徒然なるままに…憧れのLa'cryma Christi(Lhasa編)

こんにちは.ヴィジュアル系ボカロPの残夜草紙です.先日,ボカロV系カバー祭2022秋にてLa'cryma Christiの名曲「未来航路」をカバーさせて頂きました.

概要欄にも少し書きましたが,このLa'cryma Christiというバンド,私は元々彼らの世代ではなかったのですが,色んな偶然が重なってこのバンドに出会い,学生時代から今に至るまで心酔しております.

当時ALvinoで活動されていたKOJIさんに興味を持ち,活動歴を遡ってラクリマを知りました.前知識があまりない中,最初に買ったラクリマのアルバムは「Lhasa」…その1曲目が「未来航路」でした.大切な出会いの歌です.

そんな名盤「Lhasa」について語っていきたいと思います.1stや3rdが名盤なのは言うまでもなく,この2ndもすげぇ良いアルバムなんですよ!

収録曲のうち前半5曲をyours,後半5曲をoursと分けています.ポップな前半とかなりコアな路線を突き詰めた後半…音楽の二面性が堪能できます.

【yours】
01.未来航路(Album Mix)

シングル版と異なり,これから過去と未来を繋ぐタイムトラベルが始まることをイメージさせる壮大なSEから始まる名曲.SEと言ってもスコアの解説ではKOJIさんの仮テイクで弾いた音が採用されていたんだとか…そういう話はもっと読みたいですね…!

私がカバーしたのはシングル版ですが,アルバム版も同じく,同期させているシンセベースやシーケンサー,シンセによる煌びやかなアレンジが加えられていて,yoursサイドの象徴とも言えるサウンドな気がします.

そしてこの曲で特に私が推したいのはKOJIさんの弾くリフ!16分で刻んでいて本当にカッコイイですよ…マジで.次曲「月の瞼」にも似た系統のリフが出てくるけど,そちらも必聴ものです.

02.月の瞼
この曲も思い出深いなぁ…免許を取った頃とかは目的地とかはざっくりとだけ決めて,ドライブしに出かけたりしていたんですけど,帰りの車でこの曲を流しながら運転を楽しんだりしていました.夜のドライブにピッタリな曲だと思います.もちろん安全運転ですよ.

Ba.のSHUSEさん作曲で曲調はストレートなロックナンバー.イントロから未来航路と接点を感じるリフでぶっ飛べます.歌詞にYOKOHAMAが出てきますね.追いかけてくる月の瞼とかって凄く神秘的なサビの詞に対して,ちょっとリアリティが出てきたり…そんな対比もあって,とても良い歌詞だなぁって何度聴いても思います.

HIROさんが弾き倒しているあのギターソロはワーミー…最近Amplitube MAX買ったし,その手のエフェクターはあると思うから今度試してみよっかな.あのソロはもうね〜超刺激的なサウンドですよ.

03.With-you(Album Mix)
Vo.のTAKAさんが作曲された名曲.私は世代ではないですが,もしかすると「未来航路」と並んでこの曲でラクリマを知った方も多そうですね.

インタビューを拝見したのですが,制作の流れでHIROさんを部屋に呼んで,アイデアを渡してコードアレンジをしてもらったんだとか.ボーカリストならではの伸びやかに,そして目まぐるしくドラマティックに展開していく綺麗なメロディは唯一無二だと思います.

カノンのフレーズを取り入れたギター,鳥肌もののサビ,その後は余韻に浸る間奏が堪能できて,ポップながらも曲の構成はさすが!大好きな曲です.

そうそう,印象的なサビではDからFに転調していますね.FってDmの平行調で,同主調の平行調へ転調していることになります.これってなんか専門用語あるのかな.

04.SHY
アルバム唯一,Dr.のLEVINさんが作詞している楽曲です.ペンタ盛り盛りでどこか中華な香りがする,これまた爽やかでどこか可愛げのある曲と思います.作曲はBa.のSHUSEさん.

She is so shy…のコーラスとかはライブでも盛り上がっただろうなぁ.スタジオ盤聴いてるだけでもすんごく盛り上がるもん.

05.Lhasa
アルバムの表題曲ですね.歌詞は鎮魂歌,レクイエム…スコアでTAKAさんは魂の永遠のような深みある曲と称していました.その言葉通り,広大なスケールに着色された世界観でラクリマの真髄とも言える1曲だと思います.

最初の鐘の音もこの曲の特徴的なサウンドだと思いますが,モジュレーターを使ったギターで作り込んでいるんですね.いや〜参考になります…

アルバムには収録されてませんが,同時期に出たシングル「IN FOREST」のc/wにこの曲の別アレンジが収録されていますね.そちらもなかなかに乙な曲に仕上がっているので聴いてみてください.

【ours】
06.Green
yoursの楽曲がLhasaで終了してから始まるのはこれまたサイケデリックな雰囲気がむんむんで妖しげなコーラス.ラクリマ節全開なoursサイドの幕開けです.

これを最初に聴いた時の衝撃は凄まじかったです.だって,このアルバムが最初のラクリマだったからね.何も知らずに聴いていて,前半5曲のイメージのまま6曲目に入った途端この曲だもん.まるでこう…いきなり非現実的な異世界へ放り出されたかのようなね.

そんでもってこの曲のドラムフィルがこれまたすんごくカッコ良くて,LEVINさんがボンゾ系のフィルとスコアで言及していましたが,そのパターンは自曲のドラムパートのアレンジでちょこっと参考にしていたり.

07.PSYCHO STALKER
ロック精神炸裂なドラムと狂気的なシャウトから始まるダークな疾走ナンバー.実はこの曲,初回のボカロV系カバー祭でやっています(いつかリテイクしたい)

TAKAさんの声が割れているのはビールを1リットルほど飲んでからレコーディングにいったからそうで,SHUSEさんから心配されていたみたいです(マジこういう裏の話大好き)

歌詞は日常で感じるようなストレスから来るものみたいですが,見事にラクリマ流で独特な世界観を描いています.HIROさんのワウとワーミーで弾きまくってるリフが印象的ですけど,KOJIさんパートのアルペジオもかなりエグい…本当にカッコイイです.

08.Frozen Spring
ラクリマワールド全開なoursの楽曲ですが,その中でも異彩を放つ怪作がこの曲.10曲目とこの曲は特にプログレッシブ・ロックだよね.

世界は広いからもしかしたら,このタイプの曲は他にも沢山あるかもしれないけど,少なくともこのバンドを知った段階で私はこんな曲聴いたことがなかったです.

人生の儚さを春夏秋冬にたとえて書かれた歌詞は芸術品だと思います.あと余談ですが,この曲のスコアで私はギターのリバースチューニングというものを知りました.

本当に不思議な曲です.

09.鳥になる日
ストリングスがバンドに絡む名バラード.HIROさんのフェイザーがかかったアルペジオが味を出してて,美しくもあり翳りを感じる…一筋縄ではいかない楽曲ですね.

それでいて間奏とかめちゃくちゃロックです.ギターは弾き倒し,ドラムは大量のフィル,綺麗なバラードにこういったアグレッシブな一面があるのもこの曲の魅力だと思います.

TAKAさんとHIROさんが解説されていましたが,フランス映画のような雰囲気があって,今にでも翼を広げて空に飛び立ちそうです.解放的な美しさがあります.

10.Zambara
名盤Lhasa最後の楽曲にして,8曲目と双璧を成すプログレナンバー.転調,変拍子がこれでもかってほど登場するし,全体的にシャッフルで…この曲の世界観はラクリマ特有のものだと思います.ただただ圧倒.

序盤は異国のお祭りって感じがしますね.キャンプファイヤーとかを囲っているようなね.それで歌詞もまた神秘や幻想を感じる内容で,この複雑な展開の楽曲においてはアコギのストロークと並んで重要なコアになっていると感じます.

…ラスサビのTAKAさんのボーカルも必聴ものですよ.めちゃくちゃ高くてよう出るなぁ…って今聴いてもビビります.元々ファルセットにするつもりだったみたいですけど,マイクの前に立ってみるとあの音が出たとのことで…凄いボーカリストだなぁと実感させられます.

そんなこんなでLa'cryma Christiというバンドに運命を(私が勝手に)感じた,出会いのアルバム「Lhasa」の紹介でした.ぜひ聴いてみてください.

最後に…
2022年11月19日〜20日にピクシブ主催のオンライン即売会イベント「NEOKET3」に自主制作アルバムを引っ提げて参加します!ぜひ遊びに来てくださいね!

アルバムについて記事を書きました!
https://note.com/zanyasoshi/n/n6c79dca2c670

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