がんを抱えて、自分らしく生きたい(西智弘著)

最近読んだ本の話。

Tさんには
「プライベートと仕事が混同しているね」
って言われたけれど
自分の中では、地続きのようなもので、
区別するつもりもなくて
でもほどほどに全く関係ないことも
やらなければと思っている

さて、この本は
幡野広志さんの本を読んだりする中で知った
西智弘先生の著作

緩和ケア内科医であり
腫瘍内科医である著者が
出会った患者さんから学んだ
「言葉」や「物語」を綴った本である

人生には四つの苦しみがある
生・病・老・死
病いについて考える時
それは時に
生きることを考えることでもある

また死を考えることでもあるし
必然的に老いについて考えることにもつながる

テーマとしては
がん治療・緩和ケアについてであるが
その枠に収まらず
人生の普遍的な問題を扱っている

それはつまり
如何に生きるかであり
如何に死ぬかである

『明日死ぬかもしれない』
そういう意識を持つことは難しい
でも
今日一日を大切に
今日一日を大事に
進んで行くことは
少しの努力で出来る

大切なことは
自分がやらなければいけないことに
常に全力を尽くすこと
そして
自分がやらなきゃだれがやる
そうやって
自分の存在価値を見出していくのではなく
自分がいなくても
何もかもちゃんと回っていく
でも
今その歯車の一部になってること
そこに大きな価値がある
そう認識すること

自分という存在は
自分ひとりで成り立っているわけではなく
他人がいるから成り立っているわけで

他人がいるからこそ
自分自身を認識することができる

ひとりで存在しているつもりでも
顕在意識だけでなく
無意識化においても
他人に影響を及ぼしているし
他人の影響を受けている

まずは
自分はそうやって
みんながいるから成り立っている
そう認識すること
そして
感情の揺れ
それによる自分の行動について
ひとつひとつ
丁寧に考えてみる
そうして自分を俯瞰的にみることで
もっと深く自分自身を知ることができ
それは本当に自分がやりたいこと
そこに繋がっていくはずだから

一回きりの人生
ひとりひとりに色々な人生があり
誰かの人生を知ることは
自分の今を見つめることになる
そうやって
自分自身の人生を紡いでいく
自分はひとりではない
出会う人や出会う本
そういうものによって形作られている

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