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灼熱の業火の燃ゆる我が心
凍てついた絶対零度の我が心
折り合いのつかずにぶつかるその境
眼前を覆い隠して白い靄

『いっそなら全て燃やせ』と声がする
『心を凍らせれば楽だ』と声がする
どちらも僕の声だとは分かってる
紛糾する会議の行方は知らず

朝靄の海を行く小舟のようだ
揺られては行きつ戻りつ『ここはどこ』
掌の方位磁針の回る針
右も左も分からずに漂うは

全てがあり全てがない水平線

業火と氷塊のぶつかる音がする
上がる水蒸気は雨を呼ぶだろう
止まない雨はないと誰かは言うが
どうしてこの雨が止むか分からない

せめていっそいつか狐の嫁入りに
青く晴れた空に涼やかに降れば
輝く虹も見られようものでしょう
さすれば業火も氷塊もまた良き

大気は揺れて輪廻する心情(こころ)也

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