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  • 【エッセイ】夫と私とレズ風俗

    私の半生を振り返るだけのエッセイです。

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夫と私とレズ風俗

ある時、夫から不意に「レズビアン風俗に行ってみたら?」と言われた。 今度久々にデートに行こうという話をしている最中だった。 私は子どもが二人いる、結婚もしている世間的に見ればヘテロセクシュアルの女性に見える存在だ。 しかし、実際には女性性を自分の中では納得できない、更にむしろ今まで好きになった人は女性の方が多いバイセクシャルである。 小学生の頃、初恋の女の子が進学する学校を中学受験して、同じ学校に通った。 初恋は全くかなわなかったが、中学~高校では何人かの彼女とも交際する

    • 100万円

      私は歯列にとてつもないコンプレックスを抱えている。 正直、アラジンの魔法のランプがあれば真っ先に「歯を整えてください」とお願いするレベルだ。 しかし、いかんせん歯列矯正には長い時間がかかる。 2~3年単位で治療を続けなければならない。 これはかなり面倒だと思って、若いころには先延ばしにしていたのだ。 しかし、30も超えたある日、私はふと歯列矯正をしてみようと思い立った。 何の脈絡もなく、そうだ、と思い立ってしまったのだ。 次の日には私は歯列矯正のカウンセリング予約を取った

      • 銀歯が取れた

        皆さんは歯医者に良い思い出があるだろうか? あまりないという人がほとんどだと思う。 私自身はそれ程怖いと感じることはないが、子どもたちやかなりの数の大人も歯医者嫌いが多い。 かくいう私の夫も歯医者が嫌いな大人の一人だ。 まだ結婚する前のある日、夫の銀歯が取れてしまったことがあった。 これでは当然歯医者に行かなくてはならない。 仕方が無いので嫌々ながら歯医者の予約を取った彼は、その日が近づくにつれて険しい表情になっていった。 どれだけ嫌なんだ、歯医者。 予約の日程が近くなる

        • レーザー切開

          私には二人の子どもがいる。 一人目の妊娠中、無性に右の奥歯が痛いことに気付いた。 これは虫歯に違いない。 何を噛んでも痛い。 噛まなくても痛いのだ。 急いで歯医者に行くと、歯医者は私に「親知らずですねー」と告げた。 親も知らぬ間に生えてくる親知らず。 私もあずかり知らぬところでそんなものが生えていたとは。 医師曰く、親知らずが歯茎を圧迫して炎症を起こしているために痛みがあるらしい。 それは困った。 何せ、妊娠中では痛み止めも飲めない。 治療してもらうよりほかにないだろう。

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        • 【エッセイ】夫と私とレズ風俗
          6本

        記事

          面倒な時は仲間を集めろ

          みなさんはどのタイミングで歯間ブラシをするだろうか。 歯に物の詰まった時。 歯磨きの後。 昼休み。 私は娘が歯間ブラシをするときに一緒に行うことにしている。 歯医者は何かといえば歯間ブラシをしろと言ってくる。 しかし、私にはどうにも面倒に思えてならない。 歯磨きですら面倒なのに、なぜそれ以上の手間をかけなければならないのだろうか。 もちろん、虫歯にならないためだ。 どうにも私は自分をケアすることが苦手である。 長く、髪を洗わない期間があったし、風呂に入るのも面倒で、子どもの

          面倒な時は仲間を集めろ

          ワルサーP38

          大学の入学式、私はスーツと金髪の刈り上げで立っていた。 その日、お笑いサークルの看板を掲げている先輩を見てすぐに入りたいと告げて食事会に参加した。 そこには、同期が一人だけ。 とても歯が綺麗な人だった。 ニコッと笑うと白い歯がとても印象的だった。 次の日、とても人気があった大学祭実行委員会の食事会にも参加した。 何となく、お祭りごとが好きだったのだ。 大騒ぎするたくさんの同期と先輩を見回すと、あの歯の綺麗な人が居た。 昨日と違って、何だかぼんやりとした様子だった。 声をかけ

          穴の向こう

          20代前半の頃、私はチャットレディという、インターネット上で男性とチャットをしてお金を稼ぐという仕事をしていた時期がある。 男性はテキストチャット、私はボイスチャットか顔から下だけを画面に映した状態でやりとりをする。 おかしな客も多かったが、頑張った分時給が上がるシステムは中々悪くない。 サムネイルやコメントでアピールを欠かさず、話せば話す分お金がもらえる仕組みだ。 私はアパートの一室を店舗としたチャットレディを行っていた。 アパートには一応店長と呼ばれる人が居て、

          夫と私とレズ風俗【7話】

          話は1話に戻る。 一週間後、私と夫は、新宿のラブホテルで一人の女性を待っていた。 風俗店に行く条件は一つ。 「夫に同伴してもらう」ことだった。 正直、夫も居ないところで誰かとそういう行為をいたすことに後ろめたさがあったのだ。 夫も承知の上なのだから、これは確かに浮気ではないかもしれない。 しかし、それでも私は何となく夫に言えないことができてしまうことが嫌だった。 部屋で待ってしばらくすると、指名した女性が入ってきた。 夫と私に向かって丁寧に今回のサービス内容についてと料金

          夫と私とレズ風俗【7話】

          夫と私とレズ風俗【6話】

          子どもが生まれてから、私はそれまでの性欲はどこへやら、全く致したいという気持ちがなくなっていた。 夫からは週5日は求められるものの、正直全く応じる気持ちになれないのだ。 2回に1回は応じることに決めていたが、それでも夫は不服そうであった。 それはそうだ。 それまで盛りのついた猫のようだった私がすっかり変わってしまったのである。 どうにも受け入れることができなかったのだろう。 また、当時の我々は絶望的にお金がなかった。 長子が生まれるまでに借金を返し終わったとはいえ、私は無

          夫と私とレズ風俗【6話】

          夫と私とレズ風俗【5話】

          同棲と言えば聞こえはいいが、正味な話、私は当時学生だったCの家に転がり込んだ形となった。 ほとんど財布1つで転がり込んで、二人で雀荘で働きながら貧乏生活を送っていた。 私はすっかり夜の仕事を辞めて、Cとの生活をそれなりに楽しんでいた。 お気付きの方もいるかもしれないが、これが後の夫である。 彼は怖ろしいほど今までの交友関係に居ないタイプの人間だった。 まず、私に全力で尽くそうとしてくれる。 何から何まで私を優先して生活していた。 私はそれまで自分が交際者にこんな扱いを受けた

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          夫と私とレズ風俗【5話】

          私と夫とレズ風俗【4話】

          私は結局、人間になるはずだった命の火を一つ消したのである。 堕胎の手術からしばらくは体を休めるためにアルバイトを休みにしてもらっていた。 何とも言えない喪失感があったが、自分が生きるために他者を犠牲にする選択をしたのは自分であり、私が何か言える筋合いはないだろう。 私は手術から約2週間は家に引きこもって過ごしていた。 それから少しずつ外に出て、家の近くの喫茶店に行ってみたり、パチンコ店に行って時間を潰すという活動を始め、しばらくしてアルバイトに復帰した。 話をしていた店長

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          私と夫とレズ風俗【4話】

          【日記】性風俗店の性差を考えた

          これは昨日、私がレズビアン風俗に行ってきたという日記だ。 前提として私は数年間男性向けの風俗店で勤務していた。 いわゆる嬢だったわけである。 当時、利用者に対してとにかく塩対応で有名だった。 (レビューサイトを見たら、対応が塩過ぎるというレビューでいっぱいだったので間違いない。) 何せ、お金を稼ぐためだけの目的だったから、汚いおっさんを相手にするのが嫌で嫌で仕方なかったし、汚くないイケメンの相手も本当に面倒な労働でしかなかった。 それでも、時々「この人はきちんと対応しよう」

          【日記】性風俗店の性差を考えた

          夫と私とレズ風俗【3話】

          大学卒業間際になっても、卒業してからも私は就職活動をするでもなくただ漫然と日々を過ごしていた。 履歴書にある性別欄も、化粧も、画一的なスーツも全てを受け入れることができず、結局何もせずにいたのである。 周りには公務員試験を受ける、ということにしておいた。 何もしていないのでは流石に体裁が悪いと思ったのだ。 一応、公務員試験に向けた勉強はしていた。 恣意的ではないにせよ周囲だけでなく、自分自身も騙していたのだと思う。 本気でなりたいわけではないのにテキストをめくっては線を引き

          夫と私とレズ風俗【3話】

          夫と私とレズ風俗【2話】

          私の大学生活は、世間一般と同じくそれなりに堕落していた。 酒を飲み、タバコを吸い、朝までバイトにいそしんで授業をサボる。 いわゆるダメな大学生だった。 歓楽街にあるファーストフード店で深夜にアルバイトをしていた時のことだ。 徒歩での帰り道、後ろから背の高い外国人に話しかけられ、そのまま性的暴行を受けた。 あまり詳細は覚えていないが、抵抗する気も起きずにことが終わると私はそのままフラフラと家に帰った。 今思えばその足で警察と病院に行くのが筋だったのだろう。 しかし、何となくそ

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          夫と私とレズ風俗【2話】