文字の場合読み方が自由すぎてズルいのではないか、という話もした。
後日、「湯婆婆が器用だった場合、『音から日のパーツだけ残す』とかも可能なのではないか?」と話題が再燃したので記憶に残っている。

ある日は「部署の対立を部長の相撲で決める社会だったら」という話に辿り着いた。

リモートワークをしている部長を、電話で呼び出して相撲をさせなければならない。その内だんだん雑になって、「今週はまとめて8件分を金曜日にとります」などとなってくるんじゃないか。
「その制度でも結局社長が一番強いと思う(太っているから)。」という先輩の発言にゲラゲラ笑った。

最終出勤日は、都バスのマスコットみんくるのクリアファイルを見ながら「みんくるの学校」について話した。

確か、みんくるって複数存在しているらしい、みたいな話から始まったっけ。
昨日の事なのに、何にも覚えてない。話し終わると、なんでこんな話をしてるんだっけ…?と2人で毎回首を傾げていた。


私は木更津キャッツアイが好きだ。

あの、何もやる事が無い放課後の空気感、テキトーに会話のボール飛ばして数分後には何話してたか忘れちゃうような空気感が大好きだ。

ああいう映像作品が好きだ。画面が切り替わったら、都合の良い薬が出てきたり出処の分からない大金でクレープ屋さん始めてたりする、時間と労力を全てすっ飛ばしたデカい規模のコント漫才みたいな映像作品が好きだ。

例えば、ピカ☆ンチ。
例えば、おそ松さん。
例えば、女子高生の無駄づかい。
例えば、女の園の星。
例えば、THE3名様。

歳を重ねても精神は成長せず、私の人生の憧れやゴールは、これらのいわゆるモラトリアムであった。
高校を卒業する時に、「ここから先は人生のボーナスタイム。余暇。ロスタイム。人生ゲームでただルーレット回して端金もらうだけの時間。」と半分真剣に思っていた。

就職した場所で、同級生のように、何の役にも立たない雑談を楽しんでくれる人に会えて良かった。

就職してもこんな話が出来る人と会える世界なら、社会人で生きているのも悪くないなと今は思っている。