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競技ゴルフと私 5

 アメリカには半年ほど居てその秋に日本に戻ってきました。
 2001年アメリカでテロがあった秋です。

 直ぐに仕事があった訳では無いので、先ずは練習場のバイトを探し、そのバイトと工場での派遣の仕事を掛け持ちしながら生活が始まりました。
 工場勤務は2交代の夜勤があったので、昼勤明けと夜勤明けで練習することにしていました。
 土日に練習場のバイトに入れてもらい、バイトの無い平日の工場勤務後練習は自由に使わせてもらえました。
 ただこの勤務で練習を続けるのはなかなかハードだったのだと思います。
 それとまわりからは一体何がしたいのか聞かれていました。
 私としても、プロになりたいと思って練習している訳ですが、工場で働く意味が有るような無いような感覚はあったと思います。
 結局派遣の仕事は3ヶ月ぐらいでやめて、練習場が練習場連盟の研修生に登録してあげるから、練習場でバイトを毎日するようにしてもらえました。

 練習場連盟の研修生登録をしてもらう為には、練習場連盟の入会テストがありそれに合格しないとなれません。
 その研修会の試合について書いていきます。

 研修会入会条件が、当時は2Rの合計で182以下でラウンドする事だったと思います。毎月1回で2R連続の合計です。なので2Rで18オーバーまでになります。
 今は変わったと言ってましたのでどうなったかは分からないです。
 コースは毎月変わっていきますから、易しく感じるコースが2R続くと良いのですが、難しいコースで打ってしまうと入会出来なくなります。
 入会出来ないとずっと練習生になり毎回入会テストを受ける事になります。入会出来ないと、プロテストを受ける研修会に参加していないのでポイントがもらえず、プロテストが受けれない事になります。もちろんそんなレベルでテストに行っても意味はないですが。

 最初の入会テストは落ちました。
 コースが岐阜県にあるスプリングフィールドだったのですが、受ける前に皆からは運が悪いとも言われました。かなり難しいコースで、70台でラウンドする事がかなり難しいから、多分通らないと言われました。
 実際ラウンドしてみると、とてもスコアになるコースではありませんでした。
練習でボールを打つ事は出来ていましたが、ラウンドはしていませんでしたので流石に感覚が悪く、85ぐらいは打ってしまい2R目のコースが何処だったか覚えていませんが普通に落ちました。

 そこからその練習場にいた、他のゴルフ倶楽部のゴルフ場連盟の研修生やプロ達がラウンドに付き合ってくれ、1ヶ月後の2回目入会テストに臨む事になりました。
 会場は1R目が愛知県の品野台GC、2R目が岐阜県のユーグリーン中津川GCでした。
 1Rの事はよく覚えていませんが、70台でラウンドしたのだと思います。
覚えている限りでは、2R目のユーグリーンを85ぐらいでラウンドすれば合格だったと思います。

 このユーグリーンGCが難しいのです。
 以前女子のトーナメントで アピタサークルKサンクスレディースが開催されていたコースです。最近ラウンドしていませんが、とにかく狭く感じ、グリーンがポテトチップスで、アンジュレーションがキツイので3パットが多発してしまいます。グリーンを外すとアプローチが難しく、アンジュレーションの読みと距離感がつかみにくいコースでした。
 ただ当日は80台前半でラウンドできれば合格するのだから、特に問題はないといった考えです。難しいホールをしっかりボギーで上がってしまえば、後は問題ないと考えていました。10オーバーぐらいでラウンドすれば良いのですから。
練習ラウンドも特に問題なく、ボギーホールをボギーで上がるマネジメントで練ランは終わりました。

 そして当日。
 なぜかコースに行く車の中で、もの凄い緊張感が高くなっていきました。今まで経験した事ない緊張感でした。
 アメリカでも毎週競技に出ていましたし、スコアが悪くても気にもしていませんでした。しかしこの時は凄く緊張していました。それからかこの車の中の緊張感は今でもあります。当時を思い出すと、競技ゴルフに参加していた時は行きの車の中が一番嫌でした。会場に着いてしまえば、少し落ち着くのですが、それまでは何でエントリーしてしまったのだろうと後悔する事が多々ありました。

 ゴルフ競技において、人より良いスコアでラウンドする競技と、規定打数内でラウンドする競技があります。この規定打数内のラウンドをした事がありませんでした。規定打数と言っても85ぐらいですから、そんなに問題があるとは思いませんが、なぜか気になってしまったのだと思います。
 競技ゴルフはこの規定打数内というのがどうしても付いてきます。
 例えばアマチュアでシングルになれるかどうかの時に、70台でラウンドして下さいとか、クラチャンやスクラッチのストロークで76なら勝てるとか。このようにスコアが基準になってしまう事もあります。
 プロなら、プロテスト合格ラインが分かっている時、予選通過が分かっている時などは規定打数内を考えてしまいます。
 トーナメントで優勝争いをしている時は1打でもスコアを伸ばすか、相手が崩れる事で勝つ事がありますから、スコアを気にしてラウンドするよりも、その相手や最善を考えてラウンドする事になります。
 どちらにしても競技は難しいですが、ゴルフスコアにおいて相手の事はどうしようも出来ません。いくら自分が良いスコアでラウンド出来ても相手がそれよりも良ければ勝てません。しかし規定打数内は自分の事になるので、何とかなりそうな気がします。
 もちろん自信があれば気にもせずラウンドできる事なのですが。

 そんな緊張の中スタートしました。

 次回に続く





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