つまり、そういうことだ 21.5
少し前の世代までは、自分のキャラクターに飽きるなどということは許されなかった。
最後まで「分相応」に役割を果たすことが美徳とされていたからだ。
キャラを変えるためには、環境をゼロからリセットしなければならなかった。高校デビュー、大学デビュー、社会人デビュー、ネットデビュー等、過去の自分を知らない人たちの中でしかキャラ変が難しかった。要するに「前からそういう奴」でなければ調子こけなかったのである。
しかし今日(〓こんにち)ではコミュニケーションテクノロジー(伝える言語)の進歩により、キャラ変が市民権を得た。
キャラ変という言語が誕生したことが、何よりの証左(〓しょうさ)である。
少し前までなら「詐欺」とか「ハッタリ」「二重人格」と言われていた行為・キャラ変。いまは「往々にして起こること」「みんながやり得ること」として認識されている。
あとは、自分が違和感に耐えるかどうかだ。まわりにいる他者の見方が、新しいキャラに馴れるまで、みんながアジャストするまで、自分が耐えきれば、キャラ変、いや上級職への「クラスチェンジ(転職)」は成功する。
ただし、レベルは一からスタートだが。
自分という大魔王(〓ラスボス)が送り込んでくる違和感というモンスターを、倒しきることがクラスチェンジの条件なのだ。
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